ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子(67歳)。このほど、ネット番組から「ライフスタイルを取り上げたい」とオファーがあり、自宅で収録をすることに。収録日まであとわずか……“片付けられない女”のオバ記者、さてどうした?
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「ライフスタイルを取り上げたい」とまさかのオファー
もう、どうしよう。ほんと、マジでヤバいわ。ああ、ダメだ、ダメだ、私は絶望的にダメ人間だ! と、毎年のことながら8月末になると追い詰められる私。なぜか。理由は明快で子供の頃の夏休みの宿題やってないトラウマよ。なにせ小学1年から中学3年まで一度も宿題を終わらせたことがない超劣等生で、大袈裟にいえば8月末は死刑を待つ罪人の気持ち。
なんて言うとちゃんとした人は「そんなのさっさと終わらせればいいだけじゃん」と呆れるんだけど、わかっちゃいないよねぇ。劣等生というのは頭がいい悪いだけじゃなくて、勉強をしようとすると手が動かない、頭が回らない。その代わり勉強以外でしたいことなら、いくらでも浮かぶ。まあ、そういう性質なんだよね。
おかげで9月1日の登校日は気が重たいなんてもんじゃない。顔をあげれば小学校の校庭が広く感じて、それがまた絶望感を高めるんだわ。
なんてことを67歳になってぐだぐだ言っているのは、実は別のことで追い詰められていたからなの。なんと某ネット番組が私のライフスタイルを取り上げたいというのよ。聞けばキャスティングをしている女性スタッフがこの連載を読んで興味を持ってくださったんだって。こんなありがたいことってあるかしら。
“片付けられない女”にとってピンチはチャンス?
とはいえよ。わが家で収録となると話は別。気ままなひとり暮らしはひと様にお見せすることなんか1ミリも考えちゃいないし、そもそも私は片付けられない女だよ。そこにテレビカメラが入る? ありえないっしょ!
しかし考えてみたらこれ以上のピンチはチャンスってあるかしら。ひとり暮らしになった29歳から38年。5回の引っ越しをしてそのたびに不要品を捨ててきたつもりだけど、見渡せばアクタモクタの山よ。てか、数か月前にひょんなことで知り合った29歳のチエコを家に入れる前は3年以上、誰も来なかったしね。
片付けしなくちゃ、やらなくちゃと思いながら体が動かないって、夏休みの宿題しないと同じ無限ループの中にハマってたわけ。
頼ったのは2人の友人「あっという間に本棚と玄関を」
でももう逃げ場はない! よし、片づけと終活、こうなったらとことん荷物を軽くして人に見せられる部屋にしてやろうではないの! で、最初の目標は10日後のリモート打ち合わせ日と決めた。リモートなら壁一面だけきれいになっていればいいんじゃないかと思わないでもなかったけど、「部屋を見せてください」と言われるかも。「どうしよう」と娘もどきのチエコに助けを求めたら自転車でやってきてあっという間に本棚と玄関をきれいにしてくれた。
そしていよいよ明日は収録日という日には那須塩原に移住したライター仲間の青木まき子さんが駆けつけてくれた。まぁ、その手早いことといったらないの。チエコと青木さんの手助けでゴミ袋15個は捨てたね。
そんなこんなで本番の日を迎えられたけど、どうにかふつうのお部屋に見せられたかしら。あ、テーマは片づけでも終活でもなくて、私のライフスタイルだからね。放送は10月ごろになるそうだから決まったらお知らせしまーす!
なんてね。やることやるとほんと、気持ちがサッパリするんだね。この感覚を小学1年の私が知っていたらまた違った人生になっていたのかなぁ。それからもうひとつ。片付けベタが片付けるには「ハッキリとした目標を設定する」「友人に頼る」。これしかない、ということがよくよくわかったわ。
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
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