愛情あふれる手紙は、裁判にどんな影響を与えるのだろうか──ドジャースの大谷翔平(30)の元通訳で、銀行詐欺罪などに問われている水原一平被告(40)。1月23日、米連邦検察は、4年9ヵ月の禁固刑と、大谷への賠償金として1679万ドル(約26億円)の支払いなどの量刑を求める文章を裁判所に提出した。
量刑は2月6日に言い渡されるが、当初は「最長禁錮33年」とも報じられていたが、求刑が大幅に差し引かれることとなった。
「水原被告は早い段階で司法取引に応じ、検察側の負担を減らしたことが評価された形となりました。また、水原被告の両親や妻も、裁判に際して“手紙”を提出しています。中でも妻が綴った文章からは、水原被告の意外な一面が垣間見られます」(米国在住ジャーナリスト)
水原被告の妻A子さんは、水原被告が日本ハムで通訳として働いていた2014年に日本で出会い、交際に発展。2018年に大谷の通訳として渡米した後に結婚した。水原被告の日々をA子さんはこう綴っている。以下、裁判資料から抜粋する。
《日本にいたときも、彼は休むことなく、アメリカ人選手の通訳や日常生活のサポートをして、選手たちを支えていました。また、選手の家族に対してもサポートの手を差し伸べ、選手とその家族と私たちはプライベートで食事に行くこともよくありました。
夫は選手たちを家族のように思いやり、彼らが野球に集中できるよう、不都合のないよう配慮していました。そのおかげで選手たちも夫を信頼し頼りにし、素晴らしい関係を築くことができました》
家族が亡くなり、愛犬も死に
その姿勢は、渡米して大谷の専属通訳になっても変わらず、《休むことなく、大谷選手を支え続けました》と明かしている。
《野球への愛情、大谷選手への尊敬の念、そして大谷選手の成功を願う気持ちから、彼は休むことなく働きました。体調が優れないときでも、一日も休むことなく、大谷選手を支え続けました。 彼は常に、すべてを自分一人でこなさなければならないというプレッシャーを感じていたと思います。 彼が耐えてきた忙しさや責任の重さは、多くの人にとっては想像を絶するものです。彼は睡眠時間を削って、自宅でデータの整理をしたり、大谷選手の取引先と連絡を取ったり、仕事の前後にもさまざまな雑務をこなしていました。それだけでなく、数えきれないほどの責任を一人で担っていました。私は彼の仕事に対する情熱と献身を深く尊敬しています》
水原被告の多忙な日々をそばで見続けてきたA子さん。だが、彼女はビザの問題で日本と米国を行き来することとなり、水原被告と離れて暮らすことが多かった。その間、彼女の家族が亡くなり、愛犬も死に、米国に戻れないストレスから難聴や円形脱毛症になってしまったという。
《情緒不安定になりましたが、多忙な仕事の合間を縫って夫は私を支えてくれました。時差にもかかわらず、睡眠時間を削って電話をくれ、ビザ取得を急ぐよう働きかけてくれ、治療の選択肢や病院を調べてくれました。 彼の支えがあったからこそ、私はそれらの苦難に耐えることができました。ようやく米国で暮らせるようになったときも、彼は常に安全で快適な環境を用意してくれ、不安なく暮らせるようにしてくれました。
私の夫は、自分のことよりも他人のことを優先し、時には自己犠牲を払ってでも人助けをします。これは仕事だけでなく、家庭や周囲の人々に対しても同様です。彼は家族をとても大切にしています》