
野菜の高騰で、「キャベツ、白菜、ブロッコリーが高すぎる」という悲鳴が。そんな中、家計にやさしく物価高を切り抜ける秘策として注目したいのが、高騰野菜を家計にやさしい野菜や食材に代替する手法だ。料理家・野菜ソムリエプロの根本早苗さんに聞いた、おいしくて家計にやさしい高騰野菜代替レシピを紹介する。
おいしくて家計にやさしい高騰野菜代替レシピ【キャベツ編】
キャベツは、昨夏の記録的な猛暑や、秋以降の天候不順などによる生育不良が原因で、一時は「価格が例年の3.3倍、1玉1000円以上」ともはや高級食材に。さまざまな料理で重宝するキャベツを、他の野菜で代替!

ロールキャベツ→大根と肉だねでミルフィーユに
キャベツの葉で包む代わりに、大根を活用。
「薄切りにした大根と肉だねを交互に重ねてコンソメで煮ると、ロールキャベツに似た味わいに。キャベツと栄養は異なりますが、食物繊維は摂取できます。また、ライスペーパーで肉だねとカットキャベツを包んでコンソメで煮ると、ロールキャベツの味が再現できます」(根本さん・以下同)。

キャベツのせん切り→シャキシャキ食感の水菜や豆苗を
サラダや付け合わせに欠かせないキャベツのせん切りは、水菜や豆苗で代替を。
「どちらもシャキシャキ食感が◎。水菜はキャベツと同じアブラナ科でビタミンCやカルシウム、カリウムなどキャベツと似た栄養が摂れます。緑黄色野菜の豆苗は、βカロテンやビタミンC・Eなど栄養価が高いので特におすすめ」。
ミネストローネ→じゃがいもでコクうま
キャベツの代わりに、じゃがいもを使うと満足度の高いミネストローネになる。
「じゃがいもに多く含まれるビタミンCは加熱しても壊れないのでスープに最適。また、ホールのトマト缶を粗く潰して加えることで、食べ応えと旨みが加わります」。
野菜炒め→小松菜で栄養摂取
炒め物にはキャベツと似た食感でビタミン豊富な小松菜がおすすめ。
「ビタミンCやカルシウム、鉄分を多く含み、抗酸化作用が高いβカロテンをキャベツよりたっぷり摂取できます。食物繊維が豊富なエリンギやしいたけ、乾燥きくらげはカサ増しに重宝します」。
おいしくて家計にやさしい高騰野菜代替レシピ【白菜編】
キャベツと同様に高騰している白菜。餃子や八宝菜、漬物などで使われるが、こちらも家計に優しい野菜で代替を。

餃子→たっぷりの玉ねぎで甘みと旨み
玉ねぎを使えば白菜なしでも甘みのある餃子に。
「玉ねぎ餃子の場合は、玉ねぎと豚ひき肉を同量程度使うのがコツ。そこに調味料を加えるだけで充分おいしくなります。食材も少なく済み手軽です。餃子の具にはにらやれんこん、セロリ、長ねぎもおすすめなので、この機会に白菜以外の具を楽しんで」。

八宝菜→旬のカリフラワーでカサ増し
八宝菜は、食べ応えのあるカリフラワーで代替してみよう。
「カリフラワーは、キャベツや白菜と同じアブラナ科で、茎には甘みがあり、ビタミンCの含有量は淡色野菜の中ではトップクラス。通年見かけますが、3月までが旬なので栄養価も高く、手頃な価格で入手できます」。
浅漬け→大根、かぶ、きゅうりでさっぱり
浅漬けにはあっさりとした味の大根、かぶ、きゅうりがおすすめ。
「薄切りにした野菜を、めんつゆなどの調味液に漬ければすぐに食べられます。食べ応えを出すなら、大根は拍子木切り、かぶはくし形切り、きゅうりは乱切りに。調味液に漬けて冷蔵庫で2〜3時間置けばおいしく食べられます」。
おいしくて家計にやさしい高騰野菜代替レシピ【ブロッコリー編】
ブロッコリーも高騰し、なかなか手が出せない価格に。料理の付け合わせにも重宝するブロッコリーも家計に優しい野菜で代替しよう。

ゆでブロッコリー→冷凍かぼちゃでビタミン摂取
ゆでたてのブロッコリーはそのまま食べてもおいしく、料理の付け合わせにも重宝する食材だ。
「ブロッコリーは、抗酸化作用があるビタミンC・E、βカロテンが豊富な緑黄色野菜。同様の栄養を摂取するなら、冷凍かぼちゃがおすすめ。冷凍なら調理も簡単です。ただし、ブロッコリーよりも糖質が多いので、ダイエット中は食べすぎに注意しましょう。料理に緑を添えたい場合は、ビタミンやミネラルが豊富な、かいわれ大根やブロッコリースプラウトで代替するといいですね」。
ブロッコリー炒め→緑黄色野菜の小松菜やほうれん草が◎
緑鮮やかで食べ応えのあるブロッコリー炒めは、同じ緑黄色野菜の小松菜やほうれん草で代替を。
「小松菜もほうれん草もブロッコリーと同様、βカロテンやビタミンC、カリウムなどが摂取できます。小松菜はアクが少なく、新鮮なら生でも食べられるので短時間で炒めると食感よく仕上がります。アクが強いほうれん草は、生のものより“えぐみ”が少ない冷凍ほうれん草の方がそのまま使えて便利。解凍せず、冷凍のまま炒めた方がベチャッとしません」。
取材・文/青山貴子
※女性セブン2025年3月13日号