料理・レシピ

じゃがいもにはりんごの7倍のビタミンC!「新じゃがは皮ごと食べるべし」野菜ソムリエプロがすすめるのはなぜか?

じゃがいも3個
意外と豊富なじゃがいもの栄養素とは?(Ph/photoAC)
写真6枚

定番野菜の1つであるじゃがいも。春は、新じゃがいもが出回るのを楽しみにしている人も多いでしょう。野菜ソムリエプロの福島玲子さんによれば、じゃがいもは意外にも栄養が豊富。さらに、新じゃがいもにさらに多く含まれている栄養素もあるのだそう。そこで、じゃがいもの詳しい栄養素と、品種別のおすすめレシピを解説していただきました。

* * *

ビタミン豊富なじゃがいもの詳しい栄養素

フランスでは「大地のりんご」と呼ばれるじゃがいもは、ビタミン類をはじめ、さまざまな栄養素が含まれる野菜です。どんな栄養素があるのか、解説します。

ビタミンCが豊富!新じゃがいもはさらに多い

先述の通り「大地のりんご」と呼ばれるじゃがいもですが、実はりんごの7倍のビタミンCを含んでいます。「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」によれば、可食部100gあたり、じゃがいもは28mg、りんごは4mgのビタミンCを含むとされています。

ビタミンCは骨や血管を強化して老化を予防するほか、シミやそばかすの改善など美肌効果もある栄養素です。じゃがいもに含まれるビタミンCはでんぷんに包まれていて加熱によって壊れにくく、効率よく摂取できるのもうれしいポイントです。

ちなみに、新じゃがいもからはじゃがいもよりもさらに多くビタミンCを摂ることができます。収穫から時間が経つことでビタミンCが徐々に減少してしまうため、保管期間の長いじゃがいもより新じゃがいもの方が含有量が多いのと、新じゃがいもはビタミンCを多く含む皮まで食べることができるからです。新じゃがいもが手に入ったら、ぜひ皮ごと調理して食べてください。

畑に転がるじゃがいも
新鮮なじゃがいもに豊富なビタミンC(Ph/photoAC)
写真6枚

疲労の予防やむくみの解消にも効果的

じゃがいもはビタミンB1も豊富です。糖質をエネルギーに変えるのを助けるため、ダイエットを後押ししてくれます。不足すると疲れやだるさ、食欲不振につながります。

さらに、摂りすぎた塩分の排泄を促し、むくみの解消に役立つカリウムも多く含んでいます。

ほか、じゃがいもの皮にはクロロゲン酸という強い抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれています。がん予防や老化防止の効能、糖尿病の予防にも効果が期待される栄養素で、皮がやわらかい新じゃがいもなら食べやすいので、特におすすめです。

皮付きポテトフライ
じゃがいもは皮ごと食べる調理法が◎(Ph/photoAC)
写真6枚

レシピ別!じゃがいもの品種の選び方

じゃがいもといえば、さまざまな品種があります。レシピによって品種を選ぶと、さらに楽しむことができるでしょう。今が旬の新じゃがいもに加えて、主流の男爵とメークインの違いや、独自の栄養を含む品種をご紹介します。

新じゃがいも・男爵・メークインのおすすめレシピ

春にだけ味わえる新じゃがいもは、収穫後に貯蔵して熟成させる通常のじゃがいもとは違って、掘りたての状態で出荷されるもので、皮が薄くてやわらかく、みずみずしい食感が特徴。皮ごと食べられるので、そのまま茹でたり蒸したりして素材の味をいただくのがおすすめです。

メークインと男爵
男爵とメークインの違いって?(Ph/photoAC)
写真6枚

男爵は丸っこくてでこぼことした品種です。火を通すとホクホクとした食感を楽しめて、肉じゃがにして煮崩れしてもまたおいしいです。ポテトサラダ、コロッケなどつぶした食感を楽しむレシピにも向いています。

男爵と同様によく見かけるメークインは、なめらかな楕円形で、でこぼこが少ない品種。煮崩れしにくく歯ごたえがあり、シャキシャキとした食感なので、ハッシュドポテトやきんぴらなどにするといいですよ。

栄養も変わる!じゃがいものさまざまな品種

じゃがいもには、ほかにもたくさんの品種があります。たとえばインカのめざめは、糖度が高く栗のような甘みがある品種。濃く黄色い芋の部分には、抗酸化作用があり、皮膚や粘膜の健康を維持に関わるβ-カロテンがたっぷりです。

カラフルなじゃがいも
種類によって栄養価が違うじゃがいもも(Ph/photoAC)
写真6枚

シャドークイーンやノーザンルビーなど、紫色の品種は、視力・視覚機能の改善や眼精疲労の予防に効果があるアントシアニンによって色がついています。品種によって含まれる栄養だけでなく、食感や味わいも変わるので、さまざまなじゃがいもを食べ比べてみるのも楽しいですよ。

◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

野菜ソムリエの福島玲子さん
野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
写真6枚

ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/

構成/イワイユウ

●春は新じゃがいもの季節! おいしく食べたいなら「皮」を見るべき理由、長期間保存するコツは?

●緑茶など意外なビタミンC豊富食材とは?手軽に摂ることができる食材&簡単レシピを紹介

関連キーワード