
秋の野菜売り場の主役といえば、種類も豊富に並ぶきのこたち。それぞれに香りや旨みが豊かで、炒め物からスープ、和え物まで、毎日の料理に大活躍。さらにダイエットや腸活、節約にも役立つ。そんな神食材をもっとおいしく、効果的に摂れる方法のひとつが乾燥。料理家・フードスタイリストのダンノマリコさんが教える乾燥きのこレシピを試してみよう。
干しきのこで栄養価&旨みアップ
きのこは2~3時間天日干しすると、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが増加。水分が抜けるため、旨みもギュッと凝縮します。空気が乾燥するこれからの季節は、干しきのこのベストシーズン!
日持ちもよくなるので、買ったらすぐ干すのがおすすめ。

《作り方》
干す際は根元の硬い部分を落とし、マッシュルームやエリンギは縦に2~3等分に切り、えのきたけなどはほぐす。ざるなどに重ならないように広げ、風通しと日当たりのよい場所に2時間以上おく。

※きのこ類は石づき、根元を除いたものを使用しています。
「干しまいたけのジャージャー麺風」のレシピ
干してしっかり焼いたまいたけは旨みMAX!
《作り方》(2人分)
【1】 きゅうり・赤パプリカ各適量はせん切りに、もやし適量は湯通しする。
【2】しょうが20gは3〜4mm角に、ねぎ20cm、干しまいたけ1パック分は各1cm角に切る。
【3】 フライパンに豆板醤小さじ1とごま油大さじ1/2を入れて中火にかける。香りが立ってきたら【2】を加え、こんがりと焼き色がつくまで焼く。
【4】豚ひき肉200gを加えて脂が出るまでしっかりと炒めたら、余分な脂を拭き取り、砂糖・酒各大さじ2、しょうゆ・みそ各大さじ1の順に入れていく。みそがなじんだら水溶き片栗粉(片栗粉小さじ2:水3/4カップ)を加え、とろみがつくまで煮る。
【5】器にゆでた中華麺2玉を盛り、【4】、【1】をのせる。
「干しえのきの揚げ焼き」のレシピ
噛めば噛むほど深い味わいに。お酒にも合う!

《作り方》(2人分)
【1】 干しえのきたけ大1パック分をフライパンに広げ、油(ごま油など好みのもの)
大さじ1~2を加えて弱火にかける。
【2】 焦げないよう注意して、ときどきほぐしながらじっくり焼く。黄金色になってきたら、塩少量を振る。
【3】 器に盛り、小口切りにした青ねぎ適量をのせる。
「干ししいたけの肉団子」のレシピ
干すことで肉だねとのなじみがアップ。ジュワッと旨みが口に広がる。

《作り方》(2人分)
【1】玉ねぎ1/4個はみじん切りに、小ぶりの干ししいたけ(直径4cmくらいのもの)12枚の軸は手で裂いてボウルに入れる。
【2】 【1】に鶏ひき肉150g、おろししょうが少量、塩ふたつまみ、こしょう適量を加えて練り混ぜる。
【3】 【1】の干ししいたけのかさの白いほうを上向きにして並べ、小麦粉適量を振る。
【4】【2】の肉だねを6等分にしてそれぞれ【3】のしいたけ2個で挟む。
【5】フライパンにオリーブオイル適量を入れて中火にかけ、【4】の側面を転がしながら焼く。焼き色がついたら、蓋をして弱火で5分加熱する。
【6】器に好みの野菜適量と【5】を盛りつける。粒マスタード大さじ1、しょうゆ小さじ1を混ぜ、のせる。
「干しきのこのハーブ焼き」のレシピ
シンプル調理で素材のおいしさが際立つ。

《作り方》(2人分)
【1】干しエリンギ2本、干しマッシュルーム6個は食べやすい大きさに切る。にんにく1片は包丁の腹などでつぶす。じゃがいも中1個は皮ごとラップに包んで電子レンジ(600W)で2分30秒加熱してから、6〜8等分の角切りにする。ローズマリー1枝は半分の長さに切り、半量は茎を除く。
【2】フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れて弱火で熱し、【1】を入れる。上下を返しながら焼き色がつくまでじっくりと焼き、塩適量を振る。
【3】 器に盛り、レモンのくし形切り適量を添える。
「干しきのことたらの中華風スープ」のレシピ
魚の風味も加わりしみじみおいしいご自愛スープに。

《作り方》(2人分)
【1】塩たら2切れは骨を除いて3〜4等分に切り、ボウルに入れてたっぷりの熱湯を注ぐ。30秒おいたら水で汚れを洗い流す。
【2】干ししいたけ2枚は軸を手で裂き、かさは薄切りにする。干ししめじ小1パック分はほぐす。しょうがの薄切り3枚は細切り、ねぎ10cmは半分の長さに切ってから細切りにする。
【3】【1】、【2】、水2と1/2カップ、酒大さじ1を鍋に入れて火にかける。煮立ったらごく弱火にしてはるさめ(インスタントタイプ)20gを加え、煮立てない火加減で10分加熱する。
【4】塩適量(小さじ1/2〜2/3)で味を調え、器に盛る。好みで粗びき黒こしょう・ラー油各適量をかける。
◆教えてくれたのは:料理家・フードスタイリスト・ダンノマリコさん

食材を活かした作りやすい料理が好評。日本各地の魚介を楽しむ料理会『ミナトゴハン』も主宰。近著は『がんばらない じみ弁当』(日東書院)。
撮影/鈴木江実子
※女性セブン2025年11月6日号