
お金は「貯めるか」「使うか」だけではない。「無駄遣いするか」「賢く使うか」にも分けられる。せっかく使うなら、“得して使える”道を選ぼう。
新聞を購読するなら「紙」か「デジタル」か
毎朝、新聞を読みながら考える。「これ、デジタルにした方が得なのかしら」。スーパーで買い物をしているときに頭をよぎるのは、「ネットスーパーなら安くて、重たい荷物を運ばなくてもいいのかも」。老後資金を貯めるとき、「とりあえずメガバンクでいいのかな」。日々の生活のなかで直面する、いくつもの“分かれ道”。まずは生活費から考えよう。
年を重ね生活をミニマライズしていくとき、“やめてもいい”とすらいわれる新聞だが、購読者は50代以上が半数を占めている。節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんが言う。
「私はデジタル派です。過去記事もすぐに読めるし、自分の興味のあるところだけ見られて便利。金額面で見ても紙よりデジタル版の方が安い新聞もあります」
一方、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんは、“お金では測れない価値”を指摘する。
「紙面だと俯瞰的に見ることができて、教養を高められるというプラスアルファをどう考えるか。デジタルで購読するくらいなら、スマホのネットニュースだけで充分ともいえます」

買い物は「リアル店舗」か「ネットスーパー」か
ネットスーパーが充実し、配達エリアがどんどん拡大するいま、生活雑貨も生鮮食品も「全部ネットの方がコスパもタイパもいい」という人は少なくない。
「リアルにあってネットにないのは『見切り品』です。雨の日や閉店間際に少し安くなるというのもリアル店舗ならでは。介護や子育てで時間をより効率的に使いたい人や、買う物が定期的に決まっている人はネットを活用すべきですが、より安く買いたいというなら実店舗です」(丸山さん)
深野さんもリアル店舗を推す。
「タイムサービスや値引きをうまく利用できるのが、リアル店舗の強みでしょう。そこで安いからと不要な物を買わないように注意が必要ですが、自分で持って帰ることを考えると買いすぎには気をつけますよね」

「ネット派」というのはファイナンシャルプランナーのたけやきみこさんだ。
「利点は、無駄な物を買わなくてすむことです。スーパーに行くとついつい要らない物に手を伸ばしてしまいますが、その心配がありません。また、クレーム対策として新鮮で状態がいい商品を選んでいるという話もあります」
ネットショッピングは「Amazon」か「楽天」か
オンラインショッピングモールの二大巨頭は、“どちらの圏内にいるか”が損得を分ける。たけやさんと丸山さんは、ともにAmazonユーザーだ。
「提携しているカード会社のクレジットカードのポイントが、優遇された換算率で使えます」(たけやさん)
丸山さんは買い物のしやすさも指摘する。
「楽天はプラスで送料がかかることが多く、お店ごとに購入しなければいけないので手間だと感じることがあります。ただし、楽天カードを使っている人ならポイントアップのチャンスも多くあるので、楽天の方がお得かもしれません」
冷蔵庫は「小型」か「大型」か
出費を抑えたくても、家電の経年劣化は避けられない。新たに買い替える際に、「子供も独立したし、大きな冷蔵庫はもう要らない」と小型を選ぶ人もいるが、少し待ってほしい。
「断然、大型です。大は小を兼ねますし、実は大型の方が電気代を抑えられるケースが多い。大型を買うのはファミリー層が中心で、出費がかさみますから電気代を気にします。なので、大型冷蔵庫には性能の高い断熱材が使われて電気代カットを意識している商品が多いんです。また、冷蔵室は食品がぎゅうぎゅうに詰まっていない方が電気代がかかりません」(丸山さん・以下同)
洗濯機は「縦型」か「ドラム式」か
冷蔵庫同様に、買い替えの際に選ぶならどちらか。
「導入コストが安いのは縦型です。ただ、ドラム式の方が少ない水で洗えて、手洗いのお洋服やジャケットも洗えたりするので、私はドラム式で“おうちクリーニング”としても活用しています。結果的にクリーニング代も抑えられました」
※女性セブン2025年3月6日号