視力矯正も近視の進行を遅らせるのに有効
近視の進行を遅らせるためにもう一つ有効なのが、視力矯正をすること。近視になってもものがちゃんと見えるよう、目はがんばってピントを合わせようとしますが、これが目に負担をかけ、近視を進行させる原因になります。がんばらなくてもピントが合う状態であれば、目に負担をかけることはなく、その方法が視力矯正です。
「眼鏡は、現状の近視のレベルに合わせて、ピントがあるように凹レンズで調整してくれる道具です。つまり、メガネをかけると、がんばらなくても、ものがちゃんと見えるようになるということです。目の負担が減るわけですから、近視の進行を抑えられるようになります」
視力の低下で不自由を感じたら視力矯正を
「近視になって視力が落ち不自由になれば、メガネをかけましょう」と角谷さん。一般的には、裸眼視力0.7以下が眼鏡をかける目安だそうです。
「こまめに度数を調整して、ちゃんと見える状態をキープすることで、近視の進行を抑えることが大切です」
コンタクトは使い捨てタイプがおすすめ
かけるわずらわしさや、かけたときの見た目などからコンタクトレンズを選ぶ人もいますが、コンタクトレンズも眼鏡と同様に、こまめに度数を調整するほうが近視の進行を抑えることに役立ちます。また、コンタクトレンズは高度管理医療機器に指定されている、しっかりとした管理が必要な医療機器であり、目の健康のためには正しい使い方をする必要があります。どんなタイプであれ、使用法を守るのは大前提ですが、リスクを最小限に抑えるには、1日で使い捨てるタイプのレンズがおすすめ。
「ハードコンタクトレンズや2ウィークレンズなどは洗浄、保存することで一定期間使用することができるといわれます。確かにそうなのですが、どんなに丁寧に洗っても、保存液につけていても、涙に含まれる粘液成分や脂分を落とし切るのは困難です。その汚れが少しずつ蓄積されると、やがて粘膜や角膜を傷めることになります」
◆教えてくれた人:株式会社わかさ生活 代表取締役社長・角谷建耀知さん
かくたに・けんいち。18歳のとき、脳腫瘍の大手術によって視野の半分を失う。自身の経験から、自分のように目で困っている人の役に立ちたいとの想いで、1998年にわかさ生活を創業し、目の健康サプリ「ブルーベリーアイ」などを販売。現在は多数の企業や眼科医と連携して、商品の開発・情報発信を行う。著書に『歳をとっても目が悪くならない人がやっていること』(アスコム)、『長生きでも脳が老けない人の習慣』(同)など。https://ameblo.jp/wakasa-president/
◆監修:医学博士・森下清文さん
もりした・せいぶん。医療法人森下眼科理事長・医学博士。大阪医科薬科大学で研鑽を積み、同大学の講師として、白内障、緑内障、眼底出血などの診療と研究に従事。1991年に大阪市北区で森下眼科を開業。1992年4月から「市民健康講座 目の勉強会」を開始。全国各地で啓発活動を行う。https://morishitaganka.net/