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《盆踊りがブーム》“盆オドラー”の68歳オバ記者が綴る ハマったきっかけとなった名曲と大泣きした思い出

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“盆オドラー”オバ記者の夏
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猛暑が続く中、暑さを吹き飛ばすように各地で“盆踊り大会”が開催されている。かつてのイメージとは一線を画すものにさま変わりしている盆踊り。“盆オドラー”でもあるオバ記者ことライターの野原広子(68歳)がその魅力について綴る。

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都内の各地で「まるでフェス」な盆踊り

まるでフェス! いや、もしかしたら暑さでおかしくなった人たちのヤケクソ? 都内のあちこちで数千人単位の人たちが週末ごとに踊りまくってる。

ここ数年の盆踊りは年々、大型化している。まず会場が派手。昔は町内の広場に顔見知りが集まり、子供が綿あめ持って走り回っているというイメージだけど今や六本木ヒルズや丸の内、渋谷の宮益坂、中野駅前、歌舞伎町と、どう考えても住人より外から盆踊り目当てに入ってくる場所よ。そこで何千人単位の人がヤグラのまわりを踊って回る。そりゃあもう壮観よ。「どう見ても輩?」というお兄さんや思春期真っ只中の男の子が、この道ン10年の盆踊りおじちゃん、おばちゃんに混じって輪になって笑って踊っているのを見ると、ほんと、胸がいっぱいになって気がつくと輪に吸い込まれて手足を動かしているの。

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都内でもあちらこちらで盆踊り
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きっかけは『ダンシング・ヒーロー 』

違いは規模だけじゃない。和太鼓ドドンがドン、というリズムはたしかに昔ながらの盆踊りだけどスピードがまるで違うのよ。かかる音楽も昔ながらの炭坑節や東京音頭じゃない。おそらくキッカケは20年以上前に荻野目洋子のヒット曲、『ダンシング・ヒーロー 』が取り込まれてからだね。発祥は愛知県とも岐阜県とも言われているんだけど、私がハマったのもこの曲を聴いてからだもの。

59歳のとき。当時、住んでいた日本橋浜町のスーパーマーケット前の広場でミニ盆踊りをしていたの。盆踊りをちゃんと見たのは高校生の時以来だから、「あら、ここでも盆踊りをするんだ」と立ち止まったのよ。この時に見た洗いざらしのアッパッパを着たおばちゃんの『ダンシング・ヒーロー 』があんまりかっこよくて、主催者らしき人に聞いたら数日後に『中央区大江戸まつり盆おどり大会』が浜町公園で開催されると言ってチラシをくれたのよ。

それでひとりで出かけて行ったんだけど何に驚いたって、なんと「浴衣着崩れお直しコーナー」のテントがあったのよ。それに生ビールやソフトドリンクやおつまみを売っているのは主催者の自治会の人たちで、だから夏祭りの胡散臭さがまるでない。で、すっかり気に入った私は翌夏は友達のF子を誘って浴衣で参加した。前年もそうだったけれどどうしたことか私は群舞を見て大泣きしたんだよね。今から9年前のことだ。

コロナ禍を経て“盆オドラー”と会って情熱は再び

で、その年と翌年は日比谷公園の大盆踊りや築地本願寺に行くほどハマり、すぐに日本橋浜町から引っ越すことになったんだけど、転居地は「浜町公園の盆踊りに参加できる」が条件。そのくらい私にとって衝撃の盆踊りだったんたよね。ところがその熱を急激に冷ましたのがコロナ禍よ。浜町の盆踊りも行ってはみたもののスカッと楽しめないんだわ。盆踊りは密を避けてやることじゃないんだって。

それで数年、盆踊り熱はすっかり冷めていたんだけど、区のスポーツジムのヨガ教室に通うようになったら、盆踊りの話ばかりしている人がいる。周りは彼女を“盆オドラー”とよんでいる。それがMちゃんだったの。彼女と仲良しになって「行きましょうよ」と誘われるようになって、また。

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懐かしさと新しさが共演する盆踊り曲目リスト
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そうしたらまたまた曲調が変わっていて、AKB48の「『恋するフォーチュンクッキー』だのYOASOBIの『アイドル』やディズニーの『ジャンボリミッキー』などノリノリの曲が増えたの。エンタメ盆踊りで有名な中野駅前大盆踊り大会では、以前、ボン被りでかかったボン・ジョヴィの曲が話題になり、それが本家、ボン・ジョヴィ本人の耳にも届いても今年はお祝いのメッセージまで届いていたんだとか。

日本の夏だなって胸を打った

そうそう。わが千代田区も負けていないよ。神田明神納涼祭りでは『アニソン盆踊り』が話題になっている。東京大学盆踊りサークルがガイドダンサーになって踊り初心者をリードしてくれたんだって。

とはいえ、この暑い中、夕方から出ていこうという元気がある日ばかりじゃない。先日はご近所の和泉町小学校の校庭で開かれた納涼大会に出かけてきた。ご近所の若いママ、若いパパが小さな子を片手で抱きながら踊っている姿って無条件で胸を打つよ。ああ、日本の夏だなって。

5キロ4500円の米の値段は気に入らないけれど、帰りのコンビニで最後の一個の2キロ750円の備蓄米が手に入ったし、まぁいいか。味? 炊き込みご飯にするしかないと思うよ。

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ふらりと寄ったコンビニで放出米ゲット!
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◆ライター・オバ記者(野原広子)

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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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