健康・医療

《最悪、失明の恐れも》目の健康のために避けたいNG習慣「目を洗う」「水を一気飲みする」「コンタクトをつけたままお風呂」

洗顔する女性
「目を洗う」など目の健康のために避けたいNG習慣とは?(写真/イメージマート)
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よかれと思ってしていたことが、実は目の負担になっていたり、知らずにやりすぎて失明リスクを上げていたり。そんな習慣はすぐにやめよう。いつまでも見える目を維持するために避けたいNG習慣を専門家に聞いた。

NG習慣【1】目薬を頻繁にさす

「目が乾くからとむやみに目薬をさすのは、かえってドライアイを悪化させる」と眼科医の佐藤香さんは言う。

「目薬をさしすぎると、涙も流されてしまいます。涙は油分からできており、潤いを与える以外に、汚れや雑菌から目を守り、傷を修復する働きがあります。涙を失わないためにも、使用上の注意や回数を必ず守って」(佐藤さん・以下同)

開封後の目薬はなるべく早く使い切ることだ。

「目薬のさし口に指などが触れると雑菌が入り、感染症を引き起こす恐れがあります。開封後は1か月以内に使い切りましょう」

疲れ目にはビタミンAを、ドライアイには潤い成分配合のものをなど、症状に合った目薬を選ぼう
疲れ目にはビタミンAを、ドライアイには潤い成分配合のものをなど、症状に合った目薬を選ぼう(写真/PIXTA)
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NG習慣【2】目を洗う

昭和の時代はプールから出た後、水道水で目を洗うのが常識だったが、「令和のいまは絶対にやってはいけないNG行為」と、医学博士・眼科専門医の深作秀春さんが指摘する。

「角膜は、目の水分を保つ『液層』、涙の蒸発を防ぐ『油層』、涙を目の表面にとどめる『ムチン層』によって守られています。目を洗うとムチンや油分が流されるため、角膜が乾燥しドライアイによる角膜上皮障害を起こします。また、むき出しの臓器である目の角膜上皮は塩素に弱く、水道水の中の塩素で炎症を起こします。目に洗剤などの危険な異物が入ったとき以外は、絶対に目は洗わないでください」(深作さん)

市販の洗眼薬も控えた方がいいと佐藤さんは言う。

「洗眼液を入れるカップの雑菌が目に入ると、角膜の炎症トラブルを起こします。花粉やほこりが目に入った場合は洗眼用の目薬を使いましょう」(佐藤さん)

NG習慣【3】目の激しいトレーニングを行う

「『眼トレ』と称される目を激しく動かす運動がありますが、眼科医としてはまったくすすめられず、危険なもの」と深作さんは言う。

「眼球内には、硝子体線維という透明なゲル状の組織があるのですが、目を激しく動かすと、この線維が揺さぶられ、枝を張った状態の網膜が強く引っ張られて裂けると、網膜剝離を起こすことがあります。最悪の場合は失明に至るため、大変危険な行為です」

特に50代以降は加齢により硝子体の液化が進み、線維が縮小して揺れやすくなり、網膜剝離が起こりやすくなるという。

「私の病院にも『眼トレ』をしすぎて、網膜剝離を起こした患者が多く来院しています。スマホを見る時間を減らし、目を閉じて休ませる時間を多く持つ方が、目の健康のためになりますよ」(深作さん)

NG習慣【4】水を「一気飲み」する

健康のために水を飲むことは大事だが、「大量の水のがぶ飲みや一気飲みをするのは、目のためによくない」と視力2.0の理学博士・平賀広貴さんは言う。

「ペットボトルの水を一気に飲むと眼球が膨張し、眼圧が上がります。眼圧が上がると緑内障のリスクが高まります。

水を飲む際は、コップ1杯の水を2〜3回に分けて、少しずつ飲むようにしましょう」(平賀さん)

NG習慣【5】目をこする

目がかゆくなったとき、「こすることは御法度だ」と忠告するのは眼科医の平松類さん。

「目をこすると網膜に負担がかかり、網膜剝離になる可能性を高めます。近視が強いなど網膜が薄い人は、眼球に振動が加わるとより網膜剝離が起こりやすくなります。

目がかゆい場合は、冷たいタオルで冷やすか、眼科で処方された目薬を使いましょう」(平松さん)

NG習慣【6】間違ったコンタクトレンズの使い方をする

コンタクト会社代表の吉田忠史さんは「コンタクトレンズ(以下、コンタクト)の使用方法を誤ると、角膜を傷つけたり、眼病を引き起こすことがある」と話す。

「コンタクトを装着したままお風呂に入るのは絶対にやめてください。涙による自浄作用が弱くなるため、お風呂の水に含まれる細菌やアカントアメーバによる感染症リスクが高まります。

また、水道水で2週間用のコンタクトを洗うと浸透圧の関係で変形する場合があるため、必ず洗浄液で洗いましょう」(吉田さん)

「コンタクトをつける際は、必ず洗浄液でレンズの両面をすすぎ洗いしてから装着を」(吉田さん)
「コンタクトをつける際は、必ず洗浄液でレンズの両面をすすぎ洗いしてから装着を」(吉田さん)(写真/PIXTA)
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取材・文/廉屋友美乃

※女性セブン2025年5月22日号