
夏の訪れが早かった今年は、例年よりも疲れが溜まりがち…。そこで酸っぱい食材の力を借りて、夏の疲れをリセット! 食欲が落ちたときでも、不思議なくらいさっぱりサラッと食べられる。
酸っぱい3つの効果
・食欲増進
酸味には食欲を刺激する効果が。食欲不振に陥ると筋力が衰え、熱中症にもなりやすい。
・疲労回復
酢に含まれる酢酸、レモンや梅干しに含まれるクエン酸には、疲労回復効果がある。
・消化吸収UP!
酸っぱいものには胃酸の分泌を促進し、消化吸収を助ける働きが。胃もたれなども改善。
料理はシンプルに!ピュアな酸味を味わって
広島県瀬戸内育ちの料理家・桑原亮子さんは、幼い頃からレモンは身近な存在だったと振り返る。
「祖母の定番は“レモンしょうゆ”。しょうゆにレモンを搾っただけなのに冷奴やお刺身、焼き魚…何にかけても、さっぱりとおいしい! 祖母の教えもあってか、柑橘類を使うときは、“調味料はシンプルに”するのが信条に。その方が柑橘の酸味や旨みが際立ちます。果汁は酸味、果肉は食感、皮は香りと覚えると、普段の料理に取り入れやすくなりますよ」(桑原さん)
爽快な酸味を運ぶ柑橘類は、夏の料理にもってこい。果汁はもちろん、果肉や皮まで丸ごと楽しむコツを大紹介。
【レモン×スパイス】「スパイシーライスサラダ」のレシピ
ギュッとひと搾りのレモンマジック。キリリと無限に食べられる。

《作り方》(2人分)
【1】米1合・もち麦50gは洗い、混ぜ合わせて2合分の水で炊飯する。炊き上がったら粗熱を取り、冷ましておく。
【2】きゅうり1本は皮をむき、種を取って角切りにする。塩少量を振って軽く塩もみする。
【3】ゆで卵1個は細かく潰す。ハム5枚は1cm角に切る。
【4】【1】に【2】、【3】を混ぜ合わせ、塩小さじ1/2、軽く炒ったクミンシード小さじ1を混ぜる。
【5】器に盛り、オリーブオイル大さじ1を回しかけ、ちぎったバジル10枚を散らし、レモン果汁1個分を搾る。
【レモン×しょうゆ】「鯛のレモンカルパッチョ」のレシピ
“レモンしょうゆ”は祖母直伝。たっぷりの皮を削ってフレッシュな香りをトッピング。

《作り方》(2人分)
【1】鯛1さく(200g)は塩少量を振って5分おき、水気を拭いて薄切りにする。
【2】青じそ10枚・みょうが2個はせん切りに、小ねぎ3本は小口切りにする。
【3】レモン果汁・果肉各1/2個分、薄口しょうゆ大さじ2を混ぜ合わせる。

【4】器に【1】を並べてオリーブオイル小さじ2を回しかけ、【2】を盛りつける。よく洗ったレモンの皮適量を削って鯛にかけ、【3】をつけて食べる。
【すだち×ヨーグルト】「たらとズッキーニのフリット すだちのタルタルソース添え」のレシピ
ヨーグルトで作る夏のタルタルはヘルシーで罪悪感ゼロ!

《作り方》(2人分)
【1】生たら2切れは3等分に切り、塩少量を振って5分おき、水気を拭く。
【2】ズッキーニ1本は厚めの半月切りにする。
【3】小麦粉大さじ6、片栗粉大さじ3、ベーキングパウダー小さじ1/2、水1/3カップを混ぜ合わせる。
【4】揚げ油適量を170〜180℃に熱し、【3】に【1】・【2】をくぐらせて入れ、【1】は1分ほど、【2】は2分ほどカリッとするまで揚げる。
【5】ヨーグルト(無糖)大さじ3、マヨネーズ・みじん切りにした玉ねぎ各大さじ1、塩小さじ1/2、すだち果汁1個分、よく洗ったすだちの皮適量を削って混ぜる。
【6】器に【4】を盛り、半分に切ったすだち適量を搾り、【5】をつけて食べる。
【レモン&すだち×ナンプラー】「レモン&すだちと豚肉の生春き」のレシピ
透ける輪切りが涼やか。かんだ瞬間、ジュワッと果汁が弾ける。

《作り方》(10本分)
【1】リーフレタス5枚は2等分にちぎる。きゅうり1本はせん切りにする。
【2】豚肩ロース薄切り肉200gはゆでてせん切りにする。
【3】レモン・すだち各1個はよく洗い、1mm幅の薄い輪切りを10枚ずつ作る。
【4】ナンプラー・水各大さじ2、砂糖大さじ1、みじん切りにしたしょうが1/2片分を混ぜ合わせる。
【5】生春巻きの皮1枚をさっと水で濡らし、【1】・【2】の各1/10量を手前におき、その奥に【3】を1枚ずつ並べ、外側から【3】が見えるように巻く。同様に9本作る。
【6】器に盛り、【4】をつけて食べる。
【ライム×ごま油】「鶏ひき肉と豆腐のライムスープ」のレシピ
鶏だしがライムでキリッと夏の疲れを癒す“ご自愛スープ”。

《作り方》(2人分)
【1】鍋に水2と1/2カップ、鶏ひき肉200g、みじん切りにしたしょうが1片分を入れて強火にかける。
【2】煮立ったら中火にして、2〜3cmの角切りにした絹ごし豆腐1丁(300g)を入れ、しょうゆ・砂糖各小さじ2、塩小さじ1、ライム果汁1/4個分を加える。ひと煮立ちしたら、仕上げにごま油小さじ1を加える。
【3】器に盛り、よく洗ったライムの薄切り適量を浮かべる。
【レモン×塩麹】「じゃこ入りレモンポテサラ」のレシピ
塩麹でほんのり甘くマイルドな酸味が新鮮。

《作り方》(2人分)
【1】するめいか2杯(400g)は食べやすく切り、熱湯で1分ゆで、取り出して余熱で火を通す。
【2】トマト1個は2cm角に切る。
【3】中華麺2玉は表示時間通りにゆで、流水で洗って水気を切り、米油適量、塩少量を絡めておく。
【4】ボウルにレモン果汁1/2個分、酢・ごま油各大さじ1、塩小さじ1を混ぜ合わせ、【1】、【2】、【3】を入れて和える。仕上げに塩少量で味を調える。
【5】器に盛り、好みでざく切りにしたパクチー適量をのせ、レモン1/4個を搾る。
【レモン×酢】「いかとトマトのレモン和え麺」のレシピ
酢との相乗効果で旨みアップ!ごま油が食欲をそそる。

《作り方》(2人分)
【1】じゃがいも(メークイン)2個は皮をむいてせん切りにし、水にさらす。
【2】鍋に湯を沸かし、塩小さじ1/2、 【1】を入れ、中火で10秒ほどさっとゆで、ざるにあげて水気を切る。
【3】ボウルにレモン果汁1/2個分、オリーブオイル大さじ1、塩麹小さじ2、薄口しょうゆ小さじ1を入れて混ぜ合わせ、【2】、ちりめんじゃこ30gを加えて和える。
◆教えてくれたのは:柑橘の達人・桑原亮子さん

料理家。料理教室『SPICEUP』を主宰。東京と大阪の2拠点で活動中。近著は『レモンひと搾り、スパイスひとさじで。変わる、毎日の料理』(グラフィック社)。
撮影/鈴木泰介 取材・文/岸綾香
※女性セブン2025年8月14日号