健康・医療

足を温めるだけで不調が改善されるのはなぜか?「肝臓が元気に」など3つのメリット

足を温める3つのメリット

足を温めることが不調改善につながると話す吉田さん。とくに知っておいていただきたいというメリットは3つ。

肝臓が元気になる

肝臓は絶えず熱を作り出すために動いているうえに、栄養分を体が必要なものに変える代謝機能や栄養素の貯蔵、解毒など生命維持に欠かせない役割を担い、365日間働き詰めの臓器です。そして、流れてきた血液を、体の免疫力を高める血液にして送り出す役目もしています。

「その肝臓が冷えてしまうと、機能が弱まり、免疫力も低下するため、さまざまな体調不良を引き起こします」

足を温め、血液を温めると、肝臓が血液を温める必要がなくなるため負担が減ります。そして、肝臓自体も温まるため、他の役割を高めることができるといいます。つまり、肝臓が元気になることは、体全体が元気になることにつながるのです。

血流の悪さが解消される

血流が悪くなると、体に老廃物が溜まりやすくなり、さらに血流が悪くなるという悪循環におちいります。それは、全身に血液を送っている心臓に負担がかかってしまうということ。また、血流が滞り、血液が冷えることも心臓の機能低下につながり、心臓への負担も増加します。

胸に手を当てる女性
血流がよくなると、心臓への負担も軽減される(Ph/photoAC)
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「足を温めると、血管が拡張するため、血液が流れやすくなります。血液が流れるようになることで溜まっていた老廃物も少しずつ流れはじめ、血流はどんどんスムーズになり、心臓への負担がぐんと減ります」

ふくらはぎを快調にする

「第二の心臓」と言われるふくらはぎは、心臓のポンプ機能によって全身に送り出された血液を、足から心臓まで押し戻すポンプの役割を果たしています。

「足は重力によって血液やリンパ液、老廃物など、いろいろなものが溜まりやすくなっています。これらもふくらはぎの筋肉がポンプ役となり、押し返しています。冷え性になると、このポンプの役割が鈍くなり、血流が悪くなってしまううえに老廃物が溜まると、むくみ、痛みとなってあらわれ、ひいては神経痛、腰痛、頭痛などに発展してしまいます」

その予防のためには、両手の親指でふくらはぎを軽く揉んで、ふくらはぎの働きをサポートするのがおすすめ。血流がよくなり、健康の大敵である「足冷え」を解消できるので、時間があるときに行うといいでしょう。

ふくらはぎをもむ女性
手でふくらはぎをもんで、第二の心臓の働きをサポート(Ph/photoAC)
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「肝臓(体の肝)、心臓、ふくらはぎ(第二の心臓)が元気に活動してくれれば、体全体も元気になり、それぞれの機能が、それぞれの役割を果たしてくれるため、よい状態を保つことができますよ」

◆教えてくれたのは:吉田佳代さん

白い服を着た女性
吉田佳代さん
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よしだ・かよ。株式会社カバーリング代表取締役。吉田佳代ボディケアビューティークリニック代表。ジャパンスタイルヘルスケア協会代表。日本手技療法士認定協会公認手技療法士、整体師、体幹ストレッチインストラクター、AIASオーストラリア国家資格ビューティーセラピストといった資格を取得。自然医学の理論と健康・美容技能の解析と応用を学び、骨・筋肉・経路・経穴・リンパのすべてからアプローチした独自の足ツボ療法および、全身オイル整体技術を開発する。延べ約8万人の施術および指導実績をもつ。https://www.kayoyoshida-beauty-clinic.com/

◆監修:医学博士・医師 白澤卓二さん

しらさわ・たくじ。医学博士・医師。白澤抗加齢医学研究所所長。お茶の水健康長寿クリニック院長。国際予防医学協会理事長 Residence of Hope館林代表。1982年、千葉大学医学部卒業後、東京都老人総合研究所老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーなどを経て、2007年から8年間順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授を務める。著書・監修書に『すごい塩』『ボケないのはどっち?』(ともにあさ出版)など。

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