《しっかりめの味付けで》“海外米”のおいしい炊き方「アメリカ産や韓国産は浸水が必要。タイ米やインド米などの長粒米は軽く洗うだけ」おいしく食べるレシピも紹介
米価格が高止まりを続けるなか、政府は小泉進次郎農林水産相主導で、5㎏2000円程度の備蓄米を市場に放出。6月2日にイオンで発売されたときは1200人を超える長蛇の列ができた店舗も。イトーヨーカドーのネットスーパーでは10分で完売した。備蓄米の争奪戦が繰り広げられる一方で、味や品質に不安を持つ消費者も。でも安心して！ 炊き方や調理法次第でおいしくなるのだ。そこで、海外米がおいしくなる炊き方や食べ方を紹介する。
【海外米】はしっかりめの味付けで
「日本米と同様の中粒米（アメリカ産や韓国産）は浸水が必要ですが、タイ米やインド米などの長粒米は軽く洗うだけ。浸水なしでOK」（料理研究家・尾田衣子さん・以下同）
海外米も、味の濃いおかずに合わせたり、混ぜご飯にしたりすれば、よりおいしく食べられる。ここからブレンド米をおいしく食べるレシピを紹介する。（※レシピの材料は2人分。電子レンジは600Wを使用）
《アメリカ米》「サーモンポキ丼」
【1】炊飯器に10～20分浸水させたアメリカ産米2合と、規定より5～10％減の量の水を入れて炊く。
【2】刺し身用サーモン150gときゅうり1／2本（80g）は1.5cm角に切る。
【3】ボウルに【2】のサーモン、ナンプラー大さじ2、レモン汁大さじ1、ごま油小さじ2を入れて混ぜ、10分ほど漬け込む。
【4】器に【1】の半量を盛り、【2】、【3】の半量、ミントの葉5枚と青ねぎの小口切り適量を散らす。もう1人分も同様に作る。
《インド米》「サラダライス」レシピ
【1】炊飯器にインド米（バスマティライス）1／2合と、規定より少なめの量の水を入れて炊き、冷ます（インド米は早炊き機能で炊くと、粒立ちがよくなる傾向が）。
【2】ブロッコリー1／2株（100g）は小房に分け、塩ゆでして冷ます。ミニトマト6個は半分に、カマンベールチーズ60gはくし形に切る。
【3】ボウルに【1】、【2】、水煮ひよこ豆50gを入れてバジルソース大さじ4で和え、塩・こしょう各適量で味を調える。
《韓国米》「キムチチーズリゾット」レシピ
【1】鍋にごま油小さじ1／2を熱し、豚ひき肉50gを入れて中火で4分炒め、キムチの粗みじん切り80gを加えて炒め合わせる。
【2】【1】に韓国米（生米）½合を入れて軽く炒め、鶏がらスープ1と1／2カップを少しずつ加えて30分ほど煮る。
【3】米がやわらかくなったら1cm幅に切ったにら1／4束（25g）、ピザ用チーズ50gを入れ、チーズが溶けたら火を止める。器に盛り、粗びき黒こしょう少量を振る。
《タイ米》「ココナッツライスのスパイスチキン添え」レシピ
【1】炊飯器にタイ米1合と、ココナッツミルク2／5カップ、水1／2カップを入れて炊く。
【2】鶏むね肉1枚（200～250g）は厚みが均一になるように開き、フォークで数か所刺す。カレー粉大さじ1、クミンパウダー・おろしにんにく・おろししょうが各小さじ1／2、粗びき黒こしょう少量を混ぜ合わせ、鶏肉にすりこむ。
【3】フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、【2】を入れて中火で両面焼き色がつくまで各4～5分焼いて薄切りにする。
【4】器に【1】を盛り、【3】と食べやすくちぎったフリルレタス適量を添える。
《タイ米》「えびのレモングラス炒飯」レシピ
【1】炊飯器にタイ米1／2合と、規定よりやや少なめの量の水を入れて炊く。
【2】えび8尾は殻と背わたをとる。赤・黄パプリカ各1／4個（30g）は1cm角に切り、レモングラス1本は根元の白い部分をみじん切りにする。
【3】フライパンにオリーブオイル大さじ1を熱し、溶き卵1個分を中火で30秒ほど炒めてとり出す。
【4】【3】のフライパンに、【2】のえびとレモングラス、好みで唐辛子の輪切り少量を入れて2～3分炒め、さらにパプリカを加えて炒め合わせる。
【5】【4】に【1】を入れて炒めほぐし、【3】の卵を入れ、ナンプラー大さじ1、ライム果汁大さじ1／2で味を調える。器に盛り、青ねぎの小口切り適量を散らす。
《インド米》「アジアン混ぜご飯」レシピ
【1】炊飯器にインド米（バスマティライス）1合と、規定よりやや少なめの量の水を入れて炊く。
【2】フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、にんにくのみじん切り1片分を入れて中火で炒め、香りが立ったら殻と背わたをとったえび8尾を加えて2～3分炒める。
【3】【2】に【1】、粗く刻んだ無塩ピーナッツ30g、オイスターソース大さじ1、バター10gを入れて3分ほど炒める。全体が混ざったら火を止め、パクチー適量を入れて混ぜ合わせる。
【豆知識】米の「マイった！」を解決！タイ米やインド米はとがずにすすぐだけ
「韓国、台湾、中国の米は日本米と同じ炊き方で問題ありませんが、タイ米やインド米などの長粒米は、日本米のようにといで洗うと割れたり折れたりします。ですから、軽く数回すすいで水気をしっかり切るだけでOK。旨みや粘りの強い日本米に比べて淡泊で水分が少ないので、炒飯やリゾット向きです」（日本健康食育協会代表理事・柏原ゆきよさん）
◆料理研究家・尾田衣子さん
料理教室『アシェット・ド・キヌ』主宰。多国籍な家庭料理が得意。監修に『一般社団法人おにぎり協会公認 おにぎりの本』（辰巳出版）など。本企画のレシピをすべて考案。
◆日本健康食育協会代表理事・柏原ゆきよさん
管理栄養士。YouTubeでお米チャンネル『人生が変わる食べ方』を配信中。若玄米×雑穀のパックご飯『スラメシ』を開発。著書に累計15万部の『お腹からやせる食べ方』（三笠書房）など。
取材・文／佐々木めぐみ
※女性セブン2025年6月26日号