健康・医療

《60代からの体の見直し》放送作家・山田美保子さん、「繰り返す腰の痛み」に本気で向き合って始めた食生活の見直しと運動

黒い服を着た女性
放送作家の山田美保子さんが自身のメンテナンスについて語る
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今までのツケが回ってきたのか、あちこち体の不調を感じるという放送作家の山田美保子さん。年だからと諦めず、 この先の人生も楽しむために体のメンテナンスをはじめます。12月5日発売の大人女性に向けたムックシリーズ『reShine冬号』から山田さんの記事を紹介する。

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長年続いている座りっぱなしの生活 長時間の新幹線移動 悪い姿勢の積み重ねが腰痛に

「足、どうしたんですか?」と会う人会う人から驚かれるのが本当に恥ずかしいし、口の悪い友人からは、「顔は似てるけど歩き方がババアだったから違う人だと思った」などと言われショックを受けた。

右のお尻のいわゆる“ほっぺ”が痛むようになって5年。 〈梨状筋(りじょうきん)症候群〉と言われるようになって4年。整形外科で〈坐骨神経痛〉との診断を受け、痛みだけでなく歩行にも悪影響が出始めてから早3年が経つ。

原因は、物書きゆえの座りっぱなしの生活と、20代の頃から「悪い」と指摘されながらも正してこなかった姿勢。この20年、東海道新幹線に揺られて名古屋や大阪のテレビ局へ週2ペースで通っていることも良くなかったようだ。

つまりは長年の積み重ね。フリーランスゆえ定期的な健康診断や人間ドックなども受けず、かかりつけ医もいない日々で、通院を延ばし延ばしにし続けていたのだ。

さすがに医師のアドバイスを求めようと友人の紹介で、現在のかかりつけ医の元を訪ねたのは一昨年の暮れ。昨春と今春、人間ドックを受け、昨夏には2.6㎏にまで肥大化した子宮全摘手術を行い、長年のウィークポイントでもあった婦人科を“卒業”。お腹の中はスッキリしたものだ。

かかりつけ医によれば「体内の流れも良くなったハズだから腰も治るかもね」とのことだったのだが、これが全く。長年遠のいていた医者通いが再開したのをいい機会に、整形外科や整骨院を中心に、名医を求めて歩き続けていた。

“職業病”とはよく言ったもので、周囲の放送作家やライター、芸能リポーターの多くが“坐骨神経痛もち”だった。

困って、「遠いけれどゴッドハンドがいる」から、「騙されたと思って、このトレーニングを試してみて」まで、まぁなんと船頭が多かったことだろうか。

都度、行ってみるが、自分には合わなかったところもあるし、いいと思って通っていてもまた逆戻りしたことも。もっとも長く通った整骨院も“現状維持”だったものだ。

下垂した内臓の位置を整え食生活を見直したら、みるみる減量し、腰への負担も軽くなった

実はその間、鎮痛剤の飲み過ぎが(恐らく)原因の胃潰瘍を起こし、呑んべえの私が2か月完全禁酒したのが今春のことである。投薬に頼ることなく、なんとか、この絶望的な痛みから解放されたいと思っていたとき、同じ症状に悩んでいた歯科のかかりつけ医から紹介してもらったのが『広尾FIELD鍼灸整骨院』だった。

その歯科医師曰く、「腰やお尻が痛いと言っているのに、顎とか瞼にピピピと器具をあてるんです。本当に不思議なんですが僕は完治しました」。

その“ピピピ”の正体は、バイタルリアクトセラピー〉なる施術だ。症状にアプローチするのではなく全身の歪みやバランスを整えていき、姿勢や重心を保つ機能を改善し、体の痛みや不調を根本から治していくという。

歪みといえば、テレビ出演の際、スタジオのモニターで自分の姿を確認すると、どうしてこんなに右に傾いているのかというぐらい上半身が横に曲がっていた私。モニターを見ながら真っすぐ座ろうとしても、また気が付くと右傾していたものだ。

『広尾FIELD〜』でもまずしていただいたのは格子の目盛りが付いた鏡の前に座り、上半身がいかに曲がっているかを自覚することからだった。

さらに〈バイタルリアクト〜〉と併用すると「劇的に改善する」という〈内臓整体〉も施術に加えていただいた。

「どうして、こんなにガスが溜まっているのかしら」と副院長の戸塚真貴子先生から指摘されたのは、スッキリしたハズのお腹だった。日頃から便通はいいほうなのにガス?

