2人に1人が罹患するといわれるがんのほか、女性特有の病気など、長生きするほどに高まる「病気のリスク」。いざというときの備えとなる保険や特約について、ファイナンシャルプランナーがアドバイスする。
組み合わせ次第でもっと手厚く、もっと安心に
考えうるリスクに応じて、「オプション」をつけることで保障はより万全に、手厚くなる。保険のほかに、個人型年金による貯蓄や投資で上乗せする方法や、加入保険に「特約」をつけるのも手だ。
例えば、余命6か月以内と診断されたときに死亡保険金の一部を受け取れる「リビング・ニーズ特約」は保険料が無料なので、必ずつけておこう。
二重の備えで病気に克つ
多くの専門家が口を揃えてすすめるのが「先進医療特約」だ。
「がんに限らず、公的保険適用外の高度な先進医療を受けると1000万円以上かかる場合もあります。その際、上限2000万円などでカバーしてくれる先進医療特約をつけておけば安心。先進医療を受けることになる可能性は高くありませんが、この特約はその分保険料も安く、月々90~100円台のことが多いので、つけておいて損はありません」(ファイナンシャルプランナーの大竹のり子さん)
がん、急性心筋梗塞、脳卒中の3大疾病など所定の状態になると、保障内容はそのままで、その後の保険料の支払いが免除される「保険料払込免除特約」もつけておくと安心度が高まる。
女性特有の病気に対する特約も
ファイナンシャルプランナーの牧野寿和さんは、女性特有の病気の保障が手厚くなる特約も検討してほしいと念を押す。
「厚労省の人口動態調査では、女性の死亡率がもっとも高いのは大腸がんで、肺がん、すい臓がん、乳がんと続きます。しかし、罹患率がもっとも高いのはやはり『乳がん』なのです。がん家系なら、女性特有の疾病を保障する特約をつけておいた方がいい場合もあります」(牧野さん)
例えば「女性疾病入院一時給付特約」は日帰り入院や手術のほか、放射線治療、抗がん剤治療、乳房再建、死亡にも一時金で備えられる。「女性医療特約」は、主契約に上乗せした給付金が受け取れる。乳房再建手術などの自由診療も対象になり、給付金日額の最大100倍まで受け取り可能だ。
ほかにも、初めて女性特有のがんと診断確定された際に最大50万円の給付金が受け取れる「女性がん早期発見サポート特約」や、60日に1回など所定の期間が空いていれば一時金の支払い回数が無制限になる「女性疾病医療サポート特約」もある。
人生には3つの坂があるという。上り坂、下り坂、そして「まさか」だ。病気のリスクは決して他人事ではない。不測の事態に慌てないよう、あなたと家族の未来を守る方法を考えよう。
取材/小山内麗香
※女性セブン2024年8月22・29日号