人の喜びが自分の喜びに
ただ、再稼働にはハードルもあった。その1つが、生活の拠点を沖縄・宮古島に移した大野の存在だった。
「大野さんの気持ちが動かなければ、5人で表舞台に立つことはできない。しばらくは活動に後ろ向きだった大野さんでしたが、活動再開の発表に合わせての数年ぶりの“顔見せ”ではアイドル当時の面影に戻していました」(前出・別の芸能関係者)
もう1つが、個別で活動している時間がどんどん長くなっていたことだった。
「特に早くに独立した二宮さんと、嵐を壊したくなかった松本さんとの意見の食い違いは大きかったと聞きました。調整役が相葉さんや櫻井さんだったといいます」(前出・芸能関係者)
2人はこれまでも衝突が取り沙汰されることがあった。2019年11月に、二宮が元フリーアナウンサーの女性と結婚したときだ。
「嵐の20周年ツアー真っ最中のタイミングでの結婚発表に、松本さんが反発し、大野さんとともに祝福コメントを出しませんでした。アイドルとしてファンを悲しませるようなことは絶対にしたくなかった松本さんと、あくまで自分のスタイルを貫く二宮さんとで考えに溝が生まれていたのです」(前出・芸能関係者)

その一件以来、2人の間には距離があるといわれ続けてきた。だが、数年が経ち、彼らを取り巻く環境も大きく変わったことで、雪解けを迎えていたようだ。二宮は前述の著書で、《最近、自分のことのように喜べたことは?》という質問に、松本の名を挙げ、こう語っている。
《松本潤の独立かな。嬉しかったな、僕は。(中略)自分の腕試しとして立ち位置を知るために独立したっていうことが、なんか僕はすごく嬉しかった》
「一足早く独立し個人事務所を立ち上げた二宮さんは、当初は仕事のオファーも自ら受け、仕事場には自分で運転して向かっていた。文字通り裸一貫で再スタートし、その難しさなども痛感したといいます。意見が食い違うことのあった松本さんが、自分と同じ環境でチャレンジしようとしたことが嬉しかったようです」(前出・芸能関係者)
松本の公式サイトで思想や理念に触れた二宮は、《賛同できる人たちと一緒に何かをつくりたいっていうのは、人の喜びが自分の喜びになるということだよね》と先の著書で述べていた。1人の喜びは“5人の喜び”に──足並みそろった嵐が再び躍動する。
※女性セブン2025年8月14日号