紀子さまの努力の結実
一方、欠席を嘆く声も聞こえてくる。秋の園遊会には、騎手の武豊さん(56才)や人間国宝の漆芸家・山岸一男さん(71才)ら約1800人が招待されている。この春の園遊会から、天皇陛下を先頭に皇族方が一列に並んで招待者と懇談する形式から一転、大々的なルート変更が行われた。
多くの招待者が皇室の方々と交流を楽しめるようルートが3つに分けられ、天皇家の長女・愛子さまと秋篠宮家の次女・佳子さまがいらっしゃったルートは特に華やかな雰囲気に包まれていた。今回も、両陛下とほかの皇族方でルートが分けられる方向で調整されている。
「悠仁さまは成年式での凜々しい正装と、前髪を短くし整えた眉を覗かせるイメチェンが功を奏し、精悍な顔つきが『かっこいい』と評判です。大勢の人から注目される立場にあることを自覚され、容姿にも気を配られるようになられたようです。この流れの中で園遊会に参加され、フレッシュに招待客をもてなされれば、多くの招待者に、悠仁さまの人となりを知ってもらうよい機会だったといえるでしょう」(皇室ジャーナリスト)
それを痛感されているのは、ほかならぬ紀子さまだ。紀子さまはこれまで、将来の天皇として悠仁さまを立派に育てることに心を砕かれてきた。現在の天皇陛下の次世代の男性皇族が悠仁さましかいない現状に、紀子さまが感じられる責任とプレッシャーは相当なものだったはずだ。

「戦争関連施設の視察に同行されたり、私的な旅行で沖縄を訪問されたりと、紀子さまは徹底されていました。かつてはそういった前のめりすぎる姿勢に疑問の声があがったこともありましたが、成年式での悠仁さまの堂々としたお姿は、紀子さまの努力の結実と言っていいものです」(前出・皇室ジャーナリスト)
振り返ると、いまから45年前の1980年、成年式を3か月ほど前に終えられたばかりの陛下は、初めての園遊会に参加されていた。
「当時の陛下は大学生ながら堂々たるお振る舞いで、さすが将来の天皇と周囲は感嘆したものです。当時の陛下の皇位継承順位は2位で、いまの悠仁さまとお立場は同じです。だからこそ出席を期待する声が周囲にあったのは事実で、紀子さまはこの陛下のご出席を“前例”に、悠仁さまの園遊会デビューを全面的にプロデュースされるものと思われていました」(別の皇室記者)
しかし、蓋を開けると悠仁さまはご欠席を選ばれた。
「悠仁さまがいい形で注目され始めているいまを逃すことは、秋篠宮家にとって望ましいことではありません。皇室全体にとっても悠仁さまの出席はかなり有意義なことです。紀子さまとしては“なんとか出席してほしい”というお気持ちだったでしょうし、懊悩されたことでしょう。
それでも紀子さまが悠仁さまを“説得できない”という結果になったのは、小室眞子さんの結婚を巡る経緯以降の、秋篠宮家に長らく横たわるコミュニケーション不全を感じざるをえません」(前出・皇室ジャーナリスト)
“社交の場”での愛息の活躍に、母が目を細める──そんな光景が見られるまでは、まだ時間がかかるのかもしれない。
※女性セブン2025年11月6日号