磯野さんが分析する。
「セカパを求める女性は性的関係や疑似恋愛の相手ではなく、自分を大切にしてくれて、精神的な支えになれる、いわば〝ソウルメイト〟を探しているのです。
実際、Healmateの利用者の中には、夫からDVを受けて生きる気力を失っていた人が“誰かに優しくしてほしい”と見つけたセカパに頼ったり、甘えたりする時間を持つことで自己肯定感を取り戻した例もあります」
配偶者に話せないような悩みや、そもそも配偶者に持つ不満をセカンドパートナーに打ち明けることで、より深い信頼関係が生まれる場合もある。
「たとえば夫に不倫されていても、セカンドパートナーに話を聞いてもらえて寄り添ってもらえれば、“私には彼がいるから”と、家庭での不満が気にならなくなるという人も。疎ましかった夫に優しくできるようになり、かえって夫婦仲がよくなる人も少なくありません」(岡野さん)
都内の工場でパート勤務をしているKさん(54才)は、3年前から「高校時代の元彼」とセカンドパートナーの関係だ。お互いの子供が偶然同じ高校に入学したことで再会したのがきっかけだという。
「お互い家庭内別居状態で、思春期の子供の扱いに悩んでいて、共通点が多かったんです。あくまでも“高校時代の友人”として、彼と彼の娘、私と私の息子の4人で交流しています。お互いに悩みを共有し合えるだけで充分楽しい」

Kさんのように、子育てがある程度ひと段落して更年期を迎える中高年になってセカンドパートナーを求める人は多い。事実、Healmateは会員の半数が40代で、次に多いのが30代と50代で、60代の利用者も一定数いる。
「仕事や家事に忙殺され、自分の存在意義を見失いがちな中高年女性にとって、自分を理解し、思いやってくれる存在は大きな助けになります。
また、一般的に女性は男性よりも長生きする傾向にあるため、中高年以上になると多くの人が“夫が死んでひとりになったらどうしよう”という不安を抱えがち。セカンドパートナーがいれば、そうした不安も軽くなるのです」(岡野さん)
心身の健康も、卒婚も、老後不安の解消も、セカンドパートナーが心強い支えになってくれることもある。
「幼なじみや学生時代の友達が年齢を重ねてからセカパになることが多く、よく知った相手だからこそ本音をぶつけられる。女友達とは違った視点で話を聞いてくれて、マウントのとり合いになる心配もありません」(秋山さん)
ただし、中には“一線を越えてしまう”人もゼロではなく、本来のパートナーを深く傷つけてしまったり、場合によっては、それが事由で慰謝料を請求され離婚にもなりかねない。また、いくらプラトニックだからといって“本来のパートナー以外の異性と精神的に深くつながる”ことにこそ嫌悪感を覚える人も少なくない。マッチングアプリによっては詐欺などのトラブルの温床になるケースもあるため、セカンドパートナーを求めるならば、くれぐれも慎重にすべきだろう。
誰も傷つけずに支え合う、親友のような、恋人のような曖昧な存在。「もう一人の運命の相手」は、すぐそばにいるかもしれない。
※女性セブン2025年5月8・15日号