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前期高齢者3年目を迎えた67歳オバ記者、不調は“顔”に表れる? “絶景”の桜を見ながらハッとした「健康そうじゃない顔」

オバ記者
春を満喫中のオバ記者(写真は日本橋の「江戸桜通り」の桜並木)
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ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子。毎年春になると、“気象病”で体調不良に悩まされるが、今年もやはり…。体調の浮き沈みに翻弄されながらも、桜の景色を見てオバ記者が思いを巡らせたのは――。自らの「顔」に感じる体調の変化について綴ります。

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“花見酒”を楽しむも「健康そうな顔じゃない」

毎年、3月は体調が悪いけれど4月、5月になると復活する、と言っていたけれど、今年は4月にずれ込んだ感じ。

4月に入って最初の日曜日、仕事仲間のSさんが誕生祝いランチをしてくれたのよ。「新幹線が見えるテラス席を用意しました」と指定したのは東京駅すぐ前の常盤橋タワーの2階のレストランでね。東京駅再開発もそろそろ大詰めなのか、常盤橋タワーの目の前では大工事が始まっている。ここから新幹線が見えるのはビルが建つまでのほんの短い間なんだよね。

こういう期間限定って大好き。てか、乗り鉄と同時に“眺め鉄”の私。外から車窓の中を見ながらこの見知らぬ人たちはどこからどこへ向かうのかしら、なんて思いをはせながら箸を動かすのは最高よ。

オバ記者
“眺め鉄”女子には最高の景色
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で、帰りは東京駅から秋葉原までSさんと一緒に歩いたら、通りに人が溢れている。そういえばここはその名も江戸桜通りで桜並木が続いている。

この日は気分が良かったのでシャンパンで乾杯×3回と、2次会で生ビールを1杯グビリとやったからだね。さっそく顔がちょっとばかりむくんでいる。そうなんだよね。最近、自撮りしても顔が気に入らないことが多いんだわ。美醜ではない。健康そうな顔じゃないんだよ。

知人の“偉人伝”のような話を聞きながら“絶景鑑賞”

で、その4日後。今度は26年前に仕事をしたM社のHさんと東武動物公園駅の周辺を“デート”をしたの。当時、Hさんは出産間近。大きなお腹をしていて、「さすがにね」とお酒は飲まなかったけれど、六本木の鳥居坂をスタスタと上がって行く姿のカッコよかったこと! その時お腹の中にいたご子息が今や大学院生だそうな。その昔、秋元康さんが確か「子供がいると時間が形になる」という主旨のことをおっしゃっていて、なるほどなと思ったけど、Hさんが形にした時間もすごいよ。

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天気が良い日にHさんと東武動物公園駅の周辺を“デート”
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なんと、出産して2週間後に実家の近くにあった教習所に通ってバイクの大型免許を取得したんだって。里帰り出産で子供は母親がみてくれるって、なかなか思わないって。で、夫はパリ-ダカールのレースに出るほどのバイク好きで、彼女自身も中型バイクの免許を持っていたけど、この子が大きくなったら3人でヨーロッパにツーリングに行こう。そのためには大型バイクに乗り慣れていた方がいいと決めたんだって。そして満を持してこの5月にいよいよ実行するんだって。

こんな”偉人伝”のような話を聞きながら、お散歩する爽快さといったらない。そもそもこの日の目的は私がHさんにおすすめした天然温泉「雅楽の湯(うたのゆ)」に一緒に行きましょうということになったんだけど、「ついでに桜も見に行かない?」と誘われて来たのがここ。

オバ記者
キレイな景色に感動してたのに地元民は見向きもしないなんて!
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東武動物公園のすぐ横を流れている川岸に菜の花が咲き、桜が両側から川に向かって倒れて、はらはらと花びらを散らしているってね。もう、あまりに出来すぎていて現実味がないくらいよ。「目黒川は大変な人出らしいけれど、ここは人っこひとりいない」とHさんがいえば、「声を張り上げている酔っ払いもいない」と私。なんたってこれだけの絶景を愛でているのは私たちだけで、地元の人は桜には見向きもしないで自転車で走り抜けるし、すぐ近くの小学校の児童は当たり前の顔をして集団下校してるって、もう、あり得ないって。

“天然温泉”を楽しみ自撮り「これならまだまだイケそう」

「東武動物公園に移住してもいいかも。いや、こんなことを考えた埼玉の街って初めてかも」と言ったのは、駅から数分のところにあるコミュニティーセンター「進修館」で足を止めたとき。豪華な市の施設はいくらでもあるけれど、こんなに風格があって居心地が良くて、なのに圧倒される建物ってあったかしら。

オバ記者
本日の大目的「雅楽の湯」へ
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そうそう。本日の大目的は「雅楽の湯」でした。ここは東武動物公園駅から送迎バスが出ていて、これまた居れば居るほど素晴らしさが目に沁み、肌に染みる日帰り温泉なんだけどね。十割の天ざるそば(1200円)がまた絶品なの。

オバ記者
おいしかった! 天ざるそば
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そんこんなでめちゃ楽しい一日だったけれど、終わってみれば気になるのは「雅楽の湯」に入館する前に自撮りした私の顔よ。大丈夫。これならまだまだイケそうだぞと、5月に予定しているすい臓にできたのう胞のMRI検査に真っ向から挑めそうな気になったんだよね。

そういえば体調が悪いと言っていた田舎の幼なじみが、90歳を過ぎた親戚のおばあさんにそれを訴えたんだって。そうしたら「ああ、70になる前の何年間は私も調子悪かったよ。そういう年頃なんだよ。でも70過ぎたら嘘みたいに元気になっから、まぁ、今は無理しないでだましだましだな」と言ったんだって。

もちろん人によるだろうけどさ。94歳を目前にして亡くなった私のゴウツク母ちゃんも60代の後半に精神が不安定になって激痩せしたっけなぁ。そして気がついたときは復活して、毎年行われる地元の「ひな祭り」に10年、出店を張っていたわ。

前期高齢者3年生になったばかりの67歳のおらが春。よし、これからだな。

オバ記者の母親
あの母ちゃんも60代後半にいろいろあったけど94歳まで生きたから、私もきっと大丈夫だろう
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◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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