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【7月7日は「ドリカムの日」】『大阪LOVER』『朝がまた来る』も…届かない願い、叶わない夢も丸ごと包んで歌うDREAMS COME TRUEは“やっぱり強い”

今年、デビュー35周年を迎えた(写真は2013年、Ph/SHOGAKUKAN)
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1989年のデビューから今年で35周年を迎えたDREAMS COME TRUE。1990年代からミリオンヒットを連発し、ボーカルの吉田美和とベースの中村正人の2人編成になった後も勢いは衰えず、昨年開催された4年に一度の大規模ライブイベントでは全国で40万人以上を動員して話題となった。そんなビッグアーティストが歌ってきた楽曲の「意外な魅力」について、ライターの田中稲氏が綴る。

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今年もやってきた織姫彦星七夕の日。私の近所の橋には、6月下旬あたりからすでに、たくさんの短冊が飾られていた。ヒーローになりたい。健康でありたい。両思いになりたい。マジックペンで黒々と文字に込められた願いは、普段澱んでいる川をきれいにするほどのパワーを感じる。一言一言が本当に尊い!

そして、日本には「夢が叶う」という名を冠する、とっても縁起のいいアーティストがいる。DREAMS COME TRUE、略してドリカム!

七夕のこの日は、2016年に一般社団法人・日本記念日協会により「ドリカムの日」と認定・登録されている。一年に一度夢が叶うとされる七夕と、ドリカムの相性が良いのは当然だ。

ただ、ドリカムが沁みるのはむしろ、願いが叶う喜びより、「願う一瞬一瞬」を歌ってくれるからだ。

映画の主題歌になった『7月7日、晴れ』(1996年)という曲があるが、これも「必ず会える」ではなく「あいたくて」「あえなくて」と繰り返す。それがいい。

私がそれに気づいたのは、かなり後なのであるが。

『7月7日、晴れ』『LOVE LOVE LOVE』などが収録された8枚目アルバム『LOVE UNLIMITED ♾️』(1996年)
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苦手だった曲でもサビを歌える自分に驚く

思い出せば、1990年代はあらゆるところでドリカムが流れていた。そのブームたるや、「90年代がドリカムを連れてきた」と言っても過言ではないほど。

シングルだけではなく、アルバムを出せばメガヒット。特に『MILLION KISSES』(1991年)、『The Swinging Star』(1992年)、『LOVE UNLIMITED∞』(1996年)は当時恋をしていた人全員が持っていたレベル。

友人とカラオケに行けば必ず誰かがを歌った。特に『未来予想図Ⅱ』の人気はすさまじく、アルバム収録曲にもかかわらず、アルバムを持っていない私も歌詞を覚えてしまったほどだ。

この曲でドリカムが広めたのが、車のブレーキランプをチカチカチカチカチカと5回点滅させ「ア・イ・シ・テ・ル」と伝える、ラブシグナルである。

ポケベルの「14106(愛してる)」と並び、なんとも尊い90年代特有の愛の表現。令和でも流行らせたい。運転免許がある方、レンタカーでもいいので、ぜひ実行してほしい。きっと喜ばれるぞ!

ちなみに私はチカチカの体験どころか、車所有者と交際したことがない。なにより、90年代は、ドリカムが苦手だった。あまりにも“リア充”の香りが強かったからである。

特に9thシングル『Eyes to me』(1991年)はガツンと来た。がじゅまるの木陰、ハルニレ、つゆ草と、なんかこういい感じの草木の名前を絶妙に織り込み、恋の喜びを朗々と歌ってくる吉田美和さんにおののいてしまったのだ。

彼女の背後にはっきりとイエローの光が見えた。「これがオーラってやつなのか……」。私には、ヒットチャートを圧席し、まさにドリームカムトゥルーしている彼女の姿が眩しすぎた。

『うれしはずかし朝帰り』『決戦は金曜日』『あなたにサラダ』『うれしい! 楽しい! 大好き』——。苦手だ苦手だと言いながら、これらのハッピーソングすべて、サビを歌える自分に驚いている。ドリカム、強い。

1991年発売の4枚目アルバム『MILLION KISSES』。ドリカム初のチャート1位曲『Eyes to me』を収録
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