夏の終わり頃から旬を迎える「冬瓜」。「とうがん」の呼び名は中国名の“とうが”から転じたもので、夏の野菜だが、冷暗所に置けば冬までもつことから「冬瓜」と呼ばれるようになったという説がある(実際には、おそらくそんなに長くもたない)。
日本でも古くから栽培されているが、熱帯アジア・ジャワ島が原産といわれ、大きいものでは10kgを超えることもある。カリウムが多く含まれ、過剰に摂取されたナトリウムを体外へ排出する働きがあり、高血圧の予防やむくみ改善などの効果がある。ビタミンCも豊富だ。また、果肉に含まれるサポニンにはダイエット効果やがんを予防する作用があるとも。
低カロリーながら栄養豊富、あっさりと淡泊な味で香りにもクセがないため、肉や魚貝類など動物性たんぱく質とよく合う。夏の疲れを癒すのにもぴったりだ。家庭料理研究家の松田美智子さんはこう話す。
「食欲のない時、ちゃんと食べてダイエットしたい時、冬瓜はとても便利な食材です。すりおろしは、鬼おろしなどで粗めにすりおろして食感を残すのがおすすめです。そのまま切って使う場合は面取りをお忘れなく」
冬瓜の準備
冬瓜は表面がうっすらと白っぽく、粉をふいたようになっているのが完熟のサイン。手に持って、ずっしりと重いものを選ぶ。すりおろしにする場合は、皮付きのまま手に持ちやすい大きさに切ってサッと洗う。皮と実の間に栄養が多く含まれるので、さわやかな青みとともに味わおう。煮ものなどにする際は皮をむき、種とワタを取り除いて面取りを。煮崩れしやすい冬瓜の実を守り、味がしみやすくなる。
『冬瓜のすりおろしスープ』の作り方
【1】小さめの冬瓜1/2個(約500g)は種とワタを除き、適当な大きさに切って粗めにすりおろす。
【2】鶏胸肉小1枚は皮と脂身を取り除く。下包丁を縦に入れ肉を開き、そぎ切りにして均等な厚みのひと口大にする。酒大さじ2、ナンプラー・しょうが汁各大さじ1と合わせて15分おき、水気を押さえてから茶こし等を通して薄く片栗粉大さじ1をふる。
【3】土鍋など厚手の鍋にチキンスープ4カップと酒大さじ3を煮立て、【2】を1枚ずつ加えて火を通し、【1】、芯を抜いて斜め薄切りにしたねぎ1/2本分を加えてさっと煮る。酒大さじ3をさらに入れて味をみる。必要ならナンプラーを加え、味を調える。
※女性セブン2017年9月21日号
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