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“安いから危険”とは限らない食品価格のからくり 「国産の鶏肉」より「タイ産の鶏肉」の安全性が評価できるケースも “高い赤卵”と“安い白卵”に品質の差はない 

卵で大切なのは色より環境

納豆と同じく発酵食品のヨーグルト400g172円とヨーグルト400g150円は「この程度の価格の差であれば品質や安全性に違いはほぼない」と中戸川さんは話す。

「むしろ『高いから安心』と過信せず、人工甘味料の使用をチェックしてください。それから、ヨーグルトには原材料が生乳100%のものとそのほかの乳製品を含むものとがありますが、同じ価格なら栄養価の高い生乳100%がお得です」

赤卵334円と白卵258円は赤卵の方が高級な印象があるが、こちらも品質に差はない。

「殻の色は鶏の品種が異なるだけで、飼育されている鶏の飼料や栄養価の違いが表れているわけではありません」(風呂内さん)

飼育している鶏の飼料に農薬を使用している可能性がある(写真/PIXTA)
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大事なのは、殻の色より飼育環境だという。

「安い卵は、鶏の飼料に遺伝子組み換えの農作物を使っている可能性があります。遺伝子組み換え作物の栽培には多くの農薬を使うので、残留農薬のリスクが高まります」(中戸川さん・以下同)

手軽なたんぱく源、練り物もさまざまな価格帯のものが店頭に並んでいる。

「ちくわ3本247円とちくわ3本139円、かに風味かまぼこ10本215円とかに風味かまぼこ10本96円、これらの食品のチェックポイントは、保存料としてソルビン酸が使われているかどうか。スーパーに並んでいる大手のものはほぼ、安くても含んでいません。これは工場の衛生管理がしっかりしているから。保存料が使用されていなければ安いもので充分です」

国産大豆使用みそ431円と国産大豆使用みそ215円も添加物の有無を確認すれば安全面に差はない。

「時間をかけて天然醸造しているのか、人工的に温度を調節して短期間で作り上げる速醸法といわれる製法なのかの違いです。ただ、㎏単位100円台のような極端に安いみそは添加物表示を確認してください」(あるとむさん・以下同)

安くて安心なものもあれば、高くても安心できないものもあるのがいまの日本の食事情だ。価格は品質を見定めるひとつの指標ではあるが、絶対ではない。

「過度なパッケージや宣伝に惑わされず、原材料がシンプルでわかりやすいものを選びましょう。成分表示や産地、生産方法なども確認するのがいいでしょう」

賢い選択で健康も家計も守りたい。

「安いから危険」とは限らない食品
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低価格でも安心して食べれる食品
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(前編を読む)

※女性セブン2025年6月26日号

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