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《倉田真由美さんが語る最愛夫の死後の大問題1》「いまだから言える、夫の葬儀は大赤字」 「東京は高すぎる!」

数々の思い出を語ってくれた漫画家の倉田真由美さん
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今年2月16日、最愛の夫・叶井俊太郎さんを自宅で看取った漫画家の倉田真由美さん。叶井さんといえば、映画プロデューサーとして「アメリ」など数々のヒット作に関わりながらも、離婚歴が3回、女性経験人数は600人以上、自己破産も経験するという破天荒な生き様でも知られた。 

そんな叶井さんのことを、倉田さんは「最高の夫」と語り、漫画やDVD、スマートフォンまで、思い出の品物を大切にしていると話す。まもなく、叶井さん亡き後に初めて迎えるクリスマス、そして年末年始が近づいてくる。思い出から夫婦観、そして葬儀とお金に関する話題まで、語り尽くす。 【全3回の第1回】

夫からもらった唯一のプレゼントは「流しそうめん器」 

――倉田さんはこれまで、叶井さんからプレゼントをもらったことはほとんどないとおっしゃっています。 

倉田:結婚指輪も婚約指輪ももらっていません(笑い)。唯一、誕生日にもらったものは、“流しそうめん器”くらいなんです。洗面器ぐらいの大きさで、ぐるぐる水が回転するようなものですが、それだって子供が喜ぶから買ったんだろうな……と思います。 

――倉田さんが流しそうめん器をリクエストしたことはあったのでしょうか。 

倉田:あるわけないじゃない(笑い)! 夫は、「何かくれる?」と聞いても、くれるような人ではないんですよ。私は、バレンタインデーには彼が喜ぶのでチョコをあげていたのに、ホワイトデーにお返しをもらったことは一度もありません。そういうところまで気が回らないし、気にしない人でした。子供が好きだったので、旅行先でも娘にはいろいろ買ってきてくれましたが、私には何もありませんでしたし。 

――叶井さんらしい極端なエピソードですね。 

倉田:過去3回結婚を失敗しているわけだし、誰にとっても素敵な人ではないですよね。お金のこともいい加減だったから、うまくいかない人とは絶対にうまくいかないと思う。でも、私は彼と気が合ったし、一緒にいた時間は本当に面白かった。最高の夫でしたよ。 

葬儀にかかった衝撃費用の内訳は「ポップコーン代50万円」

――叶井さんがお金に無頓着だったエピソードは、あちこちで語られています。 

倉田:夫はお金を稼ぐのも、残すのも、貯めるのも下手な人でした。こういう話をすると、「倉田さんはお金を残してくれる人じゃなくても、気にしないんですね」と言われますが、そりゃ、残った方がいいに決まっていますよ! でも、夫婦生活はお金よりも相性の方が大事だと思っていたし、私は働き者が好きなんです。夫はすごく働き者で、亡くなる直前まで好きな仕事をしていました。でも、買い物が好きだったから、死んでから十数万のカードの請求がきたんですよ。銀行口座にあった遺産が20万くらいだったので、「遺産がない」と堂々と言っていいですよね。夫が亡くなってからの住民税や葬式代は私が払いました。 

多額の葬儀代を請求されていた
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――叶井さんは著名人ですし、葬儀代は相当かかったのではないですか。 

倉田:著名人であるとかは関係なく、葬儀は舐めていると半端ないお金がかかります。夫は世間では多少は有名人だけれど、あくまでも小さな会社のサラリーマンだし、給料だって高くはありません。だから、一般的な葬式にしようと思っていました。そのつもりで葬儀屋さんとやり取りをして、上がってきた見積もりを見てびっくりしました。最初に提示された金額が驚くほど高かったんです。なんと、780万円ですよ! 参列者に振る舞う食事代などを含めた金額ですが、目黒にある普通の葬儀場です。さすがにこんな金額は、セレブでもない夫の香典で何とかなる金額ではないですよ。

交渉して最終的には500万円くらいになりましたが、それでも高すぎると思う。普段の自分なら500万円でお願いしますなんて言わなかったと思いますが、そのときは「お任せします」と言ってしまいました。 

――葬儀代の内訳では、いったい何が高かったのでしょうか。 

倉田:義理の妹が、「映画関係者なのだから映画っぽくポップコーンを提供したい」と、アイディアを出しました。すると、ポップコーンが1皿1万円台で、合計11万円。フライドポテトも1皿8000円とかです。ポップコーン11万円なんて、普通ならボッタクリだと思うじゃないですか。でも、葬儀ということもあって、強く言いにくい雰囲気があったんです。 

いまはネタとして話せるけれど、当時は精神的にも参っていたし、そこまで交渉する気力はありませんでした。だから、うちは遺産がどうこうという次元ではなく、葬儀だけで大赤字なのです。夫が生きていたら、「俺の葬式にそんなに使って、バカじゃないか」と言うでしょうね。 

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