社会

【増加するネズミ被害】都内だけで25万匹が生息、相談件数は10年前から倍増 2cm×2.5cmの隙間があれば屋内に侵入可能、壁まわりの物置やプランターが格好の隠れ場に 

2cm×2.5cmの隙間があれば簡単に室内に侵入できる

ネズミは繁殖力が強く、出産は年6回。一度に5〜10匹の子供を産む。都内では少なくとも25万匹いるとされる。近年はネズミ被害が相次ぎ、害獣の駆除などを調査研究する「日本ペストコントロール協会」によれば、2023年度のネズミ被害に関する相談件数は9948件に上り、10年前から倍増している。

相談が寄せられるネズミは主に、「ドブネズミ」「クマネズミ」「ハツカネズミ」の3種類。ネズミの生態に詳しい東京大学大学院農学生命科学研究科准教授の清川泰志さんが解説する。

「ドブネズミは街の道端にいるネズミで、体長23〜26cm、体重150〜500gで3種の中ではもっとも大きい。地面に穴を掘って巣を作り、繁華街に出没して路上に出されたゴミや残飯を食べています。

クマネズミは主に建物の中にすみ、柱や壁を垂直に登ることができる。体長15〜20cmで体重100〜150gと小柄なため、綱渡りも得意で、天井裏や屋根裏、冷蔵庫の裏側などに巣を作り、家庭の台所や飲食店の厨房で食べ残しなどを食べて生きています」

ハツカネズミは体長6〜9cm、体重10〜20gと3種の中で最も小さく、郊外の住宅街などに生息する。

警戒心が強いネズミも多く、人間が出入りする玄関を開けっ放しにしていても、そこから堂々と侵入することは少ないのだとか。

ではどこから室内に入り込むのか。環境衛生管理事業を行う「シー・アイ・シー」の執行役員・研究開発部長の小松謙之さんが驚愕の侵入ルートを解説する。

「ネズミは2cm×2.5cmの隙間があれば、簡単に室内に侵入できます。自宅であればエアコンの導入部や室外機、給湯器の配管の貫通部分の穴に通気孔まわり、ふたが閉まらない換気扇や雨戸の戸袋などが侵入ルートになります。家の壁まわりに物置やプランターを設置している場合、そこがネズミの格好の隠れ場となり、侵入経路を探索する拠点になるケースもあるので注意が必要です」

ネズミ混入はほかにもあった!
写真3枚

※女性セブン2025年4月24日号