縮こまりがちな中殿筋をしっかり伸ばすストレッチ
日常生活ではなかなか伸ばすことのできない中殿筋を、壁を使って伸ばすストレッチ。家事の合間などにこまめに行うと、やわらかいお尻を保つことができる。
壁を使ったストレッチ
【1】右側に壁がある状態で、壁から30cmほど離れて立つ。右手を肩より少し上の位置で壁に置き、左手は腰に。左足を前に出して足を交差させる。

【2】左手で腰をグーッと壁の方に押し、右の中殿筋を伸ばす。自然に呼吸しながら30秒間キープし、ゆっくり戻す。

【3】【1】と【2】を3回繰り返したら、反対側も同様に行う。
休んでいる間に行えるごろ寝中殿筋ほぐし
布団の上や床などで寝転んで行う、テニスボールを使った中殿筋マッサージ。中殿筋を直接刺激するので痛みを感じたら圧を調整しながら行おう。
【1】体の右側を下にして寝て頭を枕に乗せ、両ひざを軽く曲げる。テニスボール2個を下のイラストのAの位置と、BかCの位置に並べて置き、体重をかける。



【2】腰を軽く前後に動かして3分間マッサージしたら体の向きを変え、反対側も同様に行う。
【POINT】痛みが強い場合は、ひざに少し体重を乗せるなどして負荷を分散させてみよう。慣れてきたら、Aの位置にボール1個だけを置いて行おう。

エクササイズ効果を高める3つのポイント
ポイント【1】「鍛える」ではなく、「ほどよい刺激」にとどめる
日本人は真面目な人が多いため、筋トレやエクササイズを始めると、ついやりすぎてしまう傾向にある。

「『健康のため』のエクササイズは、頑張りすぎない方が有効な場合が多いんです。今回紹介しているエクササイズは、『お尻をほぐすこと』を目的にしたもので、筋肉を鍛えて太く、大きくするものではありません。汗をかくくらい力を入れてしまうとかえってお尻は硬くなるので、ほぐすことを意識し、鼻歌でも歌いながら『ほどよい刺激』を中殿筋に与えましょう」(磯﨑さん・以下同)
ポイント【2】“こりが弱い”側から行い、“こりの強い”側は多めに
お尻がこり固まっていると、エクササイズ中に痛みを感じることがある。
「こり具合には左右差があるのが普通。椅子に座っていつものように足を組んでみて、どちらの足が上になるとしっくりくるか、確認してください。お尻の筋肉が硬くなっている方の足は短くなっているので、無意識に長くて余裕のある方の足を上にする傾向があり、下になった方のお尻のこりが強くなっています。

最初はこりが弱く感じる方をほぐすことを意識して、痛みに慣れてきたら、こりが強い方を長めにほぐしてください。左右が同じようにやわらかくなるのを目指しましょう!」
ポイント【3】お風呂の後に行うのが最適
Step2からのエクササイズはいつ、何回行ってもOKだが、入浴後に行うのが最適だ。

「夜の入浴後の体が温まり、血流がいいときに行えば、その日の活動によって、こり固まったお尻をほぐすことができ、スムーズに入眠できるようになります。また、朝風呂に入った後に行えば、お尻とともに全身が整い一日を活動的に過ごすことができます」
このほか、肩や首、腰、ひざなどに、こりや痛みを感じるときにも硬いお尻をほぐすと、症状改善が期待できる。
◆教えてくれたのは:I.P.F研究所主宰・磯﨑文雄さん
日本人の体に合った独自の「筋膜マッサージ(R)」を行う治療師。著書に『100歳まで歩ける「やわらかおしり」のつくり方』(青春出版社)などがある。
取材・文/山下和恵
※女性セブン2025年10月30日号