健康・医療

《体温を1℃上げる》「暑いのにお腹は冷たい」「なんとなくだるい」など“冷えバテ”不調を撃退!医師が解説する4つの温活

4つの温活で体温を1℃上げる!

「対策としては、『内臓の冷えバテ』を防ぐため、深部の体温(体内の体温)を上げることが重要です。

全身の免疫細胞の約7割が腸に集中しているといわれており、腸を冷やすと7割もの免疫細胞の活性を下げることになってしまいます」

ガッツポーズする女性
体温を1℃上げることを目指そう(イラスト/とげとげ。)
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そこで石原さんが提唱するイチオシの温活法が「夏でも腹巻き」だ。

「腸をはじめ、主要な臓器はお腹に集まっているので、とにかく温めるのがいちばん。暑いのにお腹まわりは冷たいというかたは、ぜひ試してください。私も一年中腹巻きを手放さず、日中は服に響かない薄手のもの、寝るときは厚手のものと、使い分けています。夏は、すぐに乾いて暖かいシルク入りが使いやすいですが、機能性素材の腹巻きも出ているので、自分に合ったものを探してください」

石原さんは、診察中もレッグウオーマーと靴下のダブル使いで足を保温する。

「大きな筋肉が集中する下半身を冷やすと全身が冷えてしまうので、私は夏でも下半身の熱を逃がさないようにしています」

「外ではたくさん汗をかくし、冷えている自覚がない」という人も、油断できない。

「汗をかく場所が上半身だけという人は、下半身が冷えている可能性が高い。自分が思う以上に冷えは進んでいますので、足を冷やさないようにしましょう」

熱を作るもととなる筋肉を落とさない対策も重要だ。

「特に、下半身を動かすこと。おすすめは、手軽にできるスクワットです。30回やっても1分程度と、手軽にできます。1日20分くらいのウオーキングができたらよりいいのですが、夏は無理せず、簡単なスクワットで充分です」

一日中冷えていた体を温め、深部体温を上げるには夜の入浴が欠かせない。

「40℃くらいの湯に10〜15分つかりましょう。汗がじんわり出てきたら、体温が1℃上昇したサインです。スクワットと入浴をセットにすれば、すでに体が温まっているので入浴の効果が表れやすいです」

食事のときには、薬味を“ちょい足し”する習慣を。

「ねぎやしょうがは体を温め、胃腸の血流や消化を促します。また、たんぱく質が摂れて腸内環境をよくするみそや、ミネラル豊富な天然塩も温活の強い味方。夏が旬のきゅうりやトマトは体を冷やしますが、みそや天然塩を添えることで冷えを補ってくれます。みそ汁を毎日の習慣にするのもおすすめですが、面倒ならみそとお湯を溶くだけでもOK。毎日飲んでいただきたいですね」

しょうがやねぎを器に入れている
薬味の“ちょい足し”も温活に(イラスト/とげとげ。)
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4つの習慣を実践することで、1か月で1℃アップも夢ではないという。

「私もかつてはひどい花粉症やにきび、冷えに悩まされていましたが、19年前くらいから4つの習慣を続け、いまは体も心も絶好調です。

健康のレベルを上げておくと、少々疲労がたまっても引きずらず、好不調の幅が少なくなりますよ」

体温+1℃を目指す4つの温活

【1】内臓と下半身の保温

長時間の外出以外は腹巻きで内臓を保温。室内では足元を冷やさないことが大事。

腹巻きや靴下
保温グッズを活用(イラスト/とげとげ。)
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【2】軽い運動

いすに座るよう腰を落とし、座る直前で立ち上がる。これを30回繰り返す。下半身の筋肉維持になる。

いすに座るよう腰を落とし、座る直前で立ち上がる
いすに座るよう腰を落とし、座る直前で立ち上がる(イラスト/とげとげ。)
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【3】入浴

浴槽につかり、内臓まで温めよう。暑くてつらいときは、クール系の入浴剤などで涼やかな演出を。

風呂に入る女性
浴槽で内臓まで温める(イラスト/とげとげ。)
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【4】食事に薬味をちょい足し

おかずや汁物などに、刻んだねぎとしょうがを加える習慣をつけよう。

◆教えてくれたのは:医師、温活マスター・石原新菜さん

イシハラクリニック副院長。漢方医学、自然療法、食事療法により種々の病気の治療にあたる。わかりやすい医学解説にも定評がある。『カラダを温めて冷えをとる!温活365日』(内外出版社)ほか著書多数。

取材・文/佐藤有栄

※女性セブン2025年7月31日・8月7日号

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