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《齋藤孝さんが伝授》「目を見る」「相づちを打つ」「合いの手」──面白い会話のカギを握る「リアクション力」

ところで、いつも同じリアクションだと、相手も疲れてきてしまいます。そこでバリエーションを増やす努力もしましょう。

基本的なものだけでも、次のようなバリエーションがあります。

・目を見る
・ほほえむ
・相づちを打つ
・ニッコリする
・笑う(豪快に笑ったり、ほほえんだり、様々なバリエーションがあります)
・軽く驚く
・軽く手を叩く

これら一つひとつを意識するだけでも、コミュニケーションのとり方がだいぶ違ってくるはずです。

大事なのは「話す内容」ではなく、相手への「関心が伝わること」です。相づち一つでも、相手に対する関心は示せます。

「合いの手」もバリエーションがある

会話が単調にならないように、「合いの手」についてもバリエーションをいくつか持っておきましょう。

私は「ですよね」をよく使います。何か言われると「ですよね」で返す。これは結構万能です。

ほかにも、「そうなんだ」「へぇ~」「なるほど」「それで?」「確かに」など、いろいろありますね。若い人同士なら、少しくだけて「からの」「それな」なども使えそうです。学生に聞いてみた中では「わかりやすい!」というのもありました。若い人の中では「わかりやすい」ということが美徳の一つになっているのだと思います。

リアクションは大きめに

リアクションは、気持ち大きめにとったほうがよいでしょう。

リアクションは、気持ち大きめにとったほうがよい(Ph/photoAC)
写真3枚

「聞き手の自分が主役」というくらいの気持ちで、ちょっと拍手してみたり、「えーっ」と驚いてみたり。「わざとらしいかな」と思うくらいでちょうどよいと思います。

年配の男性の中には、リアクションの大事さをなかなか理解できず、あまり表情が動かない方も大勢います。

五千円札の肖像になった新渡戸稲造も、「チアフル(明るい・快活)であることが重要である」と考えていたようです。「リアクション」は場を支える役割にもなります。思いきって試してみてください。

◆教えてくれたのは:明治大学文学部教授・齋藤孝さん

1960年静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て現職。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞、2002年新語・流行語大賞ベスト10、草思社)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくった。著書に『いつも「話が浅い」人、なぜか「話が深い」人』(詩想社)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)、『話がうまい人の頭の中』(リベラル新書)等多数。著者累計発行部数は、1000万部を超える。テレビ出演多数。

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