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《食品価格のからくり》価格が高い“生パスタ”より、安い“乾パスタ”の方が安全な理由とは? 国産白菜のキムチは「発酵させたかどうか」で価格が変わる 

塩や砂糖では栄養価の違いが価格に反映

栄養価の違いが価格に反映されているケースもある。同じ食塩でも377円と193円の差がそれだ。高い食塩の大半はかつて「天然塩」「自然塩」と分類されていたもので、一般的には塩田で海水を乾燥させるなど、昔ながらの製法で作られた塩。一方、安い塩はほぼ工場で作られた精製塩であることが多い。

「伝統製法の塩はマグネシウムなどのミネラルを多く含みますが、精製された食塩はほぼ塩化ナトリウムのみです」(久保さん)

砂糖も同じことが言える。

白砂糖は血糖値が上昇しやすい(写真/PIXTA)
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「黒糖431円と白砂糖215円はミネラル含有量に違いがあり、黒糖の方が栄養素を多く含みます。また白砂糖は精製度が高く消化吸収が早いため、黒糖に比べて血糖値が上昇しやすい。血糖値の大きな変動は体に負担がかかります。味わいに多少違いはあるため用途によっては白砂糖が好まれる場合もありますが、体のことを考えるなら黒糖を選びましょう」(あるとむさん)

栄養素の含有量の差は水2L118円と水2L64円にも。

「高い水は源泉にこだわっているので、カルシウムやマグネシウムなど体に必要なミネラルが豊富に含まれています。水は日常的に飲むものなので、高い方をおすすめします」(久保さん)

黒こんにゃく117円と白こんにゃく117円の場合、好みで選んでもいいように思えるが、実は違いが隠れている。

「同じ値段なら、色付けのために海藻の粉末が入っている黒こんにゃくの方が、ミネラルと食物繊維が豊富です」(麻生さん)

白こんにゃくには添加物が含まれている場合もあるという。

「商品によりますが、白こんにゃくは脱色されていることがあります。脱色をする工程で薬剤を使うので、安全なのは黒こんにゃくでしょう」(久保さん)

「安いから危険」とは限らない食品
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低価格でも安心して食べれる食品
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(後半につづく)

※女性セブン2025年6月26日号

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