健康・医療

山田邦子、乳がん検診3年休んでいたら3つのがんが見つかり検診の大切さ実感「病院は元気なときに訪れる場」

タレントの山田邦子が語る検診の大切さ
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「洋服についたしょうゆのシミは早く処理すれば消えるけど、時間が経つほど落ちにくいでしょう。がんも同じで、検診で早く見つけるほど治りやすいんです」

そう語るのは山田邦子(64才)。2007年、テレビ番組『最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学』(テレビ朝日系)の乳がん特集に出演し、早期発見するために家庭でできる「視診」や「触診」を教えてもらって実践してみると、胸に気になるしこりを発見。翌日、番組で共演していた医師を受診すると、乳がんと診断された。

がん検診等のご案内と書かれた封筒の一部
市区町村から検診のクーポンが届いたら検診を受けるチャンス!(写真/PIXTA)
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「左右の胸から3つのがんが見つかりましたが、初期の状態だったので手術と放射線治療、ホルモン治療で5年間かけて寛解に至りました。私は心配性の母の影響で20才からほぼ毎年乳がん検診を受けていましたが、かかりつけ医が亡くなったため3年ほど検診を休んでいました。

その時期に乳がん特集の収録があったのは運命的。“命の恩人”のビートたけしさんに報告したら“早期に発見できてよかったじゃないか”という意味で『大当たり賞を出そうか』と言ってくれた。それからは24時間365日を大切に生きるようになりました」

コンビニに立ち寄るくらいの軽い気持ちで受診してほしい

がんになって大きく変わったのは病院に対する考え方だと山田は続ける。

「それまで病院は健康状態が悪くならないと行かない場所だと考えていましたが、がんになり、病院は元気なときに訪れる場なのだと意識改革しました。がんは進行のスピードが速く、ステージが上がるごとに治療の選択肢が狭まってつらい治療になる。

だけど普段から検診を受けて正しい数値を知っておけば体の異変に気がつきやすくなり、早期発見の可能性も上がります」

検診の大切さを身をもって感じた山田は2008年に厚生労働省の「がんに関する普及啓発懇談会」の委員になり、啓蒙活動を続けている。

「私は幸いにして早期発見できて治療も成功し、仕事にも復帰できたけれど、いまでもちょっと体調が悪いと再発や転移かと不安になります。でも定期的に検診を受けておけば、そうした不安は和らぎます。市区町村から検診のクーポンが届いたら、コンビニに立ち寄るくらいの軽い気持ちで受診してほしいですね」

◆タレント・山田邦子

芸人/1960年東京都出身。1980年にデビュー。ピン芸人として絶大な人気を誇りながら数々の冠番組を持ち、バラエティー番組で活躍した。2008年、がんに対する知識と理解を呼びかけるチャリティー団体「スター混声合唱団」を設立し全国で活動。

※女性セブン2024年6月27日号

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