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ブーム継続中の「低温調理」、食中毒のリスクと家電製品を使うメリットを家電ライターが解説

鍋にジップロックに入った肉と低音調理器具がはいっている
ブームが続く低温調理だが、安全面で注意が必要(Ph/イメージマート)
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低温調理のブームが続く中、家電ライターの田中真紀子さんは「低温調理にはいくつか注意点があります。とくに自宅で行う場合は安全面やおいしさの点からも家電製品を使ったほうが安心です」と、指摘する。その理由は? 詳しく教えていただいた。

低温調理の注意点

間違った使い方をすると食中毒のリスクも…

そもそも、低温調理とはどのような調理なのか。

ローストビーフとタレ
調理中は時間を有効に使えて、食中毒のリスクも減り、味もおいしくなる低温調理器(Ph/イメージマート)
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「低温調理とは、焼く・煮る・蒸すなどの調理法よりも低温でじっくり時間をかけて加熱する調理法で、主にローストビーフやサラダチキンなどを作るときに用います。肉は高温で加熱すると、主成分であるたんぱく質が硬くなる性質があり、パサパサした食感になってしまいます。その点、低温調理なら硬くなりにくく、やわらかいおいしさが味わえると、注目が高まっているのです。

一般的な作り方としては、ジップロックなどのチャック付きポリ袋に食品を入れて密閉し、水を張った鍋に入れて50~70℃の低温を2時間など(肉の種類や厚みによって異なる)、長時間キープします。ただし間違った作り方をすると、肉の内側までしっかり火が通っていない場合があり、食中毒のリスクがあるとして注意喚起がなされています。

内閣府・食品安全委員会によると、鶏肉の加熱不足で心配されるのが、細菌カンピロバクターによる食中毒です。食中毒を防ぐには、菌をしっかり殺菌する必要がありますが、例えば63℃で低温調理する場合、鶏肉の内部温度が63℃になってから、さらに30分加熱する必要があり、合計で約100分を要します。しかし、内部温度を測らなかったり、お湯の沸騰後に余熱で加熱したりするなど自己流で作った場合、内部まで安全に加熱できているか確認できず、食中毒を起こすリスクが残されている可能性があるのです」(田中さん・以下同)

そこで活用したいのが、低温調理器。果たして、安全性や味わいはどう変わる――?

ローストビーフの断面
テスコム『芯温スマートクッカー TLC70A』は、芯温温度計を食材に直接刺して温度管理するため、内部まで加熱されていないといったリスクが大幅に減らせて安心
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「低温調理器を使うと、内部温度こそ測れませんが、各メーカーが検証により安全かつおいしく作れるとした温度と時間をキープすることができるため、自分で作るより安全に作ることができます。

また、火を使わず、電気の力で加熱するので、温度管理はお任せして、その場を離れることもできるのもメリットです」

低温調理器の種類

調理中は時間を有効に使えて、食中毒のリスクも減り、味もおいしくなる。これだけメリットがあるなら、低温調理器におまかせしたいもの。最近では、どのような種類があるのか。

アイリスオーヤマ『低温調理器 ポケットシェフ』にジップ袋に入れた肉とハーブを入れている
アイリスオーヤマ『低温調理器 ポケットシェフ』は、幅230×奥行き240×高さ10mmとコンパクトで薄い袋の内側にヒーター線が張り巡らされており、チャック付きポリ袋ごと食材を入れるだけ
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「低温調理器として認知度が高いのは、BONIQ(ボニーク)を代表とする縦長のスティックタイプのもの。鍋や容器に水を入れ、スティックを差し込んで安定させ、水を加熱していきます。また一定の温度をキープできるものとして、シャープの『ホットクック』やシロカの『おうちシェフ』などの自動調理鍋にも、同様の機能が搭載されているものが増えています。

最近では、チャック付きポリ袋に入れるところまでは同様ですが、水を使わず、両側からヒーターの熱を当てて加熱するコンパクトタイプも登場しています。これらは水を使わずに手軽に作れるとして注目されています」

なかでも田中さんが注目している低温調理器は、次の2点。どちらも水を使わないタイプだ。