
人生には良いときもあれば悪いときもある。安定した生活をしていたかと思えば、どん底に突き落とされ、さらにそこから這い上がってくることもある──。お笑いコンビ「ビジーストリート」のメンバーという経歴を持ちながら、ピン芸人の道へ。フルマユコ(41才)は、ピンチをチャンスに変えて人生を歩んできた。
「大手証券会社に就職したものの、初任給は20万円弱で、当時は貯金なんてまったく考えていませんでした。毎月決まった金額が得られるなら使い切っても困らないという感覚で、ほぼ毎日、会社上がりにデパートで化粧品や洋服に散財していましたね」(フル・以下同)
典型的な“その日暮らし”をする日々で捨てられなかったのは、子供の頃からの“タレントになりたい”という夢だった。25才で一念発起したフルは、無謀にも貯金ゼロで会社を辞めることを決意し、養成所の門を叩いた。
「お笑いがメインの養成所に、タレント志望で入ったんです。最初の授業が、『芸人のネタの完コピをしてください』でした。あ、やっぱりな、と。養成所を卒業した先輩がたがブレークして、養成所としてもお笑いに力を入れていたのだと思います」
ガールズバーで“しゃべりの練習”
タレントからお笑い芸人に“転向”することになったが貯金がないため、事務所の貸付制度を活用。駆け出しの頃はその借入金の返済のため、ガールズバーで働いた。
「毎日シフトに入れるわけではなかったのですが、月に15万円ぐらいは稼いでいました。いちばんのメリットは、お客さんと会話をすれば、しゃべりの練習にもなるので都合がよかったんです。面白いお客さんがいたらネタ探しにもなるなという思惑もありましたし、自分のライブにお客さんを誘えるメリットもありました」
話術を磨きながらデビューを果たし、結婚して子供ができたことで向き合ったのが、貯金や投資だ。ファイナンシャルプランナー(FP)の資格も取得し、資産を形成するまでになった。
「まずは貯金でもいいと思います。少額でもいいので、貯める習慣をつけることが資産形成の第一歩です」
思い立ったら即断即実行という思いきりのよさが、浪費から貯蓄への転換を見事に果たしたコツなのかもしれない。
※女性セブン2025年3月6日号