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《突然のタイ語に戸惑う場面も》市川團十郎が映画『国宝』を意識して「新春歌舞伎」の意気込み語る「いまなら古典作品を学んでもらえるのでは」

2026年1月3日から始まる「初春大歌舞伎」会見に出席した市川團十郎、市川新之助、市川ぼたん。
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歌舞伎俳優の市川團十郎(47)が、長男・新之助(12)、長女・ぼたん(14)とともに「初春大歌舞伎」(2026年11月3日~27日、東京・新橋演舞場公演の取材会に出席。冒頭、團十郎とぼたんに続き、挨拶に立った新之助が口にしたのは「サワディカップ」のひと言。突然のタイ語に戸惑う記者陣を前に、隣に座る父・團十郎に“救い”の眼差しを向けるも、團十郎は泰然自若の笑顔を見せるだけ--。 

新之助の挨拶を、笑顔で見守る團十郎。
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微笑ましいやりとりから始まった会見では「初春大歌舞伎」の演目や意気込みについて語られたが、本公演でまず注目されるのは團十郎、新之助、ぼたんの親子3人で競演する「春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)」だ。九代目市川團十郎が作り上げた歌舞伎舞踊の大作といわれ、新之助と團十郎は愛らしくも可憐な胡蝶の精を踊る。團十郎は「ぼたんと新之助に胡蝶を経験させないといけないと思いました」と語りつつも、「身長がまだ伸びると思うので、2人は最初で最後の胡蝶になるかもしれません」と明かす場面も。 

團十郎にとっては16回目となる、おなじみの新春公演だが、今回は古典を中心にした演目が並んだ。これまでの新春公演では新作や古典をアレンジした作品に挑むことが多かったが、本公演で「熊谷陣屋(くまがいじんや)」など古典の名作をラインアップしたことについて語ったのは、大ヒット中の映画『国宝』の存在だ。 

團十郎は「いま、年代を問わず歌舞伎を見る人が増えてきた。いまなら歌舞伎の古典作品を学んでみようと思ってもらえるのでは。古典は学ぶことで深みが増すので、楽しんでほしい」と口にし、古典作品、ひいては歌舞伎文化の継承について熱い思いも吐露。新之助とぼたんもそれぞれ「すごく大事な時間になると思います。初めての演目で不安もありますが、一生懸命、稽古をして頑張ります!」(ぼたん)、「家族全員でできることが幸せです。気合を入れて稽古します。ぜひ見に来てください!」(新之助)と意欲を見せた。 

会見の終わりには12月に予定されている海外公演(タイ・バンコク)についても触れ、冒頭の新之助の挨拶を“伏線回収”。新たなチャレンジを見せる新春公演への期待は高まるばかりだ。 

 

会見中も新之助は何度も團十郎に視線を向けていた。
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初めて演じる演目への意気込みを語った新之助。
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初めて演じる「児雷也豪傑譚話(じらいやごうけつものがたり)」は、何度も過去の映像を見て勉強しているという。
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公演では市川家に伝わる「にらみ」と口上も。「にらみ」を見ると、その一年は邪気を払うといわれている。
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