A子さんによれば、水原被告の“自己犠牲の精神”は、彼女だけでなく、チーム関係者などにも向けられていたようだ。
《私は彼が支援を求める人々を助けるのを何度も目撃しました。私が彼に、「なぜ?」と尋ねると、彼は「頼りにされるなら、できる限りのことをしてあげたい」とだけ答えました。彼の行動は、他人に対する敬意と配慮の表れです。
夫は見返りを求めずに他人を愛し、支えることができる人です。私も含め、多くの人が彼から助けられたと思います。
私は両親や他の家族を亡くしました。夫は私の唯一の家族です。出会ってから今まで、私たちは一緒に困難な時期も幸せな瞬間も経験してきました。彼を失うことは、私が想像できる中で最も辛いことです。一人っ子である彼の両親も、彼をとても愛しています。彼らは、愛に満ちた素晴らしい、親切で、仲の良い家族です。私たちの唯一の願いは、家族が一緒にいられることです。
夫は過ちを犯しました。それは許されることではないと理解しています。しかし、彼は利己的あるいは勝手気ままな理由から罪を犯したわけではありません。
私は、当時、彼は精神的に正常な状態ではなかったと信じています。彼の仕事は想像以上に厳しいもので、肉体的にも精神的にも限界に達していたにもかかわらず、彼は家族を守り、支え続けていました。私は、その時期に彼を支えることも、彼の苦悩に気づくこともできなかったことを深く後悔しています》
なぜ彼女は水原と一緒にいるのか
そしてA子さんは手紙の最後にこう綴った。
《彼は自分の行動と向き合い、深く反省しています。私の夢は、いつか彼との間に子供をもうけ、ひっそりと小さな結婚式を挙げることです》
前出の米国在住ジャーナリストが語る。
「A子さんについては、水原被告が逮捕された時に、一部で“離婚したのでは”という話が流れました。しかし、彼女はずっと寄り添っていたことが後にわかりました。当時は、これだけの大きな事件に発展しているのに、“なぜ彼女は水原と一緒にいるのか?”という反応も少なくありませんでしたが、この手紙を読むと、彼女が離れなかった理由がわかるような気がします」
水原被告はこの妻のメッセージをどのような気持ちで、受け止めたのだろうか。