“丹田”を意識した腹式呼吸が大切
「指だけヨガ」の効果を最大限に発揮するために重要なのが呼吸。「特に深い呼吸ができる丹田呼吸(腹式呼吸)は、体内に酸素を取り入れるだけではなく、交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにし、自律神経の不調を整えてくれます」(深堀さん・以下同)。
加齢とともに、体はこわばりやすくなるが、おへそから指5本分(約9cm)下の奥にある丹田を意識しながら息を吐き出すと、リラックス効果が高まる。指だけヨガを行う際は、必ずこの呼吸を行う。
●吸う
丹田と肛門の力を抜きながら、鼻から息を深く吸う。お腹がどんどんふくらめばOK。息を吸うと肺がふくらんで胸郭が開き、横隔膜と内臓が下がるのでお腹がふくらむ。
●吐く
鼻から息を吐ききる。この時、肛門をギュッと締め腹筋を体の中に引き込むイメージで。丹田に力を入れてお腹をできる限りへこませることが大切。
背骨のゆがみが自律神経の不調に…
真っすぐな背骨には、首、肩、背中、腰に均等に力がかかるが、ゆがんでいると、それを正そうと不自然な力がかかる。そのため、肩こりや腰痛が起きやすい。さらに、背骨にほぼ並行して自律神経が通っているため、背骨のゆがみは自律神経の不調にもつながる。
指だけヨガを行う際は、丹田呼吸をするのと同時に、背筋を伸ばして、姿勢を整えてから行うことも大切。指だけヨガのポーズをとったら、頭頂部が天井から吊るされているイメージで背筋をしっかり伸ばす。この時、肩は下げるよう意識すること。
●天井から吊るされているイメージで
指だけヨガのポーズをとったら、頭頂部が天井から吊るされているイメージで背筋を伸ばす。この時、あごは引き、肩が上がらないよう注意すること。最初は鏡の前で行うと、体のバランスが確認できるのでおすすめ。
●力まずリラックスするのがポイント
リラックスすることが大切。特に、指先を押し合う際に力が入りすぎると、顔や肩まわりにも力が入ってしまい、逆効果に。ポイントは、背筋を伸ばし、ゆっくり丹田呼吸をし、力を抜く、と覚えておこう。
Step.1「基本の指だけヨガ」で血の巡りを正す!
すべてのポーズの前に行うのが、以下で紹介する「基本の指だけヨガ」。自律神経の不調や血の巡りを整える効果がある。1日3回、朝、昼、夜に各3セットずつ行うのがおすすめ。
不調のある人は、「基本の指だけヨガ」を1セットと、同じく以下で紹介する「不調別の指だけヨガ」2セットを組み合わせるなど、自分に合ったメニューで実践しよう。
指だけヨガの利点は、場所を選ばずにできることにある。電車内や仕事中など、人目が気になる場所でもやりたい場合は、目立たないように指先を下向きにして行ってもOK。ただし、姿勢と丹田呼吸は意識して。
【1】両手のひらを合わせる
足を肩幅に開いて立ち、つま先は正面に向ける(座位でもOK)。背筋を伸ばし、胸の前で両指をそろえて合掌し、自然な呼吸を2~3回行い呼吸を整える。
【2】指をできるだけ広げる
【1】の状態のまま、両指を開く。できるだけ指と指との間を広げるイメージで。ただし、力まないこと。
【3】両手でピラミッド形を作る
両手の指先をつけたまま、手のひら同士を離し、ピラミッドのような三角形を作る。指先に意識を集中させ、軽く圧を感じるくらいの力で押し合い、丹田呼吸を3回行う。指を離して腕を下ろし、鼻から息を吐いて、肩、腕、指先をリラックスさせて1セット終了。
NG!指が曲がるのは力を入れすぎている証拠
指が柔軟な人はこの形になりやすい。接点は指先のみ。指全体がくっつかないように注意。
指の第1関節が曲がるのは、力が入りすぎている証拠。指は真っすぐを意識して。