ダイエットに勤しむ女性は多いが、食事制限による過度なダイエットは体重を減らすものの思わぬ“副作用”が出てしまう。それがニオイだ。しかも、それは3段階でくさくなっていくという。
「食事制限をしていると、体内のエネルギー源である炭水化物やたんぱく質が不足して、飢餓状態に陥ります。体は身を守るため、体内に貯蔵している中性脂肪を燃焼させるのですが、その際に中性脂肪はニオイを放つ脂肪酸に変化するため、汗くさくなってしまう」(五味クリニック院長の五味常明さん)
それでも食事を摂らない状態を続けると、酸素が体内に行きわたらず、疲労物質である乳酸が生成される。この乳酸はジアセチルというニオイのもとになる。最終的には脂肪酸がケトン体という物質となり、甘酸っぱいケトン臭を作り出す。
「食事制限だけに頼らず、体をしっかりと動かす有酸素運動を行いながら、ダイエットすることが大切になってきます」(五味さん)
ダイエット臭を防ぐためには、酢やしょうが、マッシュルーム、梅干しなどの摂取も効果があるという。無理なダイエット、間違った方法は、体に大きな負担をかけるだけでなく、イヤな体臭を生む原因にもなっているのである。疲れは体を弱らせるだけでなく、不快なニオイも発生させるので、要注意だ。
「体内で作られるアンモニアは、健康な状態であれば、肝臓のオルニチンによって分解されます。しかし、疲労が蓄積してくると、オルニチンの働きが低下し、アンモニアの量が急増してくるのです。その結果、アンモニア臭の強い疲労臭が発生します」(五味さん)
そんなときは、肝臓の働きを正常化させ、疲労臭を低減させるある食べ物がおすすめだと言う。
「それはしじみです。肝臓の働きを助けるために、オルニチンを豊富に含むしじみが効果的です。特に、お酒が好きな人に推奨したいですね。栄養価も高く、安心して摂取できるのもメリットです」(五味さん)
オルニチンは、肝臓の働きを正常化させ、疲労臭予防に効果が高い注目の物質なのである。
また、運転中はゆるい緊張状態、水分補給不足、空間認識の連続によるストレスなどで、口臭が出やすい環境がそろっているのだとか。口臭専門クリニック院長の中城基雄さんが解説する。
「ストレスにより、運転中は徐々に“眉間にしわ”が寄り、口が乾いてきて口臭が出てきます。ストレスを軽減するために、眉間にしわを寄せる→目尻にしわを寄せるといった運動を繰り返し、気持ちを整えることが重要です」
最後に五味さんが、避けることのできない冬のくさい汗と上手につきあう方法を伝授してくれた。
「乾いたハンカチで汗を拭かないこと。汗の役割は体温調節にあります。水分をきれいに拭き取って肌を乾燥させてしまうと、気化熱で体温を下げることができず、逆に汗をどんどんかくことになります。
ニオイ成分は水溶性なので、濡れたタオルやハンカチを使用するのがいいでしょう。また、体のゴシゴシ洗いもやめた方がいいですね。強い洗い方で皮脂膜を取りすぎてしまうと、皮脂腺の分泌が異常になり、雑菌の増殖が促進され体臭が強くなる原因となってしまうのです」
冬のイヤなニオイ防止は、意外に簡単なところから実践できることが多いのだ。
※女性セブン2017年11月16日号
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