輪ゴムを巻かずに…はめるだけ《関節の痛み別改善術》
年齢を重ねると、関節のあちこちに痛みを感じる人が増えるが、そうした関節のトラブルに着目して考案されたのが、「手足輪ゴム健康法」。“手と足のポイントに輪ゴムをはめるだけ”という、驚くほど簡単なセルフケアだ。
「体をあまり動かさないでいると筋肉が衰えて、関節をつなぐじん帯が硬化し、関節の動きが悪くなります。これを防いで体の不調を改善するには、関節の周囲を押圧刺激して血行を促すことが有効です。
一方、輪ゴムを関節にはめることで関節を360度にわたって刺激できるこの方法は、ピンポイントのツボを探すよりも簡単。片方ずつでも、左右同時に輪ゴムをはめてもかまいません」(松岡さん)
・輪ゴムのサイズ
肩関節や太もも、ひざには18号(内径44.5mm)を。足先や手先は16号(内径36mm)でもOK。
・共通のはめ方
【1】輪ゴムを2〜3本束ね、不調のある部位に呼応した体の箇所にはめる。手のひら以外は衣類の上からはめる。
【2】うっ血しないように10分程度おいて外す。
【3】【1】【2】を1日に数回繰り返す。続けて行う場合は、10分以上時間を空ける。
※症状が軽い場合は、【A】のみでもよい。程度に応じて【A】〜【C】まで輪ゴムを順番にはめる。

【肩関節痛】痛みをともなうこりや、五十肩など
【A】わきの下から肩関節にかけて、【B】上腕の付け根、【C】わきの下から肩上の順に、各10分程はめる。
【ひじ痛】ひじ痛に加え、テニスひじなどにも
【A】ひじ関節の中心位置、【B】ひじ関節を上がって少し凹んだ部分、【C】ひじ関節から少し下がって凹んだ部分の順に、各10分程はめる。
【腰痛】腰の痛み、だるさに
【A】手のひらの中央・親指と小指の間、【B】親指の付け根の関節の位置の順に、各10分程はめる。
【手首痛】手首の痛み全般に
【A】手首のまわり、【B】手首を少しひじ側に上がって凹んだ位置、【C】手のひらの下の部分の順に、各10分程はめる。
【ひざ痛】ひざの痛み、ひざ関節炎に
【A】ひざ関節周囲、【B】ひざ関節より少し上の凹んだ位置、【C】ひざ関節から少し下がって凹んだ位置の順に、各10分程はめる。
【股関節痛】股関節の痛み、だるさに
【A】股関節周囲・足の付け根あたり、【B】太ももの上部・股関節から5〜6cm下がった位置の順に、各10分程はめる。
【足関節痛】足関節の痛み、捻挫にも効果的
【A】足首まわり、【B】足首より少し上の凹んだ位置、【C】かかとの位置の順に、各10分程はめる。
【足裏痛】足の裏全般の痛みに
【A】足の土踏まずのあたり、【B】足指の付け根の位置の順に、各10分程はめる。
◆鍼灸師・松岡佳余子さん
アジアン・ハンドセラピー協会代表、鍼灸師。本場中国の中医薬大学等で研鑽を積む。鍼灸を発展させたセルフケアメソッドを考案。
取材・文/山下和恵 イラスト/いばさえみ、勝山英幸
※女性セブン2025年7月17日号