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【大塚寧々 ネネノクラシ#76】撮影オフの日に“暑い”京都へ「夏は扇子であおぐのが一番心地よい」

とにかく暑い日が続く(Ph/中野修也(TRON))
写真2枚

女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第76回は、「暑い夏」について。

* * *
今年も本当に暑い。

この間仕事で京都に行ったが、暑かった。盆地の暑さだ。同じ京都でも、子供の頃の京都の夏とは全然違う。年々暑くなっている気がする。撮影が休みの日があったので、大阪に住んでいるいとこに会いに行くことにした。もう数年会っていない。連絡してみたら彼女も仕事が休みの日だったので京都まで来てくれるという。道が空いていたらしく彼女が待ち合わせ時間よりも早く到着したので、まだお店もやっていないし「どうする~?」となり、考えたら私は二条城に行った事がないと思い、二人で行ってみた。まだ朝だったので暑さはそれほどでもなく良かった。

いとこは、お城好きだ。あちこちのお城に行っているらしい。二条城は思っていたよりもずっと広かった。お城の中を歩いていると、歴史を感じて不思議な気持ちになる。二条城の中は、夏の暑さも感じられず静かな時間が流れている。

夏は扇子やうちわに限る!

しかし、外に出ると暑い。太陽が眩しい。クーラーがかかっている場所に行きたい! ひとまず「扇子、扇子」と思い、鞄の中を慌てて探す。最近は小型の扇風機もあって便利だが、私はどうも苦手だ。ぶう~んというわずかな振動と、羽がくるくる回っているのを見てしまうとくらくらする。夏は扇子やうちわに限る!

扇子であおぐのが心地いい!(Ph/大塚寧々)
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そして京都といえば、「宮脇賣扇庵」だ。二人で行こう!となり「宮脇賣扇庵」に向かう。途中、大好きな「ぎぼし」で吹き寄せを買ったり、錦市場でお漬物を買ったり寄り道するのも楽しい。それにしても錦市場の人の多さにはびっくりした。今までこんなに人で溢れているのを見た事がなかった。海外の方も多くて賑わっていた。「宮脇賣扇庵」は京都に来たら必ず行っている気がする。お店も歴史が感じられ、いつまでもいたい感じだ。

自分や家族、友達それぞれに合った扇子を探すのも楽しいひとときだ。扇子であおぐのが一番心地よい。ほのかに香る匂いで、暑さも和らぐ気がする。

今年の夏も大好きな扇子で何とか乗り切りたい。

◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)

1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。

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