エンタメ

山下智久、フジテレビ騒動を受けて判断を保留 主演ドラマ『ブルーモーメント』劇場版の企画が暗礁に乗り上げる 海外で活動する山下の思いは大きく揺れ動いた 

フジテレビ騒動を受けて主演作品の企画が保留となっている山下智久
写真8枚

誰よりも自然の怖さを知るからこそ災害救助に人生を捧げる、あの主人公がスクリーンに帰ってくるはずだった。しかし、急転直下、企画に「待った」がかかったという。水を差したのは、主役が慕う大先輩。大嵐が吹き荒れるお台場から緊急レポート。

穏やかな春の陽気に包まれた4月上旬のとある夜。都内の高級イタリア料理店に山下智久(40才)の姿があった。黒いジャケットに同系色のワイドパンツを合わせて颯爽と歩く姿は映画のワンシーンから抜け出したよう。店内では10代の頃から親交がある俳優仲間らと和やかに談笑していたという。

「2022年からNHKで放送された連続ドラマ『正直不動産』の共演者らとの会合だったようです。同ドラマで、山下さんはたたりで嘘がつけなくなってしまった不動産会社の営業マンを演じ好評を博しました。2026年に待望の劇場版が公開されますが、その撮影を先日、無事に終えたそうです」(映画関係者)

意外にも、山下が日本映画のスクリーンに登場するのは2018年に公開された『劇場版 コード・ブルー ─ドクターヘリ緊急救命─』以来8年ぶり。同作で90億円以上の興収を上げた実績のある山下の久々の主演作とあって現場の士気は高く、本人も「さらなるパワーアップを目指したい」と意気軒昂だったという。

「昨年、日仏米が共同で制作した主演ドラマ『神の雫/Drops of God』の続編制作が決定。山下さんは長期間、海外に滞在していましたが、芸能生活30周年の節目を迎える来年は国内の仕事にも積極的に取り組むようです。『正直不動産』の次に取りかかるのは2024年4月期に放送されたドラマ『ブルーモーメント』(フジテレビ系)の劇場版で、年内にもクランクインする予定だと聞いています」(前出・映画関係者)

気象学の天才である主人公を演じた山下と、その助手役の出口夏希(『ブルーモーメント』のインスタグラムより)
写真8枚

『ブルーモーメント』は気象災害に脅かされる人命を守るべく、命がけで救助に立ち向かう架空の組織SDM(特別災害対策本部)の活躍を描く、同名コミックが原作のヒーロードラマ。『コードブルー』シリーズ(フジテレビ系)の続編に出演することを望んでいた山下は同じく人命救助がテーマである同作の映画化に前向きな姿勢を見せていた。

「昨年6月に拡大版として放送されたドラマの最終回では、観測史上最強クラスの台風からSDMのメンバーが一丸となって子供たちを救助する感動的な姿が描かれました。ラストシーンでは物語が今後も続くことが暗示され、視聴者から続編を望む声が上がっていたのです。山下さんも映画化について『呼んでいただけたらまた(メンバーが)再集結するんじゃないですか』と前のめりに語っていたのですが……」(芸能リポーター)

「中居さんは尊敬する先輩」だが、性暴力は別問題

その後、フジを取り巻く環境は一変。中居正広(52才)の女性トラブルを巡る企業としての対応が批判を浴び、80社近いスポンサーが撤退すると歌番組やイベントが軒並み中止に追い込まれた。その影響はドラマや映画の現場にも波及したという。

「一部ではフジがロケ先として押さえていた場所から撮影を断られたり、キャスティングを予定していた俳優が出演を見合わせる動きが出ていることなども報じられました。制作協力に名を連ねていた有力スポンサーが撤退したことで“月9ドラマ”の企画が白紙になったケースもあったそうです」(フジテレビ関係者)

山下の主演映画の企画にも暗雲が垂れ込めている。

「もともと山下さんサイドは、危険なロケや撮影に伴うリスクに慎重で、契約内容や条件面などについてフジ側と綿密な話し合いを続けていたそうです。ところが、その過程でフジの問題が表面化し、山下さんが判断を保留としたことで企画自体が暗礁に乗り上げてしまった。すでにスケジュールを押さえられていたほかのキャストは困惑し、予想外の事態にフジも頭を抱えているようです」(前出・フジテレビ関係者)

独立後は、海外進出も順調な山下智久(2023年12月)
写真8枚

さらなる追い打ちをかけたのが、3月末に第三者委員会が公表した調査結果だった。元社員の女性アナウンサーが中居から性暴力の被害を受けたことが認定され、フジの経営陣の責任や企業風土を追及する声が日増しに大きくなっていった。

「総務省が『説明責任を全うしようという意識が決定的に欠落している』として行政指導を行い、日本民間放送連盟は『人権意識に欠ける』とフジに厳重注意をしました。炎上が収まる気配はなく、会社を見限った社員の退社も相次いでいます」(前出・フジテレビ関係者)

いまのフジの作品に出ることが、果たして正しい選択なのか──山下に限らず、多くの俳優が難しい選択を迫られる中で、日本以上に人権意識の高い海外で活動する山下の思いは大きく揺れ動いていたという。

「山下さんにとって、中居さんは旧ジャニーズ事務所時代から尊敬する先輩で、2023年1月に体調不良で休養していた中居さんが仕事に復帰した際には『先輩おかえりなさい』とエールを送りました。中居さんを慕う気持ちはいまも変わらないでしょう。それでも、今回のことは別問題。山下さんの周囲も『性暴力は無理!』とショックを隠せずにいるそうです」(前出・芸能リポーター)

4月2日、山下はフランスのシャンパンメーカーのセレモニーに登壇し、40才の誕生日が近いことにちなんで自身の仕事に対する価値観を明かした

「今年は0.1%ずつ成長していけるように、いつもお世話になっている皆さんに恩返しできるように心がけていきたい。仕事は継続が大事だと思います。いろいろなプロジェクトが進行しているので全力で頑張ります」

意味深長にそう語った山下の眼差しは、いつになく真剣だった。

「山下さんのドラマに対する思いは熱く、誰よりも作品を大切に思っています。いまは決断できなくとも、騒動が落ち着けば企画が動きはじめる可能性は充分にある。フジも説得を続けるそうです」(前出・フジテレビ関係者)

『ブルーモーメント』の映画化と山下の出演についてフジテレビは、「制作の詳細に関してはお答えしておりません」と回答した。山下の決断に大きな注目が集まっている。

※女性セブン2025年4月24日号

車に乗り込む山下智久(2023年12月)
写真8枚
ドラマに対する思いが熱い山下(2023年12月)
写真8枚
穏やかな表情で会話をする場面も(2023年12月)
写真8枚
エミー賞のトロフィーを持つ山下智久(撮影/浅野剛)
写真8枚
共演者のフルール・ジェフリエからトロフィーを受け取る山下智久(撮影/浅野剛)
写真8枚
関連キーワード