イタリアンや中華料理などに欠かせないにんにく。かつおのたたきに添えたり、肉料理に使ったりと和食にも活躍する野菜だ。「5〜6月には新にんにくが出回ります。普通のにんにくと比べて刺激が弱めなので食べやすいですよ」と話すのは、野菜ソムリエプロの福島玲子さん。にんにく、新にんにくの選び方のコツや正しい保存法を教えてもらった。
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失敗しない!にんにく&新にんにくの選び方
国産品は特に高価なにんにく。だからこそ選ぶときは失敗したくないものです。にんにく、新にんにくを選ぶときのコツをお話しします。
にんにくは先やお尻など細部まで確認を
にんにくは全体的に丸みを帯び、ふっくらとしたものを選ぶとよいです。軽いと実がスカスカになっている可能性があるので、持ったときにかたく重たいものを選びましょう。
さらに、先から芽が出ていないかもチェック。芽が出ると収穫から時間が経っているサインなので避けてください。にんにく全体の色味は乳白色で、皮がよく乾いているものが◎。傷むと部分的に黒ずんだり、お尻に黒い斑点状のカビが生えたりしますのですみずみまで確認しましょう。
今だけの味覚!新にんにくの選び方のコツ
にんにくは長期保存ができるよう、収穫後しっかりと乾燥させてから出荷されますが、5〜6月の間だけ味わえる新にんにくは、乾燥させずに出荷されます。新にんにくを選ぶ時は、薄皮が白くてハリがあり、みずみずしいものがいいですよ。
新にんにくは、皮がしっとりとしていて、辛味が通常のにんにくよりも少ないのが特徴。丸焼きや素揚げなどでもおいしいので、にんにくが苦手な人でも食べやすくておすすめです。
チルド室に置くのが吉!にんにくの正しい保存法
冷暗所に置くイメージのあるにんにくですが、冷蔵庫のチルド室に入れて保存するのもOKです。冷凍するとさらに保存期間が延びるので、正しい方法で保存しましょう。
冷凍で保存期間がアップ!チルド室も◎
にんにくの生産者さんによると、にんにくの保存にベストな温度は、よく冷えて凍らない温度帯の-2度だそうです。冷蔵庫だとパーシャル室(約-3度)が一番近いです。
パーシャル室がない場合、皮付きのにんにくは保存袋に入れて冷蔵庫のチルド室に置くか、寒い時期であれば湿気のこもらない涼しい冷暗所に置いてもいいでしょう。皮を剥いたものはキッチンペーパーで一片ずつ包んでから、保存袋へ入れてパーシャル室かチルド室へ。キッチンペーパーで包むことで、水分が抜けることを防げます。
みじん切りやスライスなどにカットしたときは、ラップに包んでから保存袋へ入れて、チルド室におけばOK。小分けにしておくと調理をするときに使いやすいです。
保存期間を延ばしたいときは、冷凍が◎。カットなら2週間程度、丸ごと冷凍なら半年ほど保存ができます。オイル漬けや醤油漬けにするのも、おいしく日持ちさせる方法です。
新にんにくの保存はカビに要注意
新にんにくは水分が多いため、カビの発生に気をつけながら保存しましょう。冷暗所で常温保する場合は10日程度しか持たないので、早めに食べきるのが鉄則です。また、にんにくと同様に冷蔵、冷凍でも保存可能です。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