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《シニア女性に人気急上昇中》旅して稼ぐ!新しい旅の楽しみ方「おてつ旅」をオバ記者が体験レポート!「生きがいになっている」という人も

「おてつたび」仲間の、笑顔がかわいいいちご娘たち
新しい旅の楽しみ方「おてつ旅」をオバ記者が体験レポート!「おてつたび」仲間の笑顔がかわいいいちご娘たち(撮影/管井淳子)
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物価高騰やインバウンドの影響で各地のホテルや旅館の宿泊費が爆上がり。「これでは旅行は無理!」とお嘆きのあなた、いま「旅先で稼ぐ」という旅スタイルがあるんです。旅を楽しみながら、ちゃっかりお小遣いも稼げちゃう。農業、漁業からホテルの接客・調理補助、祭りの手伝いまで、新しい旅の楽しみ方をご案内! オバ記者の体験取材とともにレポートします。

50代以上の旅人が地方の人手不足を救う

今年のGWの総旅行者数は約2345万人(※JTB「2025年ゴールデンウィーク[4月25日~5月7日]の旅行動向」[2025月4月3日]より)と、例年よりもやや減少する結果となった。今年は連休日数が少なく、宿泊費用の上昇も影響しているといわれる中、シニア女性の利用が伸びているのが、旅先で働いて稼ぐ新しいスタイルだ。

「お手伝い(アルバイト)と旅を掛け合わせた『おてつたび』は、利用者が旅を楽しみながら、地方の農業や観光業などの深刻な人手不足解消に貢献でき、地方の活性化にもつながります」と話すのは、人材マッチングサイト『おてつたび』代表の永岡里菜さんだ。

2019年1月よりサービスを開始し、2024年には50代以上の利用者が2021年の8%から26%と、3倍以上になっている。

おてつたび参加者の年齢層
おてつたび参加者の年齢層
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「これほど早くシニア層が増えるとは思いませんでした。『おてつたびが生きがいになっている』という声も多いんです」(永岡さん・以下同)

基本的に交通費は自費で、宿泊費は無料、まかない付きの場合もあり、リーズナブルに旅ができる。いわゆるリゾート地でのアルバイトとの違いは「短期」であること。働く期間は1泊2日からあり、平均は2週間ほどで気軽に参加しやすいのが魅力だ。

「日本各地のあまり知られていない地域に『お手伝い』という、新しい目的ができることで、訪れる人が増える。また、お客さんとして旅するのではなく、そこでの役割を持つことで地域のかたと関係ができ、ディープな魅力を知ってその場所を好きになり、またやってくる。そんな旅の世界観を大切にしています」

もう1つ注目を集めているのが、全国・世界を巡りながら自分のスキルを生かした仕事をするための旅人求人サイト『SAGOJO』だ。代表の新拓也さんが説明する。

「旅をしながら地域の仕事に協力することで、地方自治体のほか、観光協会、企業などから報酬を受け取ることができます。

仕事内容は、旅先を訪れて地域の魅力をSNSで発信したり、農作業のお手伝い、地域の観光体験づくりなど幅が広く、『地元民と深くかかわることができ、観光では味わえない体験ができた』などの声が多くあります」

旅先で働くことは、報酬以上に豊かな体験ができそうだ。応募の際のポイントを以下にまとめたので参考に。

応募する際のチエックポイント

交通費を調べる

交通費は基本的に自己負担なので、必ず確認を。

仕事内容や就業時間、報酬金額をチェック

1日8時間労働や午前中のみなど労働時間には幅がある。報酬は仕事先の最低賃金の時給換算で計算されることが多い。

宿泊先と食事の確認

1人部屋もあれば、男女別の相部屋もある。食事はまかないが付くこともあるが、3食とも各自で用意するケースも多い。宿泊先の近くにコンビニなどがあるかも確認しておこう。

持ち物・服装・身だしなみの決まりを確認

仕事によって用意すべきものは変わる。たとえば農作業では、「汚れてもいい、動きやすい服装、軍手」などの用意が必要。「ネイルNG」のところも。

特典も確認

仕事以外に地元の人とのふれあいイベントや休日の観光案内、農産物が味わえるなどのお得ポイントがあることも。+αのご褒美をチェックしよう。

オバ記者一日「おてつたび」体験記

女性セブンの大人気エッセイ『いつも心にさざ波を!』でも活躍中の「オバ記者」こと野原広子さん(1957年生まれ)に、1日「おてつたび」を体験してもらった。

オバ記者
「おてつたび」に参加するオバ記者(撮影/管井淳子)
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* * *

「旅」と聞いただけで気分がロケット上昇するオバ。旅先で2週間だけ地元の人のお手伝いをする「おてつたび」なら、34のバイト経験がある私にお任せでしょ。

今回、一日体験の取材に訪れたのは、群馬県東吾妻町の『あがつまアグリファクトリー』。後継者不足で耕作放棄地寸前だった、いちごとぶどうの畑を2023年に継承し、昨年から「おてつたび」を受け入れてるそう。

早朝7時。ビニールハウスで「これに座って作業をします」と代表の茂木淳さんから見せられたのは、早い話、幼児の乗るキックボードの“収穫車”バージョン。いちごのウネにちょうど合うサイズなの。正直、いちご狩りの経験から「腰とひざ、大丈夫かな」と不安だったけどこれで解消。

オバ記者
収穫は台車に乗って(撮影/管井淳子)
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で、教わった通り、いちごの茎をつまんでクルッとひねるとポキッといい音がする。あっという間に箱いっぱいに収穫完了!

オバ記者
あっという間に箱いっぱいに収穫完了(撮影/管井淳子)
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8時過ぎからは作業場での箱詰め。収穫したばかりのいちごの中から姿形のいいLサイズを選んで並べる作業よ。

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スタッフから箱詰めの指導を受ける(撮影/管井淳子)
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オバ記者
黙々と作業を進める(撮影/管井淳子)
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オバ記者
パック詰め完了!買って帰るわよ(撮影/管井淳子)
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そして最後は道の駅での試食販売。「今朝、収穫してきたいちごですよ。試食どうぞ。数に限りがありま〜す」と声を張り上げたら、わらわらと人が集まってきて「わあ、おいしい!」の声。いちごは飛ぶように売れていく。

オバ記者
試食販売でオバの本領発揮。約1時間でほぼ完売!(撮影/管井淳子)
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旅なのに旅じゃないような―ああもう私、ガチで「おてつたび」にハマってしまった。次は何をしようかな。

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道の駅の足湯で疲れを癒す(撮影/管井淳子)
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【今回のお手伝いの内容】

●いちごの収穫(7~8時)

早朝の新鮮な時間に真っ赤ないちごを収穫(ビニールハウス内で専用台車に乗り作業を行う)。

●いちごのパック・箱詰め(8~9時)

収穫したいちごの大きさや重さを揃えて、販売するために専用の容器に詰める。

●いちごの試食販売(10~14時)

その日に収穫した朝採れいちごを道の駅などで販売。※途中の休憩時には足湯に入れる

※宿泊は空いている部屋(1人部屋)を使用。食事は朝・昼は各自で用意、夕食は家庭料理を提供してくれる。

オバ記者
宿泊は空いている部屋(1人部屋)を使用。食事は朝・昼は各自で用意、夕食は家庭料理を提供してくれる(撮影/管井淳子)
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※「あがつまアグリファクトリー」の募集は現在終了している。

◆野原広子

「オバ記者」。1957年茨城県生まれ。『女性セブン』の大人気エッセイ『いつも心にさざ波を!』でも活躍中。

※女性セブン2025年5月29日号

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