料理・レシピ

《夏野菜ひとつ×たんぱく質食材の主菜レシピ7つ》スパイス&ハーブでトマトやパプリカ、なす、ゴーヤーが華やかおかずに

「ゴーヤーのファルシ」(左)と「トマトのガパオ風」(右)
夏野菜がスパイスでランランクアップ!「ゴーヤーのファルシ」(左)と「トマトのガパオ風」(右)などのレシピを紹介
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食欲が落ちてバテやすくなる夏こそ、スパイス&ハーブを。独特な香りや味わいで食欲アップ、胃腸や気分もスッキリ。ひとふりで夏野菜がワンランク上の美味しさになるレシピを、予約の取れない料理教室主宰の小堀紀代美さんが教えてくれた。

夏こそスパイス&ハーブを活用!

使ってみたいけれど、うまく使いこなせない…という人も多い、スパイス&ハーブ。ハードルが高いと思われがちだが、少し使うだけで本格的な味わいになる、頼れる存在。

「たとえばクミンを少し、いつもの料理に加えて味の変化を感じてみてください。スパイスは複数使うと複雑な味わいになりますが、1種類だけでも新鮮な味になります」と小堀紀代美さん。

また少量でも清涼感ある風味になるハーブは、たっぷり盛るのがおすすめだそう。

「炒めものなどは、ミントを加えることで、脂をさっぱりとさせてくれます。夏は特に、薬味的に少量入れるよりも、葉物野菜の感覚でたっぷり使うと、香りも食感もより爽やかに楽しめますよ」

夏野菜とハーブとスパイス
ハーブ&スパイスは夏野菜料理にぴったり
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夏野菜

色鮮やかなものが多い夏野菜。抗酸化作用があり、紫外線対策や夏の健康維持に。

ハーブ

清涼感やリラックス感をもたらしてくれるハーブは、さっぱりと食べたい夏の料理に最適。

スパイス

暑さで食欲が落ちやすい季節には、ほんの少しのスパイスが効果的。食欲や代謝のアップに。

ひと手間で美味しさUP

葉物野菜をはじめ、パプリカなどの果菜も冷水に5〜10分つけ、新鮮さをよみがえらせて。カット野菜は水溶性の栄養素が流れないよう1分程度で。

パプリカやハーブを水に浸けている
水上げでシャキッとさせる
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ホールタイプは、最初に料理に使う油で炒めると香り成分が溶け出し、香りが持続。パウダータイプは加熱すると香りが飛びやすいので仕上げやソースに。

スパイスを炒めている
スパイスの香りを油に移す
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フレッシュハーブは乾燥しやすいため、ディルやミントは水洗いし、ペーパータオルで覆って冷蔵庫へ。バジルなどは茎を水に浸して鮮度をキープ。スパイスは開封後、どんどん風味が落ちていくので、密閉容器に入れ冷暗所で保存を。

瓶に入ったスパイス
スパイスはしっかり密封して
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夏野菜ひとつ×たんぱく質食材のボリュームおかず

たんぱく質は体力や免疫の源となり、夏バテ防止にも。暑さで食欲がわかないときでも、スパイス&ハーブの清涼感や刺激で美味しくしっかり食べられます。

「ズッキーニとオイルサーディンのレモン和え」のレシピ

ズッキーニはゴロゴロに切って生のままサラダに。オイルサーディンのコクで食べ応えも◎。仕上げは、「魚のハーブ」と呼ばれるディルをたっぷりと。

「ズッキーニとオイルサーディンのレモン和え」
「ズッキーニとオイルサーディンのレモン和え」
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【ズッキーニの栄養】塩分を排出してむくみを改善するカリウムが豊富で、ビタミンやミネラルの種類も多い。夏バテ対策にもおすすめ。

《材料》(2人分)

ズッキーニ…1本 オイルサーディン…1缶(70g) レモンスライス(ごく薄切り)…5枚 ディル…5〜6本 オリーブオイル…大さじ1/2 塩…小さじ1/4 レモン汁…大さじ2 粗びき黒こしょう…少量

《作り方》

【1】ズッキーニは縦に4等分に切り、さらに小さめの乱切りにする。ボウルに入れ、オリーブオイルをからめ、塩をふる。

【2】オイルサーディンは油をきっておく。レモンスライスは4等分のいちょう切りにする。ディルは茎を除き、葉を2〜3cm長さに切る。

【3】【1】のボウルにディル以外の【2】、レモン汁を加え、全体を和える(和えている間にオイルサーディンが食べやすい大きさにほぐれる)。ディルの1/3量を加え、粗びき黒こしょうをふって和えたら器に盛り、残りのディルを盛る。

ズッキーニにオイルを絡めている
ズッキーニを切った後、すぐに全体にオイルをからめておくと、えぐみが出にくくなる。炒める料理の場合は、そのまま油をひかずに調理しても。
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《スパイス&ハーブ》

