
「長生きしたいから」「やせたいから」と“体にいい”といわれている食べ物を、せっせと口にしている人は多いだろう。だけど、ちょっと待ってください。ひょっとしたらその食べ物が、あなたの寿命を縮めているかもしれません。
5月12日、農林水産省は全国のスーパーで1週間に販売された米の平均価格が18週ぶりに値下がりしたと発表した。しかし、その額たったの19円。
備蓄米が放出されたのに、なぜなのか。流通が遅れている原因の1つに、精米作業の問題が指摘されている。そのため、自民党の小野寺五典政調会長は玄米のまま流通できるよう政府に要請した。主婦のAさん(64才)が言う。
「玄米は栄養豊富で体にいいと聞いているので、これをきっかけに食べてみようと思っています。お店に並ぶのが楽しみです」
だが、体にいいと思っている食べ物が“害”になることもある。健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子さんが指摘する。
「玄米はビタミンやミネラルが豊富ですが、胃腸の弱い人が食べると栄養素をうまく消化・吸収ができない。それどころか消化不良で腹痛になることがあります」
ヨウ素が豊富な海藻類を摂りすぎると甲状腺がんのリスクが上がる
健康にいいと思われながら、実は体にダメージを与える可能性のある食べ物は多くある。
例えば海藻類はビタミンやミネラルが豊富だが、食べすぎには注意が必要だ。医療経済ジャーナリストの室井一辰さんが言う。
「海藻類はヨウ素が豊富なので、摂りすぎると甲状腺がんのリスクが上がると指摘されています」
同じく食べすぎに注意なのは、脳卒中などの心血管疾患を予防するといわれるナッツ類だ。内科医の大西睦子さんが解説する。

「ナッツ類は油分が多く高カロリー。くるみ10粒でご飯茶碗1杯分に相当します。肥満になれば逆に心血管疾患のリスクが増すばかりか、ほかの健康リスクも増えてしまうので要注意です」
研究が進んだことで健康説が覆ったのが「百薬の長」であるお酒だ。赤ワインはグラス2杯ほどは健康寿命を延ばすとされたが、それはもはや過去の話。
「WHOによると、酒類に関係なく飲酒は、わずかな量でもがんのリスクを高めます。特に乳がんの場合は全体の16.4%が飲酒に起因しています」(大西さん)
プロテインが腎臓に負担をかける可能性
高齢者が健康を維持するために摂るべき「たんぱく質」を手軽に摂取できるプロテインだが、イシハラクリニック副院長の石原新菜さんは注意を促す。
「プロテインは消化吸収をよくしたたんぱく質の塊なので、摂ると一気に体内に吸収されて、体に負担がかかる。さらに体重1kgあたり1.5g/日以上のたんぱく質を長期間摂り続けると、腎臓に負担がかかる可能性があります。一般的なプロテインドリンク100mlにたんぱく質は10gほど入っていることが多いので、1日500ml以上飲むのはやめましょう」
どんなに体にいい栄養も「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」なのだ。


※女性セブン2025年6月5・12日号