
本場の味を知る人からジワジワ人気が高まっているのが、韓国の伝統酒・マッコリ。本来のマッコリは素材由来の自然の甘さがあり、生ならではの発泡感が味わえる。大阪・鶴橋では韓国の伝統的な作り方を踏襲したマッコリが生まれるなど、日本に居ながら本物の味を楽しめるように。そこでマッコリの製造工程に密着した。
本物のマッコリで鶴橋の街おこしをしたい
「いま日本で飲まれている甘いマッコリは、2003年の韓流ブームのときに『飲みやすい』と広がったものなんです」と、lablab代表取締役の文志旭さん。

「第4次のブームもあり、賑わっている印象の鶴橋ですが、昔ながらの雰囲気は失われつつあります。マッコリもそのひとつ。伝統に立ち返った手作りのマッコリは、米本来の甘さ、加熱処理をしない生きたマッコリならではのさわやかさが感じられます。本物のマッコリをぜひ、鶴橋で味わってください」(文さん・以下同)
マッコリ作りに密着!
昔ながらの製法にこだわり3年かけてリリースされた『鶴橋ツルマッコリ』は、すっきりとした酸味とナチュラルな甘さのバランスが絶妙で、料理とも合わせやすい。現在は、鶴橋周辺の飲食店でのみ飲むことができる。

【1】もち米を蒸す
文さんの『鶴橋ツルマッコリ』は米、小麦麹、水のみを使い、手作業で作られる。もち米は、水が透明になるまで何度も洗って浸水させた後、蒸し上げる。

「韓国伝統の製法で作り、甘味料は一切使用していません」
【2】もち米をよく冷ます
すだれの上に蒸し上がったもち米を広げ、冷ましていく。

「もち米が冷め、ある程度硬さが出るようにしゃもじで上下を返します。放置すると水分が偏ってしまうので、20分ほど絶えず返しながら冷ましていきます」

【3】種を合わせる
小麦麹、米、水を混ぜ合わせた“種”を作り、もち米に合わせる。

「韓国産の小麦麹、国産米を使って仕込んだ種を、少しずつ丁寧にもち米に合わせます。普段は月に3回ほど仕込んでいます」
【4】1時間混ぜる
種を合わせたもち米を手で握って潰し、種をもみこむようにまとわせていく。

「じっくり1時間ほどかけて行う、根気のいる作業です」

【5】発酵させる
種と合わせたもち米を専用のタンクに入れ、1週間〜10日ほど発酵させる。
「発酵に必要な麹菌を活発にするための温度管理がとにかく大変。適切に管理しなければ味が変わってしまいます」
焼き肉だけでなく洋食、果物にも
『鶴橋ツルマッコリ』が飲める店のひとつが、鶴橋で人気の飲食店『きんぎょ荘』。これまでのマッコリの印象を覆す“本物の味”に合う料理を、お店の人に聞いた。
「甘味料の甘ったるさがないので、食中酒としてももってこい。『コリアンライスワイン』と呼ばれるだけに生ハムやイタリアン、デザートにも合わせやすいですよ」

◆きんぎょ荘

アットホームな雰囲気の中で新鮮な食材を使った創作料理が楽しめる。
住所:大阪府大阪市東成区東小橋3-17-23
◆教えてくれたのは:lablab代表取締役・文志旭さん

韓国・済州島にルーツを持つ在日3世。祖父母の代から親しまれている生マッコリで、生まれ育った鶴橋を盛り上げたいと奔走。3年かけて昔ながらの味を復活させた。
撮影/玉井幹郎 取材・文/勅使河原桜
※女性セブン2025年4月17日号