院長の戸塚喜行先生からは、「臓器にはアドレスがある」と。つまり婦人科系の臓器を除去したことで、他の臓器が下垂してきて悪さをしているというのだ。

さらに、もっとも避けて通ってきた食生活改善についてもアドバイスをいただいた。

オススメのファスティングにはまだ挑戦できていないのだが、〈グルテンフリー〉は、ZENBブレッドの助けを借りながらかなり徹底している。驚くべきことに、そうしただけで体重がみるみる3㎏も減り、腰への負担が明らかに軽減されている。

長年の悪しき習慣を改善するのはラクではないが、体はちゃんと応えてくれる

何度もチャレンジして失敗し続けたダイエットでも、食事制限と適度な運動を避け続け、何とかしてラクな方法を選んできた私だが、筋肉の退化や骨格のズレが長年の悪しき生活習慣のせいだと判明したいま、女優さんが舞台に立つ前のアップに使用するというストレッチポールやマッサージ器具でのほぐしも日課に。

気分を高めてくれるキラキラの杖を購入
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「NORICO」の杖
ドラマでも使用されている 「NORICO」のおしゃれな杖。最近は頼ることが減った
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自然治癒力を取り戻す〈バイタルリアクトセラピー〉 と〈内臓整体〉、生活習慣改善からのアプローチにより、この半年ほど“転ばぬ先の杖”として愛用していた〈NORICO〉のステッキも、最近は持つのを忘れて自宅を飛び出す日も少なくないほどだ。体の見直しに近道はなかったのである。

【継続中】血のめぐりをよくし根本から姿勢を整える

「腰が痛いとその周辺に原因があるのでは?と考えますが、ピンポイントで腰だけが悪いわけではありません。もとをたどれば、 悪い姿勢による体の歪みや血行不良です。 山田さんも座りっぱなしの生活のせいか、姿勢が悪く腰に負担がかかっていました。 神経にアプローチして痛みを改善する治療を行っています。さらに血液やリンパの流れがよくなるよう内臓のケアも重視。 グルテンフリーの食事に変えてからは、お腹のハリが軽減されてきました。 腸と脳も密接な関係があるので、 両方からのアプローチでさらなる改善を目指していきます」 (広尾FIELD鍼灸整骨院院長の戸塚喜行さん)

頬に機械を当てている
1秒間に100回振動する機器を使って顔と首にある神経を刺激
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首に機械を当てている
振動刺激が脳に伝わることで自律神経のバランスが整い、 自然治癒力が高まる
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体のイラストと体温をまとめた資料
赤外線を使い、 背骨にそって温度を測る。 ガタガタしたグラフ (左側)は悪いところがある証拠
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施術を受ける女性
内臓の位置を整え、腰への負担を軽減する「内臓整体」。腸が下がり圧迫されると血のめぐりが悪くなり、 免疫力も低下しやすいという
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◆広尾FIELD鍼灸整骨院院長・戸塚喜行さん

スクラブを着た男性
広尾FIELD鍼灸整骨院院長の戸塚喜行さん
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長年、 トップアスリートのケアに携わってきた経験と、臨床現場での知識をもとに独自の治療システムを構築。https://hiroofield.com/

【実行中】暴飲暴食、運動不足···腰に負担をかける生活を改善

山田さんが愛用しているグッズを紹介。

かがまず履ける靴が便利

赤い靴
「スケッチャーズ スリップインズ」
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立ったままですっと履ける「スケッチャーズ スリップインズ」。 履き心地もよく、 足腰への負担も軽減できそう。

豆でできたパンで減量中

袋に入ったパン
ZENB BREAD3種
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食生活の見直しの第一歩としてグルテンフリーに挑戦。 豆粉でできたパンなので、食物繊維もとれるのがいい。

筋肉をやわらげるグッズを活用

・SIXPAD Power Gun

マッサージ器具
SIXPAD Power Gun
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梨状筋のマッサージに欠かせない。パワフルな振動で筋肉のこりをやわらげてくれる。

・マッサージボール

マッサージボール
マッサージボール
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テニスボールを2個繋げたような形の筋膜リリースボール。 ほどよい硬さが心地いい。

・ランブルローラー

ランブルローラー
ランブルローラー
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筋膜リリースやストレッチができるローラー。 トレーナーさんオススメのもの。

・ストレッチポール

ストレッチポール
ストレッチポール
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名古屋など出張のときに持っていきやすいハーフサイズ。背骨に沿って当てたり、お尻をのせたり使いやすい。

◆山田美保子

1957年生まれ。 放送作家として『踊る!さんま御殿!!』 などを担当。雑誌やWEBで多数の連載を抱えるコラムニスト、 テレビ・ラジオのコメンテーターとしても活躍。

文/山田美保子 撮影/廣江雅美(取材分) 構成/岩淵美樹

『reShine冬号』では、飯島直子さんが表紙を務める。映える&効きめがある&気分が上がるおしゃれ・美容・趣味・暮らしの実例を紹介。林真理子さんのエッセイの他、特集記事「美しい人のマイルール」では、黒田知永子さん、松本孝美さん、岩井ヨシエさんほか、大人世代の人気モデルたちが、今の年齢だから楽しめるおしゃれのヒントを紹介している。

※『reShine』2024年冬号

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