
「8月2日に放送されたトーク番組『人生最高レストラン』(TBS系)で、石田ゆり子さん(55才)が昨年10月に亡くなった西田敏行さん(享年76)との思い出を振り返っていましたが、番組で明かされなかった印象深いエピソードがもう1つあるんです」
こう口を開いたのは、2人が共演した映画に制作スタッフとして参加した映画関係者だ。
石田と西田さんの関係は、1989年のドラマ『翔んでる!平賀源内』(TBS系)での共演以来、35年の長きに及んだ。
「トーク番組で石田さんは、西田さんとの初共演時のエピソードや、カラオケで『もしもピアノが弾けたなら』をデュエットしたこと、熱心に演技指導をしてもらったことなどを振り返っていました。時折、言葉を詰まらせる場面もあって、西田さんが特別な存在だったことが伝わってきました」(テレビ局関係者)
冒頭の映画関係者が参加したのは、2006年公開の映画『釣りバカ日誌17 あとは能登なれハマとなれ!』。能登半島(石川県)が舞台で、出演者らは現地に滞在しての撮影だった。

「石田さんは西田さんと同じ旅館に泊まっていたこともあって、西田さんが開く夕食会にほぼ毎日参加していました。みんな“のんべえ”で、“能登まで飲みに来たのか、撮影に来たのかわからない”なんて冗談を口にすることもあったほどです。
西田さんは撮影中にアドリブをよく入れるのですが、連夜の飲み会で西田さんとの関係を深めた石田さんは、彼のアドリブに上手に対応するようになっていったんです。このエピソードはトーク番組で語られることはありませんでしたが、2人の間に生まれた阿吽(あうん)の呼吸が、作品の完成度を高めたのは間違いありません」(前出・映画関係者)
当時の経験を、石田は後輩たちにも伝えようとしているようだ。2024年に放送されたNHK連続テレビ小説『虎に翼』に石田が出演した際、彼女のアドリブが話題になった。
「オンエアではカットされたアドリブシーンもありましたが、石田さんの機転の利いた言動が現場の空気を盛り上げたそうです。西田さんが撮影現場で心掛けていたことを、実践しているかのような立ち振る舞いだったとか。石田さんはテレビ番組での受け答えも評判なのですが、これも西田さんから受け継いだアドリブの影響かもしれません」(前出・テレビ局関係者)
西田さんと交わした能登の杯が、石田の礎になっている。
※女性セブン2025年8月21・28日号