被災者のお見舞いへ 熱心に話を聞かれた両陛下
石川県輪島市の避難所「ふれあい健康センター」では、被災者の前で腰を落とし、一人ずつに声をかけられ、被災者の話に、何度もうなずきながら、熱心に耳を傾けられていた。
天皇皇后両陛下は「けがとかは大丈夫ですか」「お体をお大事にしてください」などと声をかけられた。雅子さまは「こちらもまだ水が使えないですか?」と質問をされ、避難生活を気遣われていた。
被災者のお見舞いを終えられた後は、災害対応に尽力した関係者らの話を聞き、ねぎらいの言葉をかけられた。
上皇皇后両陛下から受け継がれた“スタイル”と令和流のご配慮
津波で広い範囲が浸水した珠洲市にヘリで移動した天皇皇后両陛下は、泉谷満寿裕市長に出迎えられ、その後マイクロバスで、避難所となっている緑丘中学校を訪問された。
輪島市の避難所でのお見舞いと同じように、相手と同じ目線の高さになるよう、被災者の前に座られた両陛下。かつて上皇皇后両陛下も避難所で被災者を励まされる際に床に膝をついていた。また今回の日帰りという点も上皇ご夫妻の姿と重なる。2016年の熊本地震で日帰りというハードスケジュールのなか、上皇ご夫妻(当時は天皇皇后両陛下)も、被災地を訪問されている。
その後、津波被害が大きかった飯田港をご視察。泉谷満寿裕市長からの説明を受け、被害状況を視察された両陛下は、2度、海に向かって、異なる方角に深く頭を下げられた。
今回の天皇皇后陛下のご訪問は、震災直後、心を傷められながらも、現地のことを考え、時期を慎重に検討され、優しさ溢れる“令和流”のお見舞いとなった。