
指先ひとつでなんでもできるスマホは、ひみつ道具が次々と出てくるドラえもんの「ポケット」のようだ。便利な道具もお助け道具も詰まっているが、使い方次第ではのび太のように失敗してしまうこともある。道具に使われるのではなく、賢くお得に使いこなす術を徹底リサーチする。
キャッシュレス決済の魅力は「ポイント付与」
一家に一台、固定電話があった時代から半世紀、2024年にスマートフォンの普及率は97%を超え、70代以上のシニア層でも9割を超えている(NTTドコモ モバイル社会研究所調べ)。しかし、持っているからといって「使いこなしているか」というと話は別だ。都内在住の主婦・Aさん(68才)が言う。
「スマホを使い始めて、かれこれ10年以上になりますが、よく使うのは電話かメールくらい。数年前にLINEを覚えてからは孫の写真を娘が送ってくれるのが楽しみで、頻繁に友達ともやりとりするようになりました。だけどたくさん入っているアプリはほとんど使ったことがないし、家に置きっぱなしの日もあって“家の電話がスマホになった”ような感覚ですね」
スマホを“家の電話代わり”にしているだけではもったいないと指摘するのは、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんだ。
「ネットショッピングやキャッシュレス決済、フリマ、オークション、ポイ活、アルバイトや副業、銀行口座の管理、投資までスマホでつかめるマネーチャンスは無限大です。 高度なテクニックが必要なものまで手を広げることはありませんが、買い物や支払いといった日常していることはスマホを使った方がずっと楽でお得になることが多いんです」
スマホを使ったキャッシュレス決済が一般化しているが、PayPayやiDなど支払い方法はいくつもある。

魅力的なのは、支払いと同時にポイントが付与されること。実質「値引き」されていると思っていい。All Aboutフリマガイドでフリマアプリ専門家の川崎さちえさんが言う。
「PayPayはポイント還元祭などキャンペーンをよくやっていて、支払いと同時にアプリ上でくじ引きが始まって当たれば還元率が大きくなるので、利用することがよくあります」
川崎さんのように、QRコードという画像をかざすだけで支払いができるPayPayをキャッシュレス決済のメインに据える人は多い。ただし、還元率が常時高いわけではない。
「通常のポイント還元率は0.5%です。クレジットカードであれば1%のところがほとんどですから、必ずしも還元率が高いとはいえません」(川崎さん)
タッチ決済で7%以上の還元
風呂内さんは、スマホにクレジットカードの登録をすすめる。
「個人的に注目しているのはマスターカードやVISAなどのクレジットカードのタッチ決済です。クレジットカード払いはお財布から出し入れする作業が手間ですが、スマホに内蔵しておけば出し入れの必要もなくスマホをお店の決済端末にかざすだけで完了します。iPhoneであれば『Apple Pay』、アンドロイドなら『Google Pay』で使うことができ、スマホの『ウォレット』で管理します。
たとえば、Olive(オリーブ)と呼ばれる三井住友銀行の金融サービスはスマホを使ったタッチ決済をすると、対象となるコンビニや飲食店などでポイント還元率が7%以上になり、カードそのものでタッチ決済するよりもお得になります。
決済端末がない店舗では利用できないので、自分がよく使うお店が対象店舗であるかどうか確認してみましょう」(風呂内さん)
キャッシュレス決済は、スムーズな支払いができる分、いくら使ったか把握しにくいというデメリットもある。支払い方法を絞って毎月の引き落とし額を確認するなど管理できる範囲で活用しよう。
「寄せ活」を意識すると ポイントザクザク
日用品から生鮮食品、家電に洋服、化粧品などあらゆるものがネットで買える時代、ポイントを貯めたり、貯まったポイントを活用した賢い買い物は家計防衛に欠かせない。商品価格を比較したうえでもっとも安く、ポイントがつくところで買うのが得と思いきや、コツはそれだけではない。

「いわゆる“寄せ活”を意識するといいでしょう。これは、たとえば楽天カードを持っていて、スマホも楽天モバイルを利用しているなら楽天で、ドコモの携帯を使っていてdカードを持っているならYahoo!ショッピングなど、自分の経済圏をまとめることを指します。
ポイントが効率よく貯まるため、結果的に値引率はグンと上がります。安いところを探す手間も省け、クレジットカードを何枚も持たなくてよくなり一石二鳥です。買い物をするサイトがいくつもあると、ポイントを使うのを忘れて失効してしまうこともあるので、そうした損を防ぐこともできます」(川崎さん)
公共料金や携帯料金の支払いをクレジットカード払いや、スマホでのキャッシュレス決済にすることで、ポイントを効果的に得られる半面、還元率には注意したい。風呂内さんが言う。
「長く“王道カード”として知られてきた楽天カードですが、実は公共料金支払い時の還元率は1%ではなくなっています。それでも楽天経済圏でのお買い物が圧倒的に多いようであれば、楽天カードに集約するメリットがあります。
そうでない場合は、ほかのカードを検討することも必要でしょう。わが家の支払い割合が大きいところはどこなのかを把握することが、カードやポイントを選定するためには重要です」
※女性セブン2025年4月10日号