
若い頃と同じような下着や合わないサイズは老け見えのもと。それに加えて、古い下着をいつまでも着続けていることも体型崩れにつながる。「気づいたら5年も着てた…」なんてケースはないだろうか。下着にも捨て時があるという。下着のプロが解説する。
下着の捨て方【ブラジャー編】
捨てどきの目安を「着用回数100回にするといい」と言うのは、下着メーカー「ヘブンジャパン」PRの梅井佑希子さんだ。
「たとえば、3枚のブラジャーを使い回している場合は、約1年で捨てどきになります。とはいえ、洗濯や保管方法によっても劣化のスピードが異なるため、次の3つのポイントを確認するのがおすすめです」
【1】カップの形
形が崩れると谷間ができにくくなり、美しいバストラインが形成されにくくなる。
【2】バック布のヨレ
写真のように、ヨレたり伸びると安定感がなくなり、脇や背中から集めた肉が逃げたり、ずれやすくなるなど不快感が増す。

【3】生地やストラップのヨレ
バストを持ち上げる力が弱まり、バストアップ効果が得られにくくなる。
加えて、おぬまさんは「タグ部分が読みづらくなっていたら寿命」と言う。
ブラトップについては「ユニクロ」PR担当者が説明する。
「カップに破れやほつれなどの劣化が生じたら交換時期です。アンダーベルトやストラップが伸びて緩くなってきた場合も、替えどきのサインです」
また、インナーウエアコンサルタント・おぬまともこさんはこう明かす。
「ショーツはデリケートゾーンを衛生的に保つためのもの。クロッチ(股布)の汚れが取れなくなったら交換のサインです。ブラジャー同様、タグが読めなくなったら捨てて」
下着の捨て方【ショーツ&ガードル編】
ガードルに関しては、ランジェリーライター・川原好恵さんは「締め付ける必要はないですが、緩いと感じたら捨てどき」と語る。
機能に限らず「レース部分がゴワゴワしてはく気にならない」など、たんすの肥やしになっている場合も捨てどきだ。
捨てる前にいったん防災用として備える手もある。
「備蓄品リストに下着は入れ忘れがちです。そこで使い古したノンワイヤーのブラジャーとショーツを、3セット常備してほしいですね」(梅井さん)
下着の引き出しがパンパンになったら、見直してみるのもよさそうだ。

下着にまつわる疑問にプロが返答
【Q】Mサイズが入るなら、Lサイズにしなくてもいい?
【A】「自分はMサイズ」という呪縛は捨てて。
「Mサイズに固執して段差のある"ボンレスハム"状態と、体に合ったLサイズで滑らかなラインのボディー。どちらがスッキリとキレイに見えるでしょうか。当然、Lサイズです」(川原さん・以下同)
【Q】ブラとショーツはセットにするのが大人のたしなみ?
【A】セットにする必要はない。
「必ずしもブラジャーとセットにする必要はなく、体に合ったはき心地のいいショーツを選びましょう。バラバラなデザインに抵抗感があるなら黒いブラジャーに、シンプルで機能的な黒のショーツ(ガードル)を合わせるとセットのような雰囲気になります」
【Q】昔より肌が敏感になった気がするけど気のせい?
【A】60代の肌は若い頃より敏感。
「加齢により過敏になり、ハリや潤いが不足した肌は『ホックが気になる』『縫い代がゴワゴワする』『洗濯タグがチクチクする』といった不快感が現れることがあります。無縫製や洗濯表示がプリントされているなど、できるだけ刺激の少ない、肌あたりのやさしいものを選びましょう」
◆インナーウエアコンサルタント・おぬまともこさん
年齢とともに体形や体質が変化する女性に向けて、ラクに健康的におしゃれを楽しめるインナー活用術を提案。著書に『10歳若返るインナーの魔法!』(さくら舎)などがある。
◆ランジェリーライター・川原好恵さん
流通業界で販売促進、広報、店舗開発を経験後、フリーランスとして独立。下着通販カタログの商品企画などを経て、ランジェリーを中心に雑誌、新聞、ウェブサイトなどで執筆・編集を行う。
取材・文/藤岡加奈子
※女性セブン2025年6月26日号