《信頼できる“かかりつけ医”の見つけ方》総合病院よりも個人病院、ネットの声よりリアルな口コミ…「私のかかりつけ医になっていただけますか?」と合意をとるのも重要
リアルな口コミと相性で決める
本や雑誌、テレビ、インターネット、SNSなどあらゆる媒体から大量の情報を得られる時代、「口コミ」も参考にはなるが、やはり、あくまでも参考でしかない。
「インターネットで検索すると“いいドクター10選”などが次々と出てきますが、実は広告であるケースも少なくありません。ネットの口コミも、どこまでが真実か鵜呑みにできないところは大きい。いちばんのおすすめは、リアルな口コミです。友人や家族が通っていて、“あの先生、よかったよ!”というのは基本的に間違いがない。
ただし相性は人によって違います。とてもやさしくて丁寧な先生が好きな人もいれば、ストレートな物言いでサバサバした先生を好む人もいます。“自分には合わないな”と思ったら、無理にかかりつけ医にする必要はありません。特に婦人科だとデリケートな話もあったりするので、相性の合う先生が見つかると、女性の生涯を通じて心強い存在になります」(稲葉さん)
かかりつけ医にしたい医師が見つかったら、“意思確認”をしておくことも重要だ。
「先生は私のかかりつけ医ですか? 何でも診てくれるんですか?と聞いてみましょう。“何でも診ますよ”と医師が言ったら、かかりつけ医として頼っていい。そういう関係性が大事です。
そこで、“自分は整形外科医だからな”“婦人科医だから難しいかな”と言い訳するような医師は、残念ですがかかりつけ医には向きません」(菊池さん)
山口さんも重ねる。
「医師側も、目の前の患者が自分をかかりつけ医として来院しているかどうかはわかりません。かかりつけ医は患者が主体的に選ぶものですから。ですので、選んだら『私のかかりつけ医になっていただけますか?』と伝えて合意をとっておきましょう。医師も、“この患者さんはうちがかかりつけなんだな”としっかり認識してくれるようになります。
コロナ禍のときに、自分はかかりつけだと思っていたら医師はそんなふうに思っていなかったという問題が結構出てきてたんです。コロナに感染して、“先生、コロナになってしまったので、自宅療養のときの体調チェックをお願いできますか?”と頼んでも、かかりつけ医にしているかどうか双方がわかっていなければなかなか対応できなかったりします。患者だけでなく、医師も自分がかかりつけ医だと認識することは重要です」(山口さん)
人生後半戦のパートナーになるかかりつけ医がいるか、いないか。これが健康寿命の長さを決める分かれ道になるだろう。

※女性セブン2025年8月21・28日号