
大阪・関西万博が開幕し、各種報道から「混雑していて大変そう」と敬遠されている方も多いのでは? 関西在住の旅行ジャーナリストの村田和子さんによると、「他のテーマパークと比較して特別混雑しているとは感じません。会期後半になるほど混雑するので、気候も良い5月は行きどき」といいます。村田さんに50代からのおとなの大阪・関西万博の楽しみ方を紹介してもらいます。
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万博に前のめりだったわけではないのですが、実際に訪れると「思っていた以上に楽しい。これが万博か!」とすっかり魅了されました。混雑やマイナスイメージの報道が多いですが、実際に訪れると「1日の来場者数が10万人前後で推移している現状では、快適に過ごせる(雨の日は除いて)」というのが私の感想。世界各国の魅力や最新の技術など、好奇心をくすぐる体験が満載の万博は、一度はぜひ訪れたいもの。今回は、混雑を回避しながら大人が楽しむ万博を紹介します。
※筆者の実体験をもとに紹介。日々状況は変わりますのでご留意ください。

万博IDって何? チケット購入は基本を押さえればスムーズ
チケット購入は、ネットで買い物ができる人なら、基本を知れば難しいことはありません。前提として押さえておきたいのが、万博IDがひとつあれば複数のチケット(他者含む)の管理ができるということ。友人や家族と行く場合も、代表者が万博IDを作成すれば、同行者のチケットもまとめて購入、来場予約(必ず必要)やパビリオンの抽選申し込みなども一緒にできます。
なお来場日に万博ゲートや予約済みのパビリオンへ入場するには、チケット毎に発行されるQRコードを提示するだけ。全員分のQRコードをプリントアウトして持参するとスムーズです。パビリオンの抽選予約(2か月前と7日前に行われるので、前日までに第5希望までを登録)にはぜひ参加をしたいところ。当日窓口でもチケットは購入できますが、事前のパビリオン予約はできません。どうせなら万博IDを作り、そこから申し込みするのがおすすめです。

混雑を避けてお得に楽しむのなら平日午後か夜がおすすめ
「平日の方が週末より空いているのは当たり前!」と思いがちですが、実はそうでもありません。学校などの団体は平日に来場するので、日中は平日の方が混んでいると感じる日もあります。

遠足などの団体は15時頃には帰途につくため、夕方に向けてパビリオンも空いてきます。日没後には噴水ショーやドローンショーもあり、幻想的な雰囲気が漂う夜の万博会場も魅力があります。

午後にゆっくり訪れて夜まで楽しむのが、混雑を避けて楽しみたい大人にはおすすめです。平日券は6000円と一日券(7500円)と比較して割安。さらに夜間券(※休日も発売、3700円)は、
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なお朝から来場する場合は、来場予約時間前に行くと長く待つことになります。できるだけ待ち時間を少なくするには、毎時25分、例えば10時来場予約なら10時25分を目安に。待機列が短くなったタイミングに行くことで、私は10分ほどで荷物検査と入場手続きを毎回終えています。
そして朝から夜まで終日会場にいるのは、私も50代ですが年齢的に厳しいと感じました。夕方から楽しむ、あるいは朝からでかけて空いているうちにパビリオンをまわり夕方には帰るなど、無理のないスケジュールで楽しみましょう。
トイレは実は混んでいない。飲食はどうする?
50代になり気になるのがトイレ。実はたくさんあり、びっくりするぐらい並ばずにすんだので、かえって驚いたほど。ただしデザイン性が良すぎて「トイレ」と気づかないものが多いのが少々困るところ。地図で確認をしておくといいですね。

食事は、値段もさまざまで選択肢は多くあります。パビリオンをメインに楽しむのなら、おにぎりや腹持ちのいいお菓子などを購入し持ち込むといいでしょう。コンビニは会場内にもありますが、並んでいることもあり時間がもったいないと感じます。晴れていればベンチも多く、比較的すぐに座る場所は見つかります。

また夜は、昼ほど飲食店も混まないので、各国のレストランを利用してみるのもいいですね(価格は高めです)。熱中症対策のために水分はしっかりとりたいところ。給水機が各所に設けられ、自動販売機も潤沢にあり価格も通常と変わりません。
持っていくと便利な持ち物は? 暑さと寒さ対策も十分に
とにかく歩くので歩きやすい靴と、バッグはリュックなどがおすすめ。今のシーズンは、暑さ、寒さ、雨対策も忘れずに。特に日中は汗ばむ陽気なのに、夜は冷え込む日が多く、万博会場は海に面しているので特に夕方以降寒く感じます。羽織れるものは必ず持っていきましょう。ウィンドブレーカーなどを持参すれば、雨の場合にも傘とあわせて利用できるのでいいですね。

もう一つ、モバイルバッテリーは必ず持参を。スマホの電池の減りが激しいので注意が必要です。
また万博会場の各パビリオンにはスタンプがあり、スタンプラリーが大人気。公式のスタンプ帳(1100円)は、会場外のオフィシャルショップや通販でも入手ができるので、予め購入しておくとスムーズ。



会場の地図は、いろいろな方が自作した便利なものもSNS上で公開されていますし、ガイドブック「万博ぴあ」の地図も見やすいと感じます。公式MAP(200円)は、午前中だと購入に並ぶので、とりあえず別のものを家から持参し、必要なら空いている時間に購入するといいでしょう。
いかがでしたか? とても一日ではまわりきれない大阪・関西万博。「また来たい!」と思ったら、4月・5月の入場者には、通期パスの割引(大人6000円割引)サービスがあります。東西のゲート近くのチケットセンターで、当日の入場券(QRコード)を見せると、専用コードが記入されたチラシがもらえ、専用サイトからコードを入れて購入できます。

百聞は一見にしかず。まずは雰囲気を見に訪れてみるのもいいですよ。
■大阪・関西万博 https://www.expo2025.or.jp/
◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年より7年間、NHKラジオ『Nらじ』月一レギュラーを
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