・ディル

柑橘のような香りとほろ苦い味。魚介と相性がよく、サーモンマリネの定番。乳製品ともよく合う。

「トマトのガパオ風」のレシピ

クミンを入れてスパイシーに仕上げたひき肉を、トマトにたっぷりかけて。バジルの清涼感で食欲もUP。

「トマトのガパオ風」
「トマトのガパオ風」
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【トマトの栄養】抗酸化作用があるリコピンやビタミンC、β-カロテンも多い。

《材料》(2人分)

トマト…2個 合いびき肉…100g 長ねぎ…50g(1/4本程度) にんにく…1/2片 クミンシード…小さじ1/2 砂糖…小さじ1/4 ナムプラー…小さじ1 バジルの葉…7〜8枚 塩…ひとつまみ ごま油…大さじ1

《作り方》

【1】長ねぎ、にんにくはみじん切りにする。

【2】フライパンにごま油の半量とクミンシードを入れ、弱めの中火にかける。香りが立ってきたらひき肉と【1】を入れて炒め、肉の色が変わったら砂糖、ナムプラーを加えて炒める。火を止め、バジルの葉をちぎって加え、全体を混ぜる。

【3】トマトはヘタを取り、横に輪切りにする。器に盛り、塩をふって残りのごま油をまわしかける。【2】をのせ、好みでバジルの葉(分量外)を散らす。

《スパイス&ハーブ》

・クミンシード

セリ科のハーブの種子で、カレーの香りの主役。エキゾチックな風味は肉料理や揚げ物にも。

「パプリカとゆで卵のサラダ」のレシピ

サイズ違いのパプリカの食感、甘みを楽しんで。ソースはグリルした肉や魚料理にも合います。

「パプリカとゆで卵のサラダ」
「パプリカとゆで卵のサラダ」
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【パプリカの栄養】ビタミンC含有量は野菜の中でもトップクラス。肉厚なため、加熱しても失われにくい。

《材料》(2人分)

パプリカ…2個(好みの色で) ゆで卵…3個

【A】(パプリカソースの材料)
マヨネーズ…20g ディジョンマスタード…小さじ1 ワインビネガー(赤または白どちらでも)…小さじ2 砂糖…小さじ2/3 塩…小さじ1/3 パプリカパウダー…小さじ1/2 オリーブオイル…大さじ3

《作り方》

【1】パプリカは種とわたを取り、1/3量は粗みじん切りにする。残りは小さめの乱切りにする。

【2】ゆで卵は殻をむき、横半分に切る。

【3】【A】をボウルに入れてよく混ぜ、粗みじん切りにしたパプリカを加えて混ぜ合わせ、ソースを作る。

【4】器に乱切りにしたパプリカとゆで卵を盛りつけ、【3】をかける。

《スパイス&ハーブ》

・パプリカパウダー

完熟したパプリカを粉末状にしたもので、辛さはない。自然な甘さと彩りを加えたいときに。

「なすと豚肉のさっぱり炒め」のレシピ

しょうゆ味とミントの清涼感ある風味がよく合います。スパイスとハーブで豚肉もさっぱり食べられます。

「なすと豚肉のさっぱり炒め」
「なすと豚肉のさっぱり炒め」
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【なすの栄養】夏なすは皮が厚く、身が詰まっている。強い抗酸化作用のあるナスニン(アントシアニンの一種)も豊富で老化防止効果も高い。

《材料》(2人分)

なす…2本 豚バラ肉(しゃぶしゃぶ用)…150g 塩…ひとつまみ ごま油…大さじ2

【A】
にんにく…1/2片分(みじん切り) キャラウェイシード…小さじ1/2 塩…ひとつまみ

白ワインビネガー…大さじ1/2 しょうゆ…大さじ1 粗びき黒こしょう…少量 ミントの葉…好みの量

《作り方》

【1】なすはヘタを落とし、皮ごと乱切りにする。塩を全体にまぶし、水に3分ほどつけてアク抜きをする。水気をよくきり、ごま油を全体にからめる。

【2】豚バラ肉は3〜4cm長さに切る。

【3】フライパンを強めの中火で熱し、【1】と【A】を入れて炒める。全体がツヤッとして油が回ったら【2】を加えてさっと炒め、ふたをして蒸し焼きにする。

【4】火が通ったら、白ワインビネガーとしょうゆを加えてさっと炒め、粗びき黒こしょうをふって混ぜ合わせる。器に盛り、ミントの葉を添える。

《スパイス&ハーブ》

・キャラウェイシード

ザワークラウトの定番スパイス。セリ科のハーブの種子で、ほんのり甘くてほろ苦い。パウンドケーキなどにも使われる。

「ゴーヤーのファルシ」のレシピ

ゴーヤーにカレーケチャップ味の鶏肉を詰めてジューシーに。ご飯を入れても!

