顔の輪郭を保つためのマシン「ウルセラ」「サーマクールFLX」
シミやしわをなくし、美肌にする以外に、顔の輪郭を保つために慶田さんが受けているのがウルセラやサーマクールFLX。
「ウルセラは、超音波の熱エネルギーを与えてリフトアップ効果を得られるHIFUの“最高機種”。サーマクールも高周波で立体的に熱を加え引き締めます。世界的にもウルセラとサーマクールはリフトアップマシンのツートップ。年をとると、顔の支持靭帯と皮膚が伸びて脂肪がだぶつき、輪郭が四角に崩れてきます。
そこでマシンで熱刺激を与えて、皮膚から筋膜までの組織を支えるゆるんだコラーゲンを収縮させて引き締めを図る。熱刺激をきっかけにコラーゲンが再生し、顔の構造をリモデリング(再構築)します。ウルセラやサーマクールは表情筋の上にあるSMAS(筋膜)という薄い層にもアプローチできるのです。
老化していないコラーゲンに傷をつけるのは害になるので20代半ばまでの若年者はしない方がいい。中高年こそ効果が実感できる施術です」(慶田さん)
医師として患者に施術をしているからこそ、納得したうえで受けられると話すのは、湘南美容クリニック銀座一丁目院院長の岩砂里美さんだ。

「ボトックスやHIFU、サーマクールは3~4か月に1度の頻度で、10年くらい継続して受けています。美容外科医になる前から知っていましたが、施術する側になって講習などを受け、仕組みや効果を理解できました。施術後に目に見えてリフトアップ効果があるというより、10年前の写真といまの自分を見比べたときに10年前より若返っているなと確実にアンチエイジング効果を感じます」
美容医療にも効果やダウンタイムがゆるやかなものから、強い効果がある分、ダウンタイムが長いものまでさまざまある。施術を受けていく中で“ステップアップ”することもある。
「45才のときに、トゲがついている溶けるタイプの糸を針で顔に入れて皮下脂肪の位置を整えてたるみを改善しフェイスラインを上げる糸リフトを始めました。リフトアップだけでなく、糸を入れたところにはコラーゲンが生成されるので肌に潤いやツヤもよみがえる。
光やレーザーの照射系やボトックス、ヒアルロン酸注入などいろいろ試したうえで、45才ではそのいずれでも効果を感じにくくなった。糸リフトは一歩踏み出す気持ちで始めましたが、満足いく効果を得られたので患者さんにも丁寧に説明できます」(田中さん)
美容医療でできるデリケートゾーンのケア
美容医療の範囲は、顔周辺だけにはとどまらない。
「デリケートゾーンの美容外科でいまニーズが高まっているのが、インティマレーザーという機械を使ったレーザー治療です。産後のママや更年期以降の年齢が高いかたの層に特に人気で、加齢による女性ホルモンの減少で乾燥していた腟に潤いが戻って痛みがなくなったり、ゆるんだ腟が引き締まって尿漏れ予防にもなる。私も月に一度、数回受けましたが、今後も続けていこうと思っています」(鶴田さん)
惣流さんは、インティマレーザーに加え、モナリザタッチという腟レーザーも受けている。
「働きかける粘膜の層や深さが異なるので、月に1回、交互に受けることで万遍なく全体的に若返ることができます。モナリザタッチはかゆみや乾燥といった更年期以降の不調を解決してくれて、インティマレーザーはコラーゲン生成や尿漏れ対策にいい。7年ほど前からずっと続けている施術です」(惣流さん)
美容医療はレーザーや光照射など必ずしもマシンを使うものばかりではない。点滴で体の内部から、全身の若返りを図るのは美容皮膚科医の田中優子さんだ。

「定期的に受けているのはNMN点滴とビタミンC点滴です。NMNは長寿遺伝子を活性化させるとブームになっていますが、それ以前からクリニックでも行っていますし、私自身も継続しています。シミやしわという部分的なことだけでなく、思考がクリアになる、集中力がアップする、肌のハリが増す、など外面的にも内面的にも若返りを実感します。サプリメントもありますが、点滴の方が効果が出やすいです。
高濃度ビタミンCは通常の50~100倍くらいのビタミンCを入れていて、肌の色が抜けるように白く、クリアになってしわも改善されます」
美容医療の施術を受ける際のクリニックの選び方
気になる美容医療が見つかったら、次に吟味したいのは「どこで施術を受けるか」というクリニック選び。
「いまクリニック数が急激に増えていて、正直怪しいクリニックも多い。営業や押し売りが強いクリニックは絶対に選んではいけません。美容医療は多くが自由診療で値段もさまざまですから、医師と話しながら、自分に必要なものをじっくり選べるクリニックがいいですね。カウンセリングに行ってその日のうちに希望していない施術を無理やりすすめるようなクリニックは避けた方がいい。また、医師が自分の名前や経歴、顔をきちんと出して、どんなふうに情報発信をしているかどうかも大きなポイントになると思います」(鶴田さん)

医師によって技量も異なるのが美容医療の特徴だ。
「誰がやっても同じ、というのは大きな間違いです。ボトックスは筋肉の動きを止めてしまうので、薬剤の量や打つ位置によって大きく顔が変わってしまいます。目が開けづらくなるなどリスクもあるので、医師の実績はしっかり調べた方がいいですね。またレーザー系で出力が高いほど効果があると思う人がいるのですが、照射の出力は一人ひとり違うので、しっかりとカウンセリングをして丁寧に調整してくれる医師を選んでください」(岩砂さん)
美容医療が“大人のたしなみ”となったいま、情報を精査し信頼できる医師を見つけて美しく年を重ねよう。