【移住支援】住宅ローンや固定資産税もゼロ 25年住めば家も土地ももらえる
境町が大きく注目されるきっかけとなったのが、驚きの移住支援だ。2024年には「住みたい田舎ベストランキング1位」(子育て世代部門・関東)にも輝き、移住者が急増している。
県外からの申し込み多数ですべて満室
これまでに、オートロック付き賃貸マンション「アイレットハウス」(108戸)、賃貸戸建住宅の「オハナタウン」(17棟)、「マハロタウン」(22棟)、「マハロタウン2(※正式にはローマ字)」(21棟)の移住促進住宅を整備し、いずれも満室。2024年8月から募集を開始した「マハロタウン2」には200件を超える応募があり、そのほとんどが県外からの申し込みだった。
「マハロタウン2は2階建ての3LDKで、駐車場も完備しています。住宅ローン、固定資産税、火災保険はすべて不要で、住宅手当も利用可能。賃貸住宅ですので家賃は6万4000円ですが、25年住み続けていただければ家も土地も無償譲渡します」(境町地方創生課担当者・以下同)
初めて住む人には「町民税相当額最大50%」、転入で住宅を取得した場合には「固定資産税相当額」、子育て新婚世帯には「家賃補助最大36万円」がもらえるなど、転入・定住支援も手厚い。ゆえに金銭面でのメリットを感じる子育て世帯からの申し込みは多い。
「マハロタウンに移住されたかたからは、『東京近郊からの移住で、家賃がおよそ半分に減った。浮いた家賃は、子供の習い事の費用にあてたい』というお声も頂戴しました」
移住しても勤務先や学校は変えず、都内まで通勤通学で通うケースも。
「2021年より高速バスの運行を開始し、1日8往復しています。王子駅まで最短55分、東京駅まで最短90分と、通勤通学圏内です。定期券購入の際は、割引も実施し実質負担額は半額程度まで抑えました。都内の高校へ進学することも充分選択肢に入るでしょう」(橋本町長・以下同)
自動運転バスは“無料の足”
シニア世代ならば、子育て世帯以上に気になるのが交通の便だろう。地方といえば車社会だが、境町では自動運転バスが“足”となってくれる。
「自動運転というと、事故を懸念する声もあがりますが、70代、80代のかたがご自身で車を運転するリスクに比べれば格段に安全です。医療施設や育児施設を通るルートと、高速バス乗り場までのルートの2系統があり、無料で乗車できます」
まずはリタイア後の移住先として、ゆくゆくは子供世代へ譲る。そんな住み方も境町なら可能になる。