「ゴーヤーのファルシ」
「ゴーヤーのファルシ」
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【ゴーヤーの栄養】ビタミンCや葉酸など多くの栄養素を含み、苦み成分のモモルデシンには健胃作用も。

《材料》(2人分)

ゴーヤー…1本(約30cm)

【A】
鶏胸肉(皮なし)…150g(7〜8mmの角切り) 玉ねぎ…30g(みじん切り) ケチャップ…大さじ2と1/2 ウスターソース…小さじ1と1/2 カレー粉…小さじ1 粗びき黒こしょう…適量 片栗粉…小さじ1

塩…適量 オリーブオイル…大さじ1/2 ピザ用チーズ…60g

《作り方》

【1】ゴーヤーは縦半分に切り、スプーンで種とわたをくり抜く。
【2】ボウルに【A】を入れて混ぜ合わせる。
【3】ゴーヤーの内側に塩をふり、オリーブオイルを半量ずつかける。【2】を半量ずつ詰め、ピザ用チーズをのせ、チーズに焼き色がつくまでトースターで20〜25分焼く(ゴーヤーが固ければさらに焼く)。

《スパイス&ハーブ》

・カレー粉

カレーに使うターメリックやクミン、唐辛子など複数をミックス。炒め物や揚げ物の風味付けにも。

「オクラのナムル豆腐」のレシピ

崩した豆腐に具をたっぷりと。みょうがのほか、バジルやミントを加えても。

「オクラのナムル豆腐」
「オクラのナムル豆腐」
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【オクラの栄養】ネバネバの主成分、水溶性食物繊維のペクチンは腸内環境を整えてくれる。

《材料》(2人分)

豆腐(絹ごし)…1丁(300g)  オクラ…10本 みょうが…1〜2本 釜揚げしらす…30g

いりごま(白)…大さじ1 ごま油…大さじ1と1/2 塩…小さじ1/2

《作り方》

【1】豆腐は重しをし、1時間ほど置いて水切りする。

【2】オクラは塩ずりして水洗いする。水気をふき、ガクとヘタを取って5mm幅に切る。みょうがは小口切りにして水洗いし、水気をよくきる。

【3】ボウルにオクラを入れ、ごま油大さじ1、塩小さじ1/4の順に加えて和える。さらに釜揚げしらす、いりごまを加えて和える。

【4】別のボウルに【1】を入れ、スプーンなどで崩す。残りの塩とごま油を加え、なめらかになるまで混ぜる。器に盛り、【3】とみょうがをのせる。※味をみて、たりなければ塩、ごま油(分量外)で調える。

《スパイス&ハーブ》

・みょうが

爽やかな香りと心地よい食感。香り成分には食欲増進効果も。薬味のほか、和え物や天ぷらにも合う。

「枝豆としょうがのかき揚げ」のレシピ

枝豆の甘さとしょうがの辛さのループで、ビールに合う一皿。揚げすぎないほうが枝豆の味や食感が楽しめます。

「枝豆としょうがのかき揚げ」
「枝豆としょうがのかき揚げ」
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【枝豆の栄養】たんぱく質が多く、体を作るカルシウムや鉄、代謝に関わるビタミンB群も豊富。

《材料》(2人分)

枝豆…130〜150g(正味) しょうが…20g

【A】
小麦粉…50g ベーキングパウダー…小さじ1/2 片栗粉…15g 塩…ひとつまみ

冷水…大さじ4〜5 揚げ油、塩…各適量 青じそ…好みの量

《作り方》

【1】枝豆は1分ほどゆで、さやから取り出す。しょうがは皮をむき、5mmの角切りにする。
【2】ボウルに【A】を入れてよく混ぜ、【1】を加えて混ぜ合わせる。冷水を2回に分けて加えながら、さっくり混ぜる。
【3】揚げ油を180℃に熱し、【2】をスプーンですくってそっと落とす。全体がやや色づくまで揚げたら網に上げて油をきり、塩をふる。
【4】器に盛り、青じそを添え、包んで食べる。

<キャプ>揚げ衣は、水を少しずつ加えながら、少ししゃばしゃばとしているくらいの硬さでOK。衣が厚くつきすぎず、カラッと揚がる。

《スパイス&ハーブ》

・青じそ

薬味の定番。爽やかな香りと味わいで、実はミネラルやビタミンも豊富に含む。

・しょうが

きりっとした辛みと香り。辛み成分には代謝を上げ、免疫力を高める効果も。

◆教えてくれたのは:料理家・小堀紀代美さん

料理家の小堀紀代美さん
料理家の小堀紀代美さん
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世界を旅する中から生まれたレシピは、食材や味を合わせるセンスの高さが評判。洗練されたスパイスやハーブ使いにも定評がある。定番野菜が、スパイスやハーブ、ソース使いで新鮮な美味しさに! 食卓をおしゃれに彩る『いつもの野菜ひとつで美味レシピ』(小学館) が好評発売中。

撮影/神林 環 スタイリング/西崎弥沙 栄養監修/清水加奈子 取材・文/松田亜子

※女性セブン2025年6月19日号